ディレクトリとは?
ディレクトリは、ファイルを整理するためのフォルダのようなものです。Linuxでは、ファイルシステムがディレクトリの階層構造で組織されています。ディレクトリにはいくつかの種類があります。
ディレクトリの種類と指定方法
ディレクトリの種類 | 意味 | 指定方法 |
---|---|---|
カレントディレクトリ | 現在作業しているディレクトリ。全ての操作はここを基準に行われます。 |
. (ドット) |
親ディレクトリ | カレントディレクトリの1つ上の階層にあるディレクトリ。 |
.. (ドット2つ) |
ホームディレクトリ | ユーザー固有の作業用ディレクトリ。ログインしたときに最初に移動するディレクトリ。 |
~ (チルダ) |
ルートディレクトリ | ファイルシステムの最上位に位置するディレクトリ。全てのファイルとディレクトリの親です。 |
/ (スラッシュ) |
基本的なLinuxコマンド
Linuxで作業する際に覚えておくと便利な基本コマンドをまとめました。それぞれのコマンドの概要、書式、そして具体例を使って説明します。これらを覚えることで、ターミナル操作が一気に効率化されます。
1. cd
(ディレクトリの移動)
概要: ディレクトリを移動するコマンド。
-
書式:
cd [ディレクトリ名]
-
例:
cd /home/user/docs # docsディレクトリに移動 cd .. # 親ディレクトリに移動 cd ~ # ホームディレクトリに移動
2. pwd(カレントディレクトリの表示)
概要: pwd コマンドは、現在の作業ディレクトリの絶対パスを表示します。
- 書式: pwd
-
例:
pwd # 現在のディレクトリのパスを表示
3. ls(ディレクトリの内容を表示)
概要: lsコマンドは、指定したディレクトリ内のファイルやディレクトリを表示します。
- 書式: ls [オプション] [ディレクトリ名]
-
例:
ls # カレントディレクトリの内容を表示 ls -l # ファイルの詳細情報も表示 ls -a # 隠しファイルも含めて表示
4. mkdir(ディレクトリを作成)
概要: mkdir コマンドは、新しいディレクトリを作成します。
※ディレクトリ名は日本語だと文字化けする可能性があるため、英語で作成しましょう。
- 書式: mkdir [ディレクトリ名]
-
例:
mkdir new_folder # new_folderというディレクトリを作成
5. rmdir(空のディレクトリを削除)
概要: rmdir コマンドは、空のディレクトリを削除します。
※空でないディレクトリを削除しようとするとエラーになります。
- 書式: rmdir [ディレクトリ名]
-
例:
rmdir old_folder # 空のディレクトリ old_folder を削除
6. cat(ファイルの内容を表示)
概要: cat コマンドは、指定したファイルの内容を一気に表示します。
- 書式: cat [ファイル名]
-
例:
cat example.txt # example.txt の内容を表示
7. less(ファイルの内容をページごとに表示)
概要: less コマンドは、長いファイルをスクロールして確認するためのコマンドです。
- 書式: cat [ファイル名]
-
例:
less largefile.txt # largefile.txt の内容をページごとに表示
8.tail(ファイルの末尾部分を表示)
概要: tail コマンドは、ファイルの末尾部分を表示します。主にログファイルの監視に使用されます。
- 書式: tail [オプション] [ファイル名]
-
例:
tail log.txt # log.txt の最後の10行を表示 tail -n 20 log.txt # log.txt の最後の20行を表示
9. touch(空のファイルを作成)
概要: touch コマンドは、空のファイルを作成するか、既存ファイルの更新日時を変更します。
- 書式: touch [ファイル名]
-
例:
touch newfile.txt # newfile.txt という空のファイルを作成
10. rm(ファイルまたはディレクトリを削除)
概要 :rm コマンドは、ファイルやディレクトリを削除します。
- 書式: rm [オプション] [ファイル名]
-
例:
rm file.txt # file.txt を削除 rm -r folder # folder ディレクトリ、ファイルすべてを削除
11. mv(ファイルを移動または名前を変更)
概要 : mv コマンドは、ファイルやディレクトリを移動したり、名前を変更したりします。
- 書式: mv [元のファイル名] [新しいファイル名/移動先]
-
例:
mv old.txt new.txt # old.txt の名前を new.txt に変更 mv file.txt /tmp # file.txt を /tmp に移動
12. cp(ファイルをコピー)
概要 : cp コマンドは、ファイルやディレクトリをコピーします。
-
書式: cp [オプション] [元のファイル名] [コピー先]
cp file.txt /backup # file.txt を /backup にコピー
13. ln(ハードリンクまたはシンボリックリンクを作成)
概要 : ln コマンドは、ファイルのリンクを作成します。ハードリンクやシンボリックリンクを作成するために使用されます。
-
書式: ln [オプション] [元のファイル] [リンク先]
ln -s /path/to/file linkname # シンボリックリンクを作成 #*オプションをつけた場合、シンボリックリンク #つけない場合はハードリンク
14. find(ファイルやディレクトリを検索)
概要 : find コマンドは、指定された条件に基づいてファイルやディレクトリを検索します。
-
書式: find [検索開始ディレクトリ] [条件]
find /home -name "file.txt" # /home から file.txt を検索
15. chmod(ファイルの権限を変更)
概要 : chmod コマンドは、ファイルやディレクトリのアクセス権を変更します。
-
書式: chmod [権限] [ファイル名]
chmod 755 script.sh # script.sh の実行権限を付与
16. chown(ファイルの所有者を変更)
概要 : chown コマンドは、ファイルやディレクトリの所有者を変更します。
-
書式: chown [所有者] [ファイル名]
chown user:user file.txt # file.txt の所有者を user に変更
17. ps(プロセスの状態を表示)
概要 : ps コマンドは、現在実行中のプロセスの状態を表示します。
-
書式: ps [オプション]
ps aux # すべてのプロセスを詳細に表示
18. kill(プロセスを終了)
概要 : kill コマンドは、指定したプロセスIDを持つプロセスを終了します。
フォアグラウンドはCtrl + c
バックグラウンドの場合はkillコマンドを使う
-
書式: kill [プロセスID]
kill 1234 # プロセスID 1234 のプロセスを終了