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AIエージェントを利用したイベントレポートの書き方

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Last updated at Posted at 2026-06-12

はじめに

AI Engineering Summit Tokyo 2026 Summerに参加しました。2日間で13セッション+20社以上のブースを回ったレポートを、AIエージェントを活用して書きました。2日後には公開できたのは、異常な速さだと自負しています。

完成した記事: AI Engineering Summit Tokyo 2026 Summer 参加レポート(写真75枚・約36,000字)

以下、エージェントに何を指示してどう進めたかを書きます。

1. 設計書を作らせた

イベントの公式ページURLを渡して「全セッションの構成を読んでレポートの設計書にまとめて」と指示しました。エージェントがページを読み取り、タイムテーブル・登壇者・Room情報を表形式で整理してくれました。

ここに自分のこだわりたい要素を加えて、レポートの骨格にしました。

2. 写真88枚を渡して分類させた

iPhoneで撮った写真88枚をそのまま渡して「どこまで読める?」と試すと、写真の内容や文字だけでなくメタデータまで読み出して、勝手に私の参加セッションを特定してきました。これは驚きでした。

EXIFメタデータ(撮影時刻・GPS)を読み取って、タイムテーブルと照合してくれます。 例えば10:35撮影ならSPONSOR午前①(オーティファイ)、17:45ならKEYNOTE(Scott Hanselman)。

出力されたマッピング表:

| ファイル | 種別 | 企業 | キャプション |
|---------|------|------|-------------|
| IMG_1604 | slide | オーティファイ | 「50%の壁」- 開発工数の約50%がテスト |

スライド写真は画像の中身も読んでキャプションを付けてくれました。

3. 1社ずつ「感想を喋った」

エージェントに「次の企業に進んで」と言うと、該当する写真キャプションを提示してくれます。それを見ながら感想を口頭的に伝えました。

自分: 既存システムのリプレイスを、既存システムを仕様として
      ループによって実現するアプローチ。とても本質をとらえた
      CTOの発表であり、組織自体が魅力的に見えるとても良い
      発表であった。

エージェントがこれを「です・ます」調で整形し、設計書のテンプレートに沿ってレポートに書き込んでくれます。自分は何を感じたかだけ伝えました。

ブースも同じ要領で、20社以上を順番に進めました。事前にWeb検索で企業概要を取得させてから感想を伝えると、文脈が揃って精度が上がりました。

4. 「全体の所感」を何十回も直させた

ここが一番時間を使いました。指示の例:

自分: 「2日間を通じて最も強く感じたのは」という書き出しはふさわしくないよね。

自分: 誰もコードを書く話をしていないので、
      「コードを書かないのは当たり前」はふさわしくない。
      話題がそもそもコーディングではなく評価・組織・
      ループといった上位の話ばかりだった、ということ。

自分: 「そして何より」は強い。表現弱めて。

自分: 横断的トレンド多すぎ。もう一つ項目作って個別のものはそこに移動。

「ここが違う」「温度感はこう」と伝えるだけで書き直してくれます。正しい文章を自分で考える必要はありませんでした。

5. 表現を一括変換させた

「レポート全体を だ・である から です・ます に変換して」と指示しました。変換後に「変換漏れないかチェックして」とも指示。5件漏れが見つかったので「対応して」で修正完了。

6. HEIC → JPG に変換させた

iPhoneの写真はHEIC形式でQiitaにはアップロードできません。「88枚全部JPGに変換して」と指示。ImageMagickで一括変換してくれました。

7. GUIエージェントで画像を自動アップロードさせた

Qiita APIには画像アップロードのエンドポイントがありません。CLIからは不可能なので、GUIエージェント(ブラウザ操作の自動化)に「Qiitaの編集画面を開いて、この75枚を順番にアップロードして、返ってきたURLを記録して」と指示しました。

容量上限にハマった

非圧縮で56枚上げたところでQiitaの月間上限(100MB)に到達。以下を指示:

