QualiArts Advent Calendar 2023、7日目の記事です。
QualiArtsでエンジニアリングマネージャー/開発ディレクターをしている、新見です。
これまでに、4つのゲームサービスの運用、2つの新規立ち上げを経験してきました。
はじめに
ゲームの開発において、タスクの開発規模に問わず必ずチームで定めた開発のフローやルールがあると思います。開発フローと言っても、開発フェーズの違いや組織やチームで導入するツールの違いによって全く違うものだとは思いますが、今回は一連の流れを開発のフローとしてイメージしていただけたらと思います。
本記事では、その開発フローの中でルールを細かく決めることが重要なのか、果たして必要なのかに関して、私自身の考えをまとめておこうと思います。
組織図を明確に示すことは大切なのか
話はずれますが、みなさんはチームの組織図を明確にすることは大切だと思いますか?
私自身もこれまで、人の入れ代わりが発生した時に「しっかりと組織図を更新してください」と、マネージャーによく言っていました。それは「大切」だと思っているからです。
しかし、最近読んだ書籍の中で、 組織図をそのまま受け取ってしまうと、コミュニケーションをきっちりと決められた枠のなかに収めようとする。だが、組織図の線でつながっている人達だけとコミュニケーションするわけではない。 という内容がありました。
組織図の役割は組織の構造を明確に示すことであり、個人やチーム間のコミュニケーションパターンを理解するものとしては役に立たないということです。
図として明確に組織の体制を示すことができる一方で、その枠に囚われてしまい、進行が非効率になり業務に支障が出てしまうという状況が、受け取り方次第では生まれてしまうということに気づきがありました。
開発フローの場合はどうなのか
上で記載した組織図の話は、開発においても同じことが言えるのではないかと思っています。
実際に、フローや進め方をとても細かく図に起こし開発を進めているチームで開発スピードが上がらない問題に直面しているプロジェクトを経験したことがあります。
フローを明確にすること自体は、開発を進める上で確実に大切なことだと思います。それがなければ開発が成り立たないのは一目瞭然なのは全員が理解できると思います。
問題なのは、フローを明確にしたことではなくフロー通りに全てを進めようとすることで柔軟性を失ってしまうということです。
フローをしっかりと決めつつも、その中でいかに自由度を持って柔軟に動けるかがとても大切だと思っています。
柔軟に対応できる状態をつくるために必要なこと
「いかに自由度を持って柔軟に動けるか」という状態をつくることはとても難易度が高いものだと思います。なぜなら、その状況を作るためにはメンバー自身が置かれている状況に応じて、どのような動き方をするのが最適なのか、どのような動きをしたら今以上に効率がよいのかに気づく必要があるからです。
なので、私自身が重要だと感じている事としては、フローを作る以前にそのような状態を目指したチームを作ることだと思っています。
- 自由度を持って行動できる雰囲気づくり
- なぜ自由度もをって行動してほしいのか、なぜそれが重要なのか
- 理想としては、そのような行動をすることが当たり前の状態
- あくまでもフローはパターンの一つでしかないということ
- そのフローに固執してほしくない
- 状況に応じて適切に各自が判断してほしい
- 最終的にどういう状態をチームとして目指したいのか
が重要だと考えています。つまり、その状態を作るのはディレクター・マネージャー・リーダーの役割だと思いますし日々もコミュニケーションが非常に重要だと思っています。
おわりに
今回の記事で書かせていただいた、「柔軟に動けるチーム」という部分に対しては、当たり前のことを言っていると思う人が多いとは思います。しかし、最近ではゲーム開発において人数の規模が大きくなり開発期間も長期間になっているということもあり、よりマネジメント職の役割は重要になっていると感じています。私自身も良いチーム状態を作るためにしっかりとマネジメントを意識してチーム作りに取り組んでいけたらと思っております。