1.JAZUG とは?
JAZUG(Japan Azure User Group / じゃずゆーじー)は、日本全国で活動している Azure コミュニティです。
2010年のスタート以来、勉強会や LT 大会を通じて、参加者同士が知見を共有できる場を作り続けています。
今回の記事は、JAZUG 15周年イベントに初参加した体験記です。
参加前は「Azure エンジニアが真面目に技術を語り合う場」だと想像していました。
実際に足を運んでみると、フラットでオープンな雰囲気で、まるで「Azure 好きが集まる文化祭」のような楽しさがありました。
「Azure にちょっと興味ある」「実務のリアルな知見を聞いてみたい」
そんな方なら、どんな立場でもきっと楽しめると思います。
2.今回参加した背景
今回 JAZUG に参加した理由は大きく3つあります。
- 普段の業務で Azure を扱っており、発表テーマにある「コスト管理や運用・ネットワーク・セキュリティ」に関心があった
 - コミュニティの文化を体感してみたかった(リアルな知見や熱量に触れたい)
 - 部署内の若手の方々がコミュニティ活動や LT 登壇に積極的で、自分も刺激を受けた
 
「自分もそろそろ一歩踏み出してみよう」と思えたのも、今回の大きなきっかけでした。
…とはいえ、今回は参加のみですけどね(笑)。
3.当日のイベント概要
今回の「Japan Azure User Group 15周年イベント」は、JAZUG が長年活動を続けてきた節目にあたる会で、多くの参加者が集まりました。
また、「Japan Azure Travelers(JAT)」との共同開催でもあり、
Azure コミュニティ同士のコラボレーションとしても特別な位置づけでした。
- 日時:2025年10月4日(土)13:00〜17:20(懇親会参加の場合は 19:00 まで)
 - 会場:日本マイクロソフト 品川本社
 - 形式:現地参加(オンライン配信は YouTube で一部のみ)
 - 参加者:先着 200 名
 - イベントページ:https://jazug.connpass.com/event/364233/
 
3-1.全体スケジュールとセッション一覧
当日は、複数のルームで同時間帯にセッションが並行して行われる形式でした。
私は次のセッションを選んで参加しました。
| 時間 | セッションタイトル | 登壇者 | 皆さんの活動リンク | 
|---|---|---|---|
| 13:10〜13:50 | 15周年記念パネルディスカッション 俺とお前と Azure とコミュニティ | JAZUG / JAT メンバー | JAZUG 資料 / JAT 資料 | 
| 14:05〜14:45 | 自社の Azure コスト管理システムを作った話からコスト話で MS MVPになるまでのコスト最適化ストーリー 〜 FinOps を絡めて〜 | 御成門プログラマー さん | X / 記事 | 
| 15:00〜15:40 | 意外と知らない?運用で助かる Azure Tips 紹介します1 | Yoshino さん | X / 記事 | 
| 15:55〜16:35 | Azure Kubernetes Service のネットワーク全般をいい感じに理解する | 若葉 香月 さん | X / 記事 | 
| 16:50〜17:20 | Sentinel の進化と現在地2 | ぐっち さん | X / 記事 | 
4.セッションごとの学びと気づき
最初のセッションは全員共通で参加し、その後は複数のトラックから自由に参加する形式でした。
ここからは、共通セッションと個別セッションの中で特に印象に残った発表を紹介します。
4-1.共通セッション(俺とお前と Azure とコミュニティ)
15周年を記念したパネルディスカッションでは、JAZUG の歩みとコミュニティの価値が振り返られました。
特に印象的だったのは、「2010年の Windows Azure GA 当時の話3」です。
「デプロイに 15 分かかるのが当たり前」というエピソードに会場は笑いが起きましたが、黎明期から Azure を楽しみながら活用してきた人たちの熱量を感じました。
また、2011年の東日本大震災ではコミュニティが主体となり、日本赤十字や文科省のサイト復旧を支援した活動も紹介されました。
勉強会を超えて、社会を支える存在となっていたことが印象に残りました。
4-1-1.小さなアウトプットのすすめ
セッションでは「アウトプットは発表だけではない」というメッセージが強調されました。
登壇だけでなく、SNSで「いいね」したり、感想を一言つぶやいたりすることも立派なアウトプットとお話されました。
📌 「#jazug タグを付けて投稿してみよう!」という呼びかけもありました。
4-1-2.JAT のユニークさ
イベントの開催先をサイコロで決めるユニークなスタイルや、前夜祭と観光をセットにする文化が紹介され、「旅する勉強会」という特徴がよく伝わってきました。
📌 「#AzureTravelers タグ」とつぶやくと、その地域でイベントが開かれる可能性もあるそうです。
4-1-3.運営メンバーからの言葉
ここで語られた言葉は、自分にとっても強く響き、
「今後の社会人人生を見つめ直すターニングポイントになるかもしれない」と感じました。
- 地方では少人数でも細々と続けたい
 - 会社や肩書を超えて、好きな技術でつながれるのが魅力
 - 勉強が続かなかった人も、コミュニティで「楽しいから学べる」に変わる
 - 人生の大切なつながりの一つになり得る
 - プライベートや仕事を優先しながらも挑戦を楽しむことで、人生はより豊かになる
 
