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意外と知らない?Azure Portal で使える便利機能7選!

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はじめに

社内で Azure Portal の画面を共有すると、よく「それなに?」「どうやってやってるの?」と聞かれます。

これまで Azure の全資格 を取得する中で実機を触りつつ、実務でも普段から利用していて、「もっと早く知っていればラクだったのに」と思った便利機能を7選に厳選して紹介します。

Azure Portal は GUI 中心の操作が多いですが、ちょっとしたコツを知っているだけで、日々の作業がぐっと楽になります。

気になるものがあれば、ぜひお試しください!

本記事は「基本的な Azure Portal の操作は理解しているけれど、もっと効率よく使いたい」という方向けです。
すでに Bicep や Terraform などで IaC による管理・運用を徹底している方には、あまり有用でない可能性があります。

外部ツールのインストールが必要なものについては、会社勤めの方は所属先のポリシーに従い、フリーランスの方はご自身の判断でご利用ください。

1.テナント(ディレクトリ ID)切り替え

Azure で複数のテナント1を扱っている場合、Azure Portal でのディレクトリ(以下「テナント」)の切り替え操作が、意外と手間に感じることはありませんか?

そんなときに便利なのが、テナントごとに Azure Portal の URL をブックマークしておく方法です。ログイン後すぐに目的のテナントにアクセスでき、切り替えの手間がぐっと減ります。

https://portal.azure.com/signin/index/@{ディレクトリ ID}

この URL をブックマークしておくだけで、特定のテナントにダイレクトにアクセスできます!

1-1.実機参考

Azure Portal でのディレクトリ ID 確認 〜 ブラウザへの URL 入力までの手順

  1. Azure Portal 右上の「人のアイコン」付近をクリックし、「ディレクトリの切り替え」を選択

2.「ディレクトリとサブスクリプション」内で、対象ディレクトリの「ディレクトリ ID」を控える
image.png

3.以下の形式に沿って、ダイレクトアクセス用の URL を作成

例:ディレクトリ ID が「xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx」の場合

https://portal.azure.com/signin/index/@xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx

ブラウザへの URL 入力例
このように作成した URL をブラウザに入力の上、検索します。
image.png

サインイン画面でアカウントを選択の上、サインイン!
image.png

ブックマークに登録しておくのがおすすめです!
image.png

2.背景色カスタマイズ

「あれ?これ本番環境?それとも検証環境?」とヒヤッとした経験、ありませんか?
Azure Portal の外観設定で背景色を変えておくだけで、今どの環境にいるかがひと目で分かります。

「たったそれだけ?」と思うかもしれませんが、どれだけ経験豊富なエンジニアでも操作ミスは起こり得ます。環境ごとに色を分けておくだけで、誤操作のリスクを大幅に減らせます。

ちなみに私は、作業中に色で自然と判別できるように検証環境を「」、本番環境はデフォルトの「」にしています。

2-1.実機参考

Azure Portal 画面の背景色を変更する手順

1.Azure Portal 右上の ⚙️(設定)をクリック
image.png

2.「外観」内で好きなテーマを選択し、「適用」をクリック
※デフォルト「」から変更する場合は、「」を選択
image.png


テーマ「暗」を選択した場合の表示例
「この環境はこのテーマ」と決めておけば、視覚的にどの環境を操作しているかすぐに把握できます!
WS02.JPG

3.ブラウザ拡張機能

Azure Portal をもっと快適に使いたいなら、ブラウザ拡張機能の活用がおすすめです。
@aktsmm(やまぱん!) さんの記事では、多くの実用的な拡張機能が丁寧に紹介されており、とても参考になります。

その中でも特に便利なのが、「Text Blurrer2」。
画面共有やスクリーンショットの際に、ユーザー名・テナント ID・サブスクリプション ID などの情報を自動でぼかしてくれるツールです。

社外向けの資料作成やデモでは、もう手放せません。

今回の記事では Azure Portal のぼかし用途として紹介していますが、Chrome 拡張機能のため、任意のブラウザ画面で利用できます!(例:AWS マネジメントコンソールなど)

3-1.実機参考

拡張機能の導入 〜 利用手順

1.Text Blurrer の Chrome 拡張機能ページにアクセスし、「Chrome に追加」をクリック

image.png

2.表示されたポップアップで「拡張機能を追加」をクリック

3.追加後、ブラウザ右上の拡張機能のアイコンから「Text Blurrer」を選択

常に表示させたい場合は、「Text Blurrer」の横にあるピンアイコンをクリックして固定してください。

4.ぼかしたい文字列3を入力し、「apply」をクリック


文字列「サブスクリプション」をぼかした場合の表示例
image.png

ぼかしを解除したい場合は、「Enabled」トグルをオフにしてください。
image.png

4.描画ツール(ZoomIt)

Azure Portal の操作説明や実機画面を共有しているとき、
「今どこの話をしているのか相手に伝わってないな…」と感じたことはありませんか?

