はじめに
株式会社 Hubble でフロントエンドを担当している @KOHETs です。
開発中に「ここを直したい」と感じる場面は多いものの、いざタスク化しようとすると手間がかかり、つい後回しになりがちです。
私も「簡単だけれど手を付けにくいタスク」を抱えていましたが、最近 Cursor と Devin のおかげで解決の糸口が見えてきました。
さらに先日、Devin が MCP Server に対応したことで、このフローは一段と便利になりました。
些細な改善ですが効果は大きいと感じたため、本記事ではその経緯と得られた知見を簡潔に紹介します。
なぜ簡単なタスクほど後回しになるのか
そもそも、なぜ「簡単なはずのタスク」が後回しになってしまうのでしょうか。
理由はシンプルで、「面倒だから」です。
Hubble でもそうしたタスクは頻繁に発生していましたが、なかなか手が付けられず、気づけば放置されている状態が続いていました。体感として、この「面倒さ」には大きく 2 種類あります。
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タスクを作るのが面倒
開発中に「あ、ここ直したいな」と思っても、Asana1 を開いてタイトルを考えて、説明文を書いて、という一連の作業がわずらわしくて、その場ではスルーしてしまうことがよくあります。 -
タスクをやるのが面倒
仮にタスクを作っても、実際に手を動かすには、作業を一旦止めてブランチを切り替えて、対応して、PR を作って…と、非常に面倒です。結果として「時間があるときにやろう」と思い、その時間は一向にやってきません。
タスク作成を“数秒”にした Cursor の導入効果
そんな中で最初に変化の兆しが現れたのが、Cursor を使い始めたときでした。
開発中に「ここ直したいな」と思ったタイミングで、チャットを開いて、以下のように書くだけで済むようになったのです。
@Asana Create Task
〇〇を△△にしたいのでタスク作成して
この @Asana Create Task は、Cursor の Notepad に登録しているテンプレートで、Asana のプロジェクト ID や担当者などを自動補完してくれます2。
これまでは、わざわざ Asana を開いて手で入力していたものが、ほんの数秒で終わるようになりました。「タスクを作るのが面倒」という課題は、ここでほぼ解決できたと感じています。
ただし、実際にそのタスクに「着手する」のは、やっぱりまだ面倒でした。
タスク実行のハードルを下げた Devin の活用
「タスクを作る」課題は Cursor でかなり解消されましたが、実際に対応するにはやはり一定の作業コストがかかります。
それを解決してくれたのが Devin です。
Cursor で作成した Asana タスクの説明文を、そのまま Devin に渡すだけで、作業の着手から PR の作成までを一気に肩代わりしてくれます。
この手軽さによって、「やったほうがいいけど後回しになりがち」だった細かい改善タスクもサクッと投げることが出来るようになりました。タスク作成から実行までのハードルがぐっと下がったことで、今まで面倒だったタスクもこなすようになりました。
Devin の MCP Server 対応によってさらなる簡略化
つい先日 Devin を開いたところ、「Connect Devin to 1000s of tools with the new MCP Marketplace!」というメッセージが表示されていました。
試してみると、Asana タスクの URL を貼り付けるだけで、Devin が内容を読み取り、自動で作業を始めてくれたのです3。
この「URL を貼るだけ」という仕組みは、これまでの「プロンプトをコピペする」方式と比べても、圧倒的に気軽です。
プロンプトを貼ると中身を読んでしまい、「このままでいいかな?」と無意識に判断が入ってしまう。でも URL を貼るだけなら、内容を意識することすらありません。些細なことに集中力を割かずに、タスクだけが処理されていく。この軽さが、本当に大きい。
簡単なタスクだからこそ出来る荒業ではありますが、これによってタスクに向き合う心理的ハードルが限りなくゼロに近づいたと感じています。
Asana タスクを Devin に任せる一連の流れ
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Prompt に Asana の URL を貼り付ける
まずは、Devin のセッション画面に、対応したい Asana タスクの URL をそのまま貼り付けます。
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Devin の起動から初期プランの提案
セッションを開始するとすぐにタスク情報を取得するという初期プランを提案してくれます。
以前までは詳細な情報がプロンプトから渡されていたので信頼度は高かったですが、今回は URL のみなので信頼度は低いです。 -
Asana の認証は OAuth
Asana の MCP Server は OAuth を利用してログインできます。ログイン情報は組織共通なので共有アカウントを利用するのが良さそうです。
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プランの再提案と実行
取得したタスクの情報からプランを再提案してくれます。今度は信頼度は高くなっています。
そのまま承認してあげると、作業を開始して作業した内容と PR の作成案を提案してくれます。
※ 作業内容と PR の提案は Knowledge を利用して PR 作成前に確認できるよう調整しています
こんな風に、URL を貼ってボタンを一つ押すだけで、面倒な作業内容の把握から PR 作成まで、一連のプロセスが全部自動で進んで行きます。この手軽さが、「あとでやろう」の最大の敵だった“面倒くささ”を解消してくれました。
まとめ
本記事では、後回しになりがちな細かいタスクへの向き合い方と、Cursor や Devin を活用し、どの用に解決したかを紹介しました。
「すぐ終わるけど面倒」なタスクに対しても、わずかな手間で着手できるようになったことで、自然とその回数は増え、結果としてより良い状態を保ち続けられるようになりました。
こうした日々の改善が積み重なることで、チーム全体の動きやすさにも繋がっていくと考えています。
Hubble では、今後もこういったツールや仕組みを取り入れながら、より快適な開発環境を目指していきます。