4-2.個別セッション(コスト最適化 〜 FinOps を絡めて〜)
ここでは、御成門プログラマーさんの発表を代表例として紹介します。
タイトル名:自社の Azure コスト管理システムを作った話からコスト話で MS MVPになるまでのコスト最適化ストーリー 〜 FinOps を絡めて〜
4-2-1.FinOps という考え方
登壇ではまず、クラウドコスト最適化の手法である「FinOps」が紹介されました。
単なる「削減」ではなく、部署を超えて協力しながらビジネス価値を最大化するための最適化を目指す考え方です。
日本ではまだ知名度が低いものの、政府レベルでの推進も始まっており、今後広がっていく可能性があるとのことでした。
4-2-2.Azure コスト管理の歩みと試行錯誤
Azure を使い始めたきっかけは、上司から「セミナーに行って Azure を触ってこい」と言われたことだったそうです。
その後は VM を利用し、毎月コストを報告する業務が追加されたとお話されていました。
当初は Azure EA Portal4 のスクリーンショットを提出する手作業でしたが、利用が拡大すると限界を感じ、自作の管理システムを構築。
部門ごとのコストを可視化した結果、問い合わせが相次ぎ、多くの失敗や試行錯誤を経験したとのことです。
そうした取り組みの積み重ねは、意図せずとも FinOps を実質的に実践していた動きだったと振り返られていました。
4-2-3.成果とメッセージ
御成門さんがコストにこだわる理由は「面白いから」。
クラウド利用者なら誰もが経験する話で共感を呼び、失敗談は印象に残りやすい。
さらに、コスト最適化は会社の業績に直結する重要なテーマだからこそ、追求する価値があると語られていました。
こうした取り組みを積み重ねた結果、「該当分野の MVP」に認定。
最後には「コスト削減」という言葉の誤解についても触れられ、
単に機能を削るのではなく、最適化こそが重要だと強調されていました。
5.まとめ
今回、JAZUG のイベントに初めて参加してみて、単なる技術勉強会以上の「コミュニティの力」を強く感じました。
Azure に関する知見だけでなく、現場での工夫や経験を直接聞けたことは大きな収穫です。
初参加でもフラットに受け入れてもらえる雰囲気があり、「まずは参加してみる」だけでも十分意味があると実感しました。
そして参加を通じて、自分も いつかは LT に挑戦してみたいと思いました。
私は関西出身なので、今後は JAZUG(大阪)のイベントもチェックしてみたいと考えています。
日本全国で活動している JAZUG だからこそ、地域ごとに違う雰囲気や学びがあるのも魅力のひとつですね!
「コミュニティに参加したことがない」「ちょっと興味はあるけど敷居が高そう」と感じている方も、まずは一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
新しい学びや出会いがあるかも?しれません。
皆さん、快適な Azure ライフを!
6.おまけ
最後に、参加記念として15周年記念のステッカーをいただきました!
ちょっとしたグッズですが、コミュニティの歴史や温かさを感じられて嬉しかったです。
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