そんなときにおすすめなのが、Microsoft 公式の描画ツール「ZoomIt」です。
もともとはプレゼン用ツールですが、Azure Portal の操作説明などで大活躍します。

👇 こんな場面で役立ちます

  • 注目ポイントにマーカーを引きたいとき
  • 操作箇所を強調したいとき
  • 画面にリアルタイムで書き込みたいとき

操作はとてもシンプルで、ホットキー(例:Ctrl+Q)を押すだけ。
「画面を共有しながら説明しているのに、うまく伝わらない…」と感じる方は、ぜひ試してみてください。

4-1.実機参考

ツールのダウンロード 〜 利用手順

1.ZoomIt のダウンロードページ にアクセスし、「ZoomIt をダウンロード」をクリック
image.png

2.ダウンロードした ZIP ファイルを解凍し、アプリケーション「ZoomIt」をダブルクリック

3.初回起動時に、各種ホットキーを自分好みに設定
画面内に書き込みを行いたい場合は、「Draw」タブ内の「Draw w/out Zoom」に任意のホットキー(例:Ctrl+Q)を指定します。


Azure Portal に書き込みを行った画面例
書き込みを一つ前の状態に戻すには Ctrl+Z、ZoomIt の操作を終了するには Esc キーを押します。
image.png

5.リソース ビジュアライザー

環境を構築してしばらく経つと、「リソースグループ内の全体像がつかみにくい…」と感じることはありませんか?

そんなときに便利なのが、Azure Portal のリソースグループ画面にある 「リソース ビジュアライザー」です。

👇 こんな場面で役立ちます

  • リソース同士の依存関係やつながりを図で確認したいとき
  • 全体構成のイメージをすばやく把握したいとき
  • 構成図がすぐに用意できないとき

特別な準備は不要で、リソースグループ画面の上部メニューから数ステップで利用できます。
急に構成の説明が求められた際などに、非常に重宝します。

ぜひ一度、試してみてください!

5-1.実機参考

リソース ビジュアライザーの表示手順

1.対象のリソースグループを開き、「リソース ビジュアライザー」>「リソースの選択」をクリック
image.png

2.表示させたいリソースにチェックを入れ、「適用」をクリック
image.png


リソースグループ内のすべてのリソースを選択した場合の表示例
仮想ネットワーク、ネットワーク セキュリティ グループ、仮想マシン、ディスク、ネットワーク インタフェイスなど、シンプルな構成でもリソース間の関係性が視覚的に把握できます。
image.png

6.クラウドシェル

Azure Portal の右上にある「 >_ 」アイコン。
「見たことはあるけど、使ったことはない」という方も多いのではないでしょうか?

GUI 操作では時間がかかる場面や、繰り返しの多い作業も、クラウドシェルを使えば効率的に処理できます。

👇こんな場面で便利です(Azure CLI の場合)

  • 自分に割り当てられているロールを確認したい
    「このリソースに対して、自分ってどんな権限を持ってるの?」というときに便利なコマンドはこちら
az role assignment list --assignee $(az ad signed-in-user show --query id -o tsv) --output table
  • Azure VM(IaaS)の状態を一覧で確認したい
    VM の数が増えてくると、Azure Portal 上で1台ずつ状態を確認するのは手間がかかります。
    そんなときに使えるのがこちらのコマンド
az vm list -d -o table

クラウドシェルで使えるコマンドはこの他にもたくさんあります。
「毎回 GUI で確認するのが手間だな」と感じたら、まずクラウドシェルで実行できるか?をチェックしてみるのがおすすめです。

6-1.実機参考

クラウドシェル(Azure CLI)での実行手順

1.Azure Portal 右上の「 >_ 」のアイコンをクリックし、「Bash」を選択
image.png

2.操作対象のサブスクリプションを選択し、「適用」をクリック
※セッション情報を保持したい場合は、保存先のストレージアカウントを指定してください。
image.png


Azure CLI コマンドの実行結果例
環境内で自身のユーザーが持つ権限や、特定リソースの状態を一覧で確認したい場合、クラウドシェルは効率的な確認手段です!
image.png

7.お気に入り

Azure Portal でよく使うリソース、毎回メニューや検索から探していませんか?
そんなときに便利なのが、「お気に入り」機能です。

👇こんな場面で便利です

  • 毎日使う VM やストレージアカウントをすぐに開きたいとき
  • 一時的に使用頻度の高いリソースを固定しておきたいとき

シンプルな機能ですが、よく使うリソースがある方には大きな時短効果があります。
ぜひ活用して、日々の操作をもっとスムーズにしてみてください。

7-1.実機参考

お気に入り追加手順

1.Azure Portal ホーム画面内で「リソース」 > 「お気に入り」を選択し、「お気に入りに追加するリソースの選択」をクリック
image.png

2.追加したいリソースにチェックを入れ、「選択」をクリック
image.png


お気に入り追加後の画面例
仮想マシンを登録した例です。
リソースが多くても、お気に入りからすぐにアクセスできるようになります。
image.png

おわりに

Azure Portal には、意外と見落とされがちな便利機能がたくさんあります。
すべてを使いこなす必要はありませんが、今回ご紹介した 7 つの機能を知っているだけでも、日々の作業がぐっと効率化されるはずです。

もし業務の中で「これ、なんだか手間だな…」「もっと簡単にできないかな?」と感じる場面があれば、ぜひこの記事の内容を思い出してみてください。
案外、すぐに解決できる方法が見つかるかもしれません。

まずは、気になったものから気軽に試してみることから始めてみましょう!

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  2. Chrome ブラウザの拡張機能

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