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Cordova PluginのJavaScript部分の実装

Last updated at Posted at 2018-07-05

イントロダクション

Cordova Pluginを実装する場合のJavaScript部分の記述方法について、まとめました。

Cordovaプラグインについての記事

plugin.xmlへの記述法

Pluginとして組み込みたいjsファイルを指定して、 js-moduleタグで記述します。
例えば、cordova-plugin-cameraであれば次のようになっています。

plugin.xml
    <js-module src="www/CameraConstants.js" name="Camera">
        <clobbers target="Camera" />
    </js-module>

    <js-module src="www/CameraPopoverOptions.js" name="CameraPopoverOptions">
        <clobbers target="CameraPopoverOptions" />
    </js-module>

    <js-module src="www/Camera.js" name="camera">
        <clobbers target="navigator.camera" />
    </js-module>

ここでは、3つのjsファイルを組み込んでいます。このように、一つのプラグインで複数のjsファイルを読み込むことも出来ますが、通常は、組み込むのjsファイルは1つだけあれば十分です。

  • src属性で、組み込むJSファイルへのパスを記述します。

  • name属性は、そのjs-moduleのIDとして利用されます。ただし、アプリの開発者がjs-moduleのIDを直接参照することはないので、特に意識する必要はありません。js-moduleのIDは、「プラグインのID」.「name属性で指定した文字列」となります。例えば、上記のカメラプラグインの例であれば、3つのjs-moduleについて、IDはそれぞれ

  • cordova-plugin-camera.Camera

  • cordova-plugin-camera.CameraPopoverOptions

  • cordova-plugin-camera.camera

となります。prepare後に生成される www/cordova-plugins.jsの中で、上記が定義され、cordova.jsから読み込まれます。

  • js-module内で設定しているclobbersは重要です。srcで読み込まれたJSモジュール(後述)は、このclobbersのtargetで設定したオブジェクトとして参照出来るようになります。これについては、次節で詳しく説明します。

js-moduleとclobbersの関係

js-moduleのsrcタグで指定するモジュール(jsファイル)は、Common-JS形式のモジュールと似ていて、次のような形式になります。

module.exports = [オブジェクト]

例えば、上記のカメラプラグインの3番目のjs-moduleを見てみると、次のような形式になっています。

var cameraExport = {};
cameraExport.getPicture = function (successCallback, errorCallback, options) {
...
}
module.exports = cameraExport;

そして、module.exportsしたオブジェクトは、clobbersのtargetで設定したオブジェクトとして参照出来るようになるため、このサンプルでは、navigator.cameraが、cameraExportとなり、結局、次のように呼び出せます。

navigator.camera.getPicture( ... );

clobber以外のオプション

js-moduleタグの中に記述するのは、clobber以外に、mergesとrunsがあります。

merges

clobbersとほぼ同様で、次のようにtarget属性と共に記述して使います。

    <js-module src="www/CameraConstants.js" name="Camera">
        <merges target="window.cordova" />
    </js-module>

この例では、window.cordovaオブジェクトに組み込まれて参照出来るようになります。clobbersとの違いは、すでに存在しているwindow.cordovaオブジェクトに、このモジュールで定義しているgetPictureなどのプロパティを追加するところです。

runs

属性を指定せずに次のように記述します。

    <js-module src="www/CameraConstants.js" name="Camera">
        <runs />
    </js-module>

runsを指定した場合、モジュールのプロパティを参照するためのオブジェクトが用意されません。cordova.requireを使って、自前で参照することになります。

モジュールの書き方

ネイティブコードの呼び出し

ネイティブコードの呼び出しは、cordova.execを使います。次のような形式です。

    cordova.exec(success, failure, '【プラグイン(のフィーチャー)名】', '【メソッド名】', [【引数】]);

プラグイン(のフィーチャー)名は、plugin.xmlのconfig-fileタグの中のfeatureタグのname属性でつけた値です。例えば、Androidで次のようになっていたとすると、

    <config-file target="res/xml/config.xml" parent="/*">
      <feature name="HelloWorldPlugin">
        <param name="android-package" value="com.example.plugin.HelloWorldPlugin"/>
      </feature>
    </config-file>

HelloWorldPluginというのが、プラグイン(のフィーチャー)名になります。

メソッド名は、呼び出すメソッド名です。Androidの場合、ネイティブ側のプラグインクラスのexecuteメソッドの第一引数であるaction変数に、メソッド名が引き渡されます。コードで書くと、次のようになります。

public class HelloWorldPlugin extends CordovaPlugin {
  ...
    @Override
    public boolean execute(String action, JSONArray args, CallbackContext callbackContext) throws JSONException {
       // このactionに、メソッド名が格納される。
       // argsに、引数が格納される。
       ...
    }
}

iOSの場合は、Androidと同様、plugin.xmlのconfig-fileタグの中のfeatureタグのname属性でつけた値です。例えば、

        <config-file target="config.xml" parent="/*">
            <feature name="HelloWorldPlugin">
                <param name="ios-package" value="CDVHelloWorldPlugin"/>
            </feature>
        </config-file>

HelloWorldPluginというのが、プラグイン(のフィーチャー)名になります。

メソッド名は、iOSの場合、ネイティブ側のメソッドそのものになります。上記の例では、CDVHelloWorldPluginクラスのメソッドが直接呼ばれるので、例えば

    cordova.exec(success, failure, '【プラグイン(のフィーチャー)名】', 'myfunc', [【引数】]);

で呼び出すと、

@implementation CDVHelloWorldPlugin

...
- (void) myfunc:(CDVInvokedUrlCommand*) command
{
  // command.argumentsに、引数が格納される
  ...
}

として定義されたmyfuncメソッドが直接呼ばれます。このとき、myfuncメソッド自体の引数はかならず、CDVInvokedUrlCommand *になります。jsから渡された引数は、command.argumentsで取得します。

argsCheck

TODO

channelとpub/sub

channelを使うことで、pub/subを実現することが出来ます。例えば、cordovaが利用可能になった時に何か実行させたい場合、次のように実装します。

var channel = require('cordova/channel');
channel.onCordovaReady.subscribe(function() {
 // 起動時の処理
});

onCordovaReadyイベントが発火した時に実行する処理を、subscribeメソッドで定義しています。

このように定義すると、onCordovaReadyイベントが発火したときに、定義した処理が自動的に実行されます。

後述するように、onCordovaReadyイベントはスティッキーイベントであるため、subscribeを定義する以前にonCordovaReadyイベントがすでに発火済みだった場合、subscribeするとすぐにその処理が実行されます。

channelで定義されているイベントには、他にも次のようなものがあります。

  • onDOMContentLoaded
  • onNativeReady
  • onCordovaReady
  • onPluginsReady
  • onDeviceReady
  • onResume
  • onPause

onNativeReady, onPluginsReadyが発火した後、onCordovaReadyがイベントが発火します。
また、onDOMContentLoadedonCordovaReadyが共に発火すると、onDeviceReadyイベントが発火します。(他にも、waitForInitializationで登録されたイベントがあると、それらすべてが発火後に、onDeviceReady`イベントが発火します)

少し紛らわしいですが、'onCordovaReadyイベントと、onDeviceReady`イベントは別のイベントであることに注意してください。

なお、onDOMContentLoadedイベントと、最後にReadyが付いているイベントは、スティッキーイベントであり、一度そのイベントが発火すると、以後は発火したままの状態となります。(発火されたままのイベントに対しては、イベント発火後にsubscribeするとただちに実行されます。スティッキーでないイベントは、発火後にsubscribeしても実行されません)

詳しくは、https://github.com/apache/cordova-js/blob/c75e8059114255d1dbae1ede398e6626708ee9f3/src/common/channel.js を参照してください。

channelイベントを自前で作成する

cordovaでデフォルトで定義されている上記のイベント以外に、自前で新規にイベントを作成することも出来ます。
例えば、cordova-plugin-mediaプラグインでは、次のようにonMediaPluginReadyイベントを作成し、利用しています。(このコードは、プラットフォームがandroid, amazon-fireos, windowsphoneときのみ読み込まれますので、iOSでは実行されません)

    var channel = require('cordova/channel');

    channel.createSticky('onMediaPluginReady');
    channel.waitForInitialization('onMediaPluginReady');

    channel.onCordovaReady.subscribe(function() {
        exec(onMessageFromNative, undefined, 'Media', 'messageChannel', []);
        channel.initializationComplete('onMediaPluginReady');
});

createStickyメソッドで、スティッキーなイベント(一度発火したら、発火したままの状態になる)が作られます。(スティッキーでないイベントを作る場合は、createメソッドを使います)

waitForInitializationで、onMediaPluginReadyイベントを、初期化待ちイベントとして追加します。初期化待ちイベントがすべて発火しないと、cordovaのdevicereadyイベントは発火しません。すなわち、このように実装することで、deviceready時にonMediaPluginReadyイベントはすでに発火済みであることを保証することが出来ます。

最後の行は、onCordovaReadyイベントが発火後に、ネイティブコードの呼び出し

    exec(onMessageFromNative, undefined, 'Media', 'messageChannel', []);

が行われ(非同期なので、呼び出しのみ。Nativeからの呼び出しを受け付けるonMessageFromNativeメソッドを登録している)、その後、

    channel.initializationComplete('onMediaPluginReady');
});

により、onMediaPluginReadyイベントを発火しています。
(ここではこのようにしましたが、これだとexecの処理が完了するonMediaPluginReady イベントが発火してしまうので、外部にメッセージを送っておくりっぱなし(レスポンