はじめに
前回は以下の資料を読んでみた感想も書いてみましたが、ここでDXについてもさらに考えてみたいと思いました。正直なところ私にとってはDXって?な状態です。ベンダーさんが商売のネタをまいているだけだろうと思っています。珍しく3文字のアルファベットでないところだけが新鮮に感じられます。 SIS、ERP、BPRとか3文字英語にはずっと騙されたきた私としてはそこは新鮮に感じました。3文字英語の呼称で本当に私が救われたのはMRPくらいかもしれませんね。おっとMRPはSISとかとは違うかな?でも一時期これも製造業ではシステムとしては流行ったと思いますね。
【Press Release】調査レポート「DXの内容を理解」は昨年比で約2倍と大きく伸長―DXの認知・理解は進んでいる一方で、自社内での人材不足や教育困難が課題―
さて、今回は少々刺激的なタイトルの本を読んでみたいと思います。
ASIN : B095PJ3DNV
出版社 : 日経BP (2021/5/20)
著者 : 木村 岳史
さてDXとは何だろう?おさらいです。
すらすとと読めますねぇ。この著者さんの口調はあんまり考え込まずに読めます。さてその2になりました。
最近、 ある 識者が「 D X の 活用」などと述べているのを知って腰を抜かしそうになった。DXとは「 デジタル技術を活用したビジネス構造の変革」、 短く言うなら「デジタル 変革」だぞ。どうやったら「『 デジタル 変革』の活用」なんてできるのだ。目まいがするほど驚いたのだが、つい最近も「 DX = デジタル化」とする経済記事を見つけて本当に腰を抜かしてしまった。 そう言えば「 DXの導入」なんてフレーズを目にしたこともあったな。もうめちゃくちゃである。
おお、そうですよね。私も「デジタル 変革」だと思っていたのですが、確かに活用とか導入なんていうキーワードを目にしたので???になってしまった。だってDXそのものは1つのパッケージじゃないですよね? MRPならERPに入っているパッケージソフトだけど... 違うよなぁって違和感がずっとありましたが、なるほど識者が間違っている場合があるようです。納得しました。
日本ではあまり注目されなかったが、随分前に「 ビジネストランスフォーメーション」の必要性が叫ばれたことがあった。BXではなくBTと略していたのだが、このBTが何かと言えば、「 ITを活用したビジネス構造の変革」である。つまり今のDXは本質的にBTと何ら変わるところはない。言い方を換えれば、DXの本質とは「 ビジネスの変革」、つまりBTであるわけだ。
そうなんだ。なんかこれってBPRのお友達みたいですよね。
ほぼ現行通りに基幹系システムを再構築してもDXだ。
いやぁ、まいった。笑えると言いながら私も何度か経験しましたね。DXじゃないよ「現行通りに基幹系システムを再構築」することです。結局時間とお金を掛けて再構築しても仕事のやり方は変わらんのだから、中身も一緒でいいだろう。そりゃぁそうでしょう現行システムや現業部門でのヒアリングを行って再構築するんだから、変わる要素がない。変わったのはUIくらいかなぁ。いやいや大型汎用機から再構築した時は全角文字と半角文字の混在が楽になったのには涙した。変な制御文字に悩まされなくなったしなぁ。あとはエミュレータソフトがブラウザになったことだけだ。しかし、これが曲者だブラウザのバージョンアップで何度も動かかなくなりましたね。
やっぱり人がいないよなぁ。
前にも似たようなことが…… だから笑うしかない
そもそも、デジタルサービスを立ち上げて変革を担えるようなスーパーな人材がごく普通の日本企業にいるわけがないではないか。そうではなく、デジタル サービスの立ち上げや変革プロジェクトを通して育つ可能性があるだけのことだ。「 DXに取り組まないと、この会社に未来 は無い」と危機感を持ったり、デジタルサービスのアイデアを暖めていたりする若手に機会を与えて、本物の変革人材が生まれてくる( かもしれない)のだ。
そうですよね、そんな人いるわけないよなぁ。育てていくしかない。同感です。
しかし、一つ問題があると思っています。こういう意識の高い若手であっても、結局は思ったものを作ってもらえないと変革できるとは思えません。私自身は前職で2年間ほどパワーポイントの企画書を作ることだけで過ごしたことがあります。いろんな部署の課題を整理してITを使った仕組みで改善(まぁ、改革ではなかったなぁ)を提案してきました。グループ会社のシステム会社に持ち込むとそんなものは出来ません(本当はしませんって言われましたが、技術ないだろうって切り返すと、全て外注で行えばできるけど予算ないだろうって逆に切り替えされて撃沈でしたね)、と言われて何と2年間で実現できた案件はゼロでしたねぇ。
結局は人に頼っていたら自分がしたいこともできない可能性が高い。少なくともある程度は自分で作ることができないと先に進まないことを経験しました。ということで大型汎用機しか触ったことがなかったのですが、オープン系を勉強しましたね。自分で企画して自分でモックを作る。動くものを見せて少しずつ拡張していって、最後に予算を獲得してプロに仕上げてもらうようなやり方ができるようになるまでずいぶんと苦労しました。自分で開発できないとダメだと経験的には思います。
ある程度は自前でスキルを高めておかないと...
そうだ。経営者に「 アーキテクトであれ」とまでは言わないが、ビジネスの仕組み仕組みを考える習慣をつけたほうがよいぞ。 全社的なDX を推進するためには、 経営者にもアーキテクトの発想が必要になる。
そうだろうなぁ。その経営者を支える立場の私のような?サラリーマンには企画力も必要だけど、実際に構築ができなければ絵に描いた餅になる。そいうい意味では開発力もなくては先に進めないと思っています。色々とお叱りを受けるとは思うのですが、システム管理者であっても多少は開発できた方がいいです。
私が手作りした仕組みですが、従来使っていたExcelには劣りますがそこそこ同じようなことができます。ここまでやって初めて現場に受け入れてもらえました。これを私以外の開発者さんやベンダーさんに頼んでいたら短期間では出来なかったでしょう。残念ながら色んなパッケージを見たのですがしっくりこなかったので、結局は自前で開発ですね。ここまで開発できなかったらシステム化を諦めざるを得ませんでした。このシステムはある1ステップでゴールでないので大変です。それこそDXを諦めざるを得ないことになります。
Aura Componentを使い込む3(見積書作成システム:Ⅰ)
最後に
あんまり中身を引用するのは申し訳ないので、みなさんには購入して続きを読んで欲しいです。
現場の従業員の「 善意」を重んじる日本企業 、日本企業は勝手にやっている現場の集合体」
この言葉は刺さったなぁ。その通りだ。大きな会社でも結局は 現場単位で勝手にやっている集合体だった。個人商店の集まりでしたね。今は小さい会社にいますが小さいなりに現場単位では仕事のやり方が違います。ええって思うほど違うところもありました。日本の企業にとってはこういう部分をどう再構築してITを使って誰がやっても同じ仕組みで業務を遂行できるようにする(なる)だけでもDXなのかもしれません。
弊社でもある手作業でやっていた業務をコロナ対応でリモートワークでもできるようにシステム化しました。その過程で驚くほどみんなが違うやり方や、意図していない間違ったやりかたをしていたことが分かりました。そこで標準作業を定義し直して、システム化しました。今まで紙を見ながら最終的にはシステムにインプットするのに2日掛かっていた作業は今では早い人で半日、遅い人でも1日で完了します。また今まではやってなかった付随する作業を追加したにもかかわらずかなりの効率化ができ、間違いもほぼなくなりました。