はじめに
みなさんはAmazon OpenSearch Serviceを業務で使っていますか?
Amazon OpenSearch ServiceはAWSが提供するマネージドサービスであり、リアルタイムのアプリケーションモニタリング、ログ分析、ウェブサイト検索などの幅広いデータの分析を専用のダッシュボードを用いて簡単に行うことができるというサービスです。
最近エンジンバージョンのサポートのEOLが発表されたので、それについてまとめました!
これ以降、AWSサービス名は「Amazon OpenSearch Service」、
エンジンバージョンを示す場合は「OpenSearch」と区別します。
エンジンバージョンについて
エンジンバージョンは大きく分けて「ElasticSearch」と「OpenSearch」の2種類があります。
AWSは当初ElasticSearchを提供していましたが、諸事情ありOpenSearchに移行しました。
現在はOpenSearchがAWSの推奨であり、更新されているエンジンバージョンとなります。
エンジンバージョンのサポートのEOLについて
OpenSearchはしばらくエンジンバージョンのサポートのEOLが公開されていませんでしたが、2024年11月7日に正式に一部発表されました。
Amazon OpenSearch Service がエンジンバージョンの延長サポートを発表
対象は以下となります。
What is Amazon OpenSearch Service?
ソフトウェアバージョン | 標準サポート期限 | 延長サポート期限 |
---|---|---|
Elasticsearch versions 1.5 and 2.3 | 11/07/2025 | 11/07/2026 |
Elasticsearch versions 5.1 and 5.5 11/07/2025 | 11/07/2026 | |
Elasticsearch versions 5.6 | 11/07/2025 | 11/07/2028 |
Elasticsearch versions 6.0 to 6.7 | 11/07/2025 | 11/07/2026 |
Elasticsearch versions 6.8 | Not announced | 11/07/2028 |
Elasticsearch versions 7.1 to 7.8 | 11/07/2025 | 11/07/2026 |
Elasticsearch versions 7.9 | Not announced | Not announced |
Elasticsearch versions 7.10 | Not announced | Not announced |
ソフトウェアバージョン | 標準サポート期限 | 延長サポート期限 |
---|---|---|
OpenSearch versions 1.0 and 1.2 | 11/07/2025 | 11/07/2026 |
OpenSearch versions 1.3 | Not announced | Not announced |
OpenSearch versions 2.3 to 2.9 | 11/07/2025 | 11/07/2026 |
OpenSearch versions 2.11 and higher versions | Not announced | Not announced |
標準サポート期限は公開から12カ月後となっていますが、その後最低12カ月間は延長サポートを受けることができます。
(メジャーバージョンが完全に終了する場合は36カ月保証される場合も)
標準サポートと延長サポートの違いについて
標準サポートは定期的なバグ修正とセキュリティアップデートが提供されるのに対して、
延長サポートは重要なセキュリティ修正とオペレーティングシステムのパッチのみ提供されます。
また、延長サポートを受ける場合は追加料金がかかります。
延長サポートの追加料金
延長サポート対象のエンジンバージョンを利用しているインスタンスに対して、正規化されたインスタンス時間ごとに定額の追加料金が発生します。
計算式は以下です。
正規化係数*1正規化係数あたりの料金*台数*時間
例えばm7g.large.searchのインスタンスを東京リージョンで3台、24時間起動した場合の料金はこちら。
8(NIH)*0.0081(USD)*3(台)*24(時間)=4.7(USD)
またAmazon OpenSearch Serviceはノードの作成/削除は簡単に行えますが、停止はできません。
延長サポートを受ける場合は料金に十分ご注意ください。
Calculating extended support charges
Amazon OpenSearch Service の料金
インスタンスサイズの正規化係数
インスタンスサイズ | 正規化係数 |
---|---|
nano | 0.25 |
micro | 0.5 |
small | 1 |
medium | 2 |
large | 4 |
xlarge | 8 |
2xlarge | 16 |
4xlarge | 32 |
8xlarge | 64 |
9xlarge | 72 |
10xlarge | 80 |
12xlarge | 96 |
16xlarge | 128 |
18xlarge | 144 |
24xlarge | 192 |
32xlarge | 256 |
リージョンごとの正規化係数あたりの料金
リージョン | 料金/NIH |
---|---|
米国東部 (バージニア北部) | 0.0065 USD |
米国東部 (オハイオ) | 0.0065 USD |
米国西部 (北カリフォルニア) | 0.0077 USD |
米国西部 (オレゴン) | 0.0065 USD |
カナダ (中部) | 0.0072 USD |
カナダ西部 (カルガリー) | 0.0072 USD |
AWS GovCloud (米国東部) | 0.0078 USD |
AWS GovCloud (米国西部) | 0.0078 USD |
アフリカ (ケープタウン) | 0.0086 USD |
アジアパシフィック (香港) | 0.0087 USD |
アジアパシフィック (ハイデラバード) | 0.0070 USD |
アジアパシフィック (ジャカルタ) | 0.0078 USD |
アジアパシフィック (マレーシア) | 0.0074 USD |
アジアパシフィック (メルボルン) | 0.0082 USD |
アジアパシフィック (ムンバイ) | 0.0070 USD |
アジアパシフィック (大阪) | 0.0081 USD |
アジアパシフィック (ソウル) | 0.0077 USD |
アジアパシフィック (シンガポール) | 0.0078 USD |
アジアパシフィック (シドニー) | 0.0082 USD |
アジアパシフィック (東京) | 0.0081 USD |
欧州 (フランクフルト) | 0.0076 USD |
欧州 (アイルランド) | 0.0072 USD |
欧州 (ロンドン) | 0.0075 USD |
欧州 (ミラノ) | 0.0076 USD |
欧州 (パリ) | 0.0075 USD |
欧州 (スペイン) | 0.0072 USD |
欧州 (ストックホルム) | 0.0068 USD |
欧州 (チューリッヒ) | 0.0083 USD |
イスラエル (テルアビブ) | 0.0076 USD |
中東 (バーレーン) | 0.0079 USD |
中東 (UAE) | 0.0079 USD |
南米 (サンパウロ) | 0.0103 USD |
アップデート方法
アップデート方法に関してはインプレースアップデートと、スナップショットからのデータ移行方法がございます。
インプレースアップデートに関しては、Blue/Greenデプロイで実行され、専用マスターノードがある場合はダウンタイムなしで移行が可能です!
ドメインのアップグレード_コンソール
スナップショットを使用してデータを移行する
Amazon OpenSearch Serviceのデプロイ方法を調査してみた
また、もちろんエンジンバージョンをアップデートするにあたり互換性等の問題は発生するため調査は必須です。
Amazon OpenSearch Service ドメインのアップグレード
まとめ
今回サポートEOLが発表されたエンジンバージョンの中に案件でバリバリ使っているバージョンがあったため、記事を発見したときはやべぇもんを見たと一度目をそらしました。
また発見の契機がAWS Health Dashboard通知ではなく、たまたまAWSの最新情報のキャッチアップしていたためであったため、あらためて最新情報を追うのは大切なんだと実感しました、まる。
What's New with AWS?