前回は「経験豊富な情シスが足りない」という記事を読んだ感想を書かせてもらいました。
その原因としてすぐに思い当たったのは
ここ何十年の間に景気が低迷して何でもコストをカットしてきたせいで 色んなことに余裕が無くなったのが一番の原因と思っています。
前職ではほぼ管理部門にいたのでITでないお仕事としては、どうやったら利益を出せるかということを会社として実践できるかを考えて実際に行っていくことでした。そのために色んな分析を行うのですが私の役割としてはデータの解析でした。今みたいに便利なツールは無かったので(あったとは思いますが有料で手が出せなかったというのが本当です。貧乏だったなぁ)Excelだけでは難しいことはプログラムを書いて行っていました。大量のデータを扱う場合はリレーショナルデータベースも使って行っていました。
その時も結局は売り上げを伸ばすことよりもコストを削減する方が不確定要素が少ないので結果が出やすいことは分かっていましたが、この記事を読んだらやっぱりなぁって思いました。
人権リスクについては今回の内容とは違うと思うので言及しませんが、この記事の中の
この10年、企業はコスト削減しかしてこなかった
このグラフから読み取るべきメッセージは至って単純。この10年、日本企業は「売り上げは伸びていないのに、利益は5倍にも増大した」ことだ。正確には、2019年の全産業の売上高は1482兆円で、10年前(1386兆円)の1.1倍にしかなっていないが、純利益は同期間で9.2兆円から45.0兆円と4.9倍に拡大している。
売り上げが増えず利益が上がる理由はひとつしかない。コストが削減されたからだ。はっきり言おう。この10年間、企業もコンサルティング会社も、総体としてみれば「コスト削減」しか実現できなかった。
まぁ、ただしリーマンショックが2008年だったからこのグラフは少々恣意的に範囲を切り取っているような感じもしますが、コストカットしかしてこなかったのは正しいでしょうね。某レバノンに逃げた経営者さんもコストカッターだけだったように思います。
前職の経験では人件費、特に教育関連は減った(直接的な研修費用とかだけでなくて、OJTとか新しい技術を学ぶ時間なども含めて)と思います。私自身は万年赤字の貧乏な事業部にいたこともあって情報システム部門では独自にシステムを作ってもらえなかった(優先順は低かった、いや相手にされてなかった)ので、結局は自分でサーバーを立ててシステムを作ったものです。そのため業務として新しい技術を試してみたり、Linuxで遊んだりすることができました。おかげで豊富とまではいきませんが色々と経験ができたと思います。
またDX関係のレポートも同じようですね。 やっぱり人の問題だ。
【Press Release】調査レポート「DXの内容を理解」は昨年比で約2倍と大きく伸長―DXの認知・理解は進んでいる一方で、自社内での人材不足や教育困難が課題―
今後必要な検討事項
「DX推進人材の確保・育成」が最多、 次いで「リモートでDXを推進できる仕組み」。
DX推進経験のある人材は市場に多くありません。 その上、 DX人材にはプロジェクトマネジメントスキル、 デジタル関連の専門知識、 加えてビジネス経験やビジネス知識など多様なスキルを求められる。 これにより、 外部の専門機関との協業が必要となっていると考えられます。
この外部の専門機関の活用は前回のレポートにはなかった視点ですね。何もしないよりかは断然といいと思いました。求められるスキルが高いので社内で育てるにしても、育てられる人がいるのかが問題でしょう。勝手に育ってくれる人ばかりだったらそもそも経験豊富な人も充足できただろうから、残念ながら内部だけに期待するのは無理かもしれない。