マサカリとは
愛である。
伝わる保守しやすいコードへの愛、チームへの愛、製品への愛、そういった想いの発露としてマサカリがあります。よってマサカリの投げ方受け止め方を学ぶことは、技術者間のコミュニケーションを促進し良いものを作ることに役立ちます。
マサカリを投げるコツ
- マサカリは大工道具
- ブーメランを恐れない
- 不安なら経験者の監督下で
マサカリは大工道具
マサカリは大工道具であるからにして、建設的議論のきっかけであるべきです。
実現不能なこと、真偽で語れないこと、データで測れないこと、ルール化されていないことを細かくつっこむのは無意味です。
俗に言う宗教論争は大工の守備範囲外と心得ましょう。いち技術者として、他の技術者に対する気遣い、永く製品を保守するためのこだわり、堅牢かつ高速に造り上げるための工夫について語りましょう。
個人・人格の攻撃は論外です。それがたとえ事実だとあなたが思っても攻撃してはいけません。
建設の道具たるマサカリは人ではなくモノそして問題に対して使うものと肝に銘じましょう。クソコードを書いた人ではなくクソコードが生まれた背景に注目し、書き手や組織が学習し再発を予防するきっかけを作りましょう。
ブーメランを恐れない
長い人生、自分の投げたマサカリがブーメランとなって戻ってくることは多々あります。自分の保守しているコードにひそむ問題と同じものをほかのプロジェクトで見つけてしまうこともあるでしょう。
ブーメランがこわくなったら、マサカリの基礎に立ち返ってください。マサカリにおいて大切なのは理想を提示すること、具体的な改善案を出すこと、コードをより良くすることです。
自分ができているか否か、今後やらかすか否かは関係なく、提供できるものがあるなら伝えることが肝要です。自分のことを棚に上げてしまえば、ブーメラン恐るるに足らず。
不安なら経験者の監督下で
自分から提示できるものがあったとしても、それが正しいかどうか自信を持てず言うのを躊躇うこともあるでしょう。しかし誤りを言うことをおそれて何も言わないのは非常にもったいないと言えます。
マサカリが育むものはコードであり製品でありチームです。失敗を恐れて口を噤むことが普通になれば、これらのものが成長する機会が大きく損なわれます。
オススメは自分が間違ったら訂正してくれる経験者の監督下で投げることです。監督を依頼する相手は、周囲から尊敬されているコードレビュアーが良いでしょう。指摘の方法、説明の工夫、代案の提示など、様々な面で投げ方の改善を提案してくれるはずです。
マサカリの受け止め方
素晴らしいスライドがあるので割愛します。
つまり建設的意見であれば真摯に受け止め、そうでないものはスルーすれば良いのです。
マサカリは愛ですが愛情を素直に表に出せない人は一定数いるので、言葉が鋭くてもあまり気にすることはありません。