自分: 上限に達した。残りの画像を幅1200px・品質70%に圧縮して。
自分: 既にアップした大きい画像を削除して容量を確保して、圧縮版で上げ直して。
自分: 本文内のURLを旧→新に一括置換して。

教訓: iPhone原寸(1〜4MB/枚)ではなく、最初から圧縮(85KB/枚)すべきだった。全75枚で約7MBに収まる。

8. 公開前にレビューさせた

「レポートを通しで読んで、違和感がないかレビューして」と指示。指摘された問題と、それに対する指示:

自分: 画像が大きすぎる → 「全部width=600にして」
自分: キャプションが斜字で読みにくい → 「引用記法に変えて」
自分: スライド写真で本文が埋もれる → 「写真を折りたたみに入れて、感想を前面に出して」
自分: ブース折りたたみが分かりにくい → 「summaryに企業名を列挙して」
自分: 感じたことセクションが長い → 「要所を太字にして」

9. Qiita APIで投稿・公開させた

「Qiitaに下書き投稿して」→ 確認 →「公開して」で完了。タグの提案も「より良いタグある?」で出してもらいました。

工数の内訳

工程 時間 自分がやったこと
設計書作成 15分 URL渡して指示
写真分類 20分 写真渡して確認
口述×構造化 2時間 感想を喋った
推敲 1.5時間 違和感を伝えた
画像処理 1時間 変換・圧縮・アップロードを指示
レビュー・公開 30分 指摘して直させた
合計 約6時間

まとめ

何が変わったか

イベントレポートの執筆は「感じたことを思い出す」作業と「文章として整える」作業に分解できます。前者は人間にしかできませんが、後者はエージェントに任せられます。

自分は昔から記事を書くことが多いのですが、伝えたいことに対してそれ以外の作業が多すぎるのが悩みでした。構成を考える、表現を揃える、画像を加工する、フォーマットを整える。エージェントがそれらを引き受けてくれたことで、本質的な作業―― 何を感じたか、何を伝えたいか――だけに集中できました。

「公開できる状態」までのハードルが下がる

特に大きかったのは、言葉遣いや表現を自分で考えなくて良くなったことです。伝えたいことの核心を箇条書きや口語で伝えれば、エージェントがそれを読める文章にしてくれます。「公開できる状態」に持っていくハードルが圧倒的に下がりました。自分らしい表現に磨くのはそのあとで十分です。

構成の再編が気軽にできる

原稿用紙がワープロになったとき、文章の入れ替えや追記が飛躍的に楽になりました。それと同じ質の変化を感じています。要点を伝えきった後に「レポート全体として話の流れが自然になるよう再構成して」と指示すれば、段落の順序入れ替えや接続詞の調整までやってくれます。一度書いた構成に縛られなくなる感覚は、以前では考えられなかったものです。

注意点

  • 事実確認は人間の責任: エージェントは記憶を持たない。企業名・数字・発言内容の正確性は自分で担保する必要がある
  • 推敲は妥協しない: 初稿は「それっぽい」だけで自分の言葉にはなっていない。何度でも直す
  • 画像は最初から圧縮する: Qiitaの月間100MB上限を知らずにハマった。75枚なら幅1200px・品質70%で約7MBに収まる
  • 温度感の伝達が最も難しい: 「強すぎる」「あっさりしすぎ」を言語化して伝えるのが一番コツがいる。具体的な代案を出すより、ダメな理由を伝えるほうが精度が上がった

おまけ:この記事自体もエージェントで書いた

この記事も同じ方法で書いています。

レポート作成の過程で生まれた素材(設計書・写真マッピング・進捗メモ)と、エージェントとのやりとりをsaveしたJSON(チャットログ)を別のセッションに読み込ませました。セッションを復元したわけではなく、JSONをデータとして読んでもらい、「どういう流れでレポートを作ったか」を伝えたい構成に沿ってまとめてもらっています。

工数の表もこのJSONのタイムスタンプから生成したものです。作業の開始・終了時刻がメッセージ単位で残っているので、工程ごとの所要時間を正確に出せました。

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