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8人チームで実現するシステム効率——創聯雲の開発メソッド

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オリジナルの公開場所:https://www.nocobase.com/ja/blog/shenzhen-chuanglianyun-tech-development-methodology

はじめに

多くの技術チームにとって、コードを書くことこそが進歩の中心だと感じているかもしれません。

しかし、深圳創聯雲テクノロジーでは、コーディングはプロジェクト全体のわずか20%にすぎません。

本当のスピードの壁は、要件定義、リリース管理、運用、セキュリティテストといった周辺のプロセスにあります。

この8人の小さなチームは、食品検査分野の顧客を支援し、わずか2か月で3件の全工程プロジェクトを完了させました。

しかも、通常の半分の人員で、品質を一切落とすことなく。

その秘密は、残業ではありません。効率を仕組み化する、体系的なアプローチにあります。

適切な方法とツールを組み合わせることで、創聯雲は小規模チームでも企業並みのスピードで動ける体制を作り上げたのです。

コード中心か、ビジネス中心か

IT業界では、ローコードプラットフォームをめぐる議論はしばしば二分されます。

柔軟性の低下や保守の難しさを懸念する声がある一方で、効率を飛躍的に高める手段と評価する人もいます。

しかし、創聯雲の経験が示すのは、本質的な違いはツールではなく、開発に対するチームの考え方にあるということです。

「私たちのチームは2009年からローコードの活用を始めました。これまでDingTalkエコシステムで多くのローコードプロジェクトを手がけ、自社フレームワークも開発してきました。私たちは常にローコードを前向きに受け止めています。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

彼らが気づいたのは、チームの考え方には二つの型があるということです。

コードでロジックを表現するチームと、モデルやドキュメントを通じてロジックを整理するチーム。

前者は実装を重視し、後者は理解を重視します。

創聯雲は明確に後者のアプローチを取っています。

「私たちの議論はコードから始まることはほとんどありません」と呉氏は語ります。「まずビジネスロジックとデータ構造を整理し、データモデルと関係性が明確になれば、画面やワークフローは自然に組み上がっていきます。」

この“ビジネス中心”の開発スタイルによって、チームは初期段階からシステム構造と実現可能性を可視化でき、クライアントとの意思疎通も格段にスムーズになります。

彼らにとって、コーディングは目的ではなく、ビジネスロジックを形にするための手段の一つなのです。

フレームワークからプラットフォームへの進化

創聯雲は一貫して「ビジネスを中心に据えた開発」を実践しており、明確で直感的なビジネスロジックを保ちながら、素早くシステムを提供することを重視してきました。

長年のプロジェクト経験を通じ、チームは次第に二つの一般的な開発アプローチの限界を痛感しました。

  • SaaS型ローコードプラットフォーム:導入は容易だが、オンプレミス展開、データセキュリティ、深いカスタマイズなど、企業システムの要件には対応しづらい。
  • 従来型フレームワーク:柔軟性は高いものの、保守コストが大きく、チーム開発には不向き。

「私たちの顧客はすべてイントラネット環境で運用しています。外部サーバーでシステムを動かすことは不可能です。一部のプラットフォームはプライベート版を提供していますが、価格が非常に高額で現実的ではありません。」 —— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

こうした課題を踏まえ、チームはセルフホスティング可能で、拡張性と柔軟性のバランスを兼ね備えた基盤を探し始めました。

そして、1PanelのアプリマーケットでNocoBaseを見つけたことが転機となりました。 試しに導入してみると、NocoBaseは彼らの開発哲学と驚くほど相性が良いことがすぐにわかりました。

  • データモデル駆動:ビジネスロジックをそのまま構造化してシステム化。
  • プラグイン拡張性:最小限のコストで柔軟なカスタマイズ。
  • 完全セルフホスティング:あらゆる環境で安全・確実に運用可能。

「以前のフレームワークで構築していたプロジェクトも、NocoBaseならほとんどコードを書かずに再現できます。小規模チームである私たちにとって、まさに生産性を飛躍的に高めてくれる存在です。」 —— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

実践が証明したスピード:わずか2週間で完成したシステム

創聯雲の「ビジネスロジック主導」の開発手法は、最初のプロジェクトでその効果を実証しました。

チームが手がけたのは、食品検査プロセス向けの写真管理システム。バックエンドの管理画面とモバイルアプリの両方を構築する必要がありました。

まずプラットフォーム上でデータソースとデータ構造を定義すると、そこから自動的にインターフェースとAPIが生成されました。

APIドキュメントも即座に作成されるため、アプリ開発チームはバックエンドの準備を待たずに同時進行で作業を進められます。

結果、わずか2週間でシステム全体が完成。バックエンドとアプリを同時にリリースし、ワークフローを通じてクライアントの業務システムにデータが自動的に同期されました。

「以前はコードを書いて、コンパイルして、リリースして、何度もやり取りを繰り返していました。今ではAPIドキュメントがあるので、一度の連携で開発が完結します。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

この成功によって、チームの信念はさらに確かなものとなりました。

データモデル駆動型の開発とビジュアルな協働を組み合わせることで、開発スピードを大幅に向上させ、無駄なコミュニケーションや手戻りを最小限に抑えられるのです。

この経験を機に、彼らはノーコード/ローコードを中心とした標準化された開発プロセスの構築を進めていきました。

方法1:複雑なプロジェクトをスムーズに管理する

創聯雲のクライアントの多くは、ソースコード一式の納品を求めます。

従来のフレームワークを使っていた頃は、各機能を個別のモジュールやサービスに分ける必要があり、プロジェクトが増えるたびにバージョン管理やドキュメントの更新、デプロイ調整に膨大な時間とコストがかかっていました。

「エンジニアは共通化を進めようとしますが、納品重視の案件では、逆に管理の手間が増えてしまうことがよくあります。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

NocoBaseのプラグインベースのアーキテクチャを導入してからは、各プロジェクトの独自ロジックを独立したプラグインとしてまとめることで、「1プロジェクト=1プラグイン」という明確な構造を確立しました。

これにより、各プロジェクトは独自のカスタマイズ領域を持ち、保守や拡張の履歴を明確に追えるようになりました。

  • バージョンを明確に分離:あるプロジェクトの変更が他に影響しない。
  • 保守を簡略化:修正や拡張はプラグイン単位で完結。
  • 納品効率を向上:クリーンで導入しやすいソースコードをそのまま提供可能。

その結果、納品のリズムが安定し、保守の手間も大幅に削減されました。

方法2:バージョン更新をスムーズに

食品検査業界では、ほとんどのシステムがクライアントのイントラネット内で運用されています。

そのため、一般的なウェブシステムのようにオンラインで簡単にアップデートを配信することはできません。

変更を加えるたびに、VPN接続、踏み台サーバー、内部ジャンプサーバーなど、複数のセキュリティ手順を経てようやくLinuxサーバーにアクセスする必要がありました。

この従来の手順は時間がかかるうえにミスも起こりやすく、運用負担の大きな要因でした。

「以前は、ほんの小さな修正でもVPNに入り、踏み台サーバーを経由して手動でコードをアップロードし直していました。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

NocoBaseの導入後もシステムはイントラネット内で動作しますが、ビジュアル設定による更新がそのまま本番環境に反映されるようになり、リモートコンパイルや手動デプロイの必要がなくなりました。

この仕組みにより、時間の短縮だけでなく、チーム間の調整負担も大幅に軽減。

これまで開発・テスト・運用の複数チームが連携して行っていた更新作業が、今ではほぼ一度の操作で完了します。

「以前はイントラネット内のバージョン更新に半日かかっていましたが、今では10分ほどで結果を確認できます。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

方法3:納品の品質基準を引き上げる

ソフトウェア開発では、スピードと品質はしばしば両立しづらいと考えられがちです。

しかし、従来のフレームワーク中心の開発からプラットフォーム中心の開発へと移行することで、この2つはむしろ互いを高め合う関係になります。

創聯雲のプロジェクトはすべて、クライアント側で厳格なセキュリティテストと脆弱性スキャンを通過しなければなりません。

従来のフレームワークを使っていた頃は、毎回のスキャンで5〜8件の高リスク脆弱性が見つかり、それらの多くは古い依存関係や統合の不整合に起因していました。

「以前は、セキュリティテストのたびに1週間は修正と再テストに追われていました。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

NocoBaseを導入してからは状況が一変。直近3件のセキュリティレポートでは、各プロジェクトで高リスク脆弱性はわずか1件のみであり、修正も数時間で完了しました。

呉氏は「迅速な対応がクライアントから高く評価されるだけでなく、チーム自身の納品への自信にもつながった」と話します。

この改善の背景には、アーキテクチャの大きな変化があります。

従来のフレームワークでは、依存関係やフロント・バックエンドの構成、権限管理、ログ機能などを個別に組み合わせる必要があり、そのたびに新たな脆弱性が生まれる可能性がありました。

一方、プラットフォーム型のモデルでは、これらの基盤要素がコアチームによって一元的に保守・更新されるため、開発者はビジネスロジックに集中できます。

この明確な役割分担により、以下のような効果が得られました。

  • 脆弱性リスクの低減:自作コードと外部コンポーネントの混在によるリスクを最小化。
  • セキュリティ対応の迅速化:共通基盤での修正により、個別の監査が不要。
  • 品質の一貫性向上:標準化された仕組みで同じ問題の再発を防止。

この変化によって、創聯雲はバグ修正に追われる時間を減らし、より多くの時間をビジネスロジックの磨き込みに使えるようになりました。

業界特化チームへの示唆

創聯雲のストーリーは、食品検査業界にとどまりません。

彼らが築いた開発手法は、製造業の品質管理、医療機関のフォローアップシステム、行政の承認ワークフロー、倉庫や物流のプラットフォームなど、さまざまな業界の小規模チームにも応用できます。

  1. ビジネス駆動で考える

コードではなく、ビジネスロジックを可視化されたモデルやドキュメントで整理し、チーム全体が早い段階でシステム構造と実現性を共有します。

これにより、開発ミスのリスクを減らしつつ、クライアントも設計段階から議論に参加でき、要件が「共通理解」へと変わります。

  1. モデルを起点に、並行して進める

まずデータモデルを定義してシステムの骨格を決めることで、インターフェースやAPIを自動生成。

その後、フロントエンド・アプリ・バックエンドの各チームが同時に開発を進められ、開発スピードが飛躍的に向上します。

  1. 標準化が品質を支える

アーキテクチャ、開発プロセス、納品基準を統一し、品質を「事後検証」ではなく「リアルタイム管理」で担保します。

これにより、すべてのプロジェクトが最初から信頼でき、再利用でき、検証しやすい状態で運用できます。

これらすべての方法に共通するのは、「非コーディング業務の大部分を、見える化し、共同で管理できる形に変える」という考え方です。

「ローコードは技術を弱めるものではなく、開発者が本当に価値を生み出す部分に集中できるようにする力です。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

結論

効率とは、仕組みとしての力です。

こうした体制のもとで、開発者は単調な作業から解放され、クライアントはより早く成果を確認でき、チームは納品のたびに再現性のある力を積み上げていきます。

それこそが、小さなチームの最大の強みです。

「小さなチームでも、正しい方法を取れば八人で八十人分の成果を出せます。」

—— 創聯雲テクノロジー代表 呉正杰

創聯雲は、この考え方をさまざまな業界の開発チームにも広めていきたいと考えています。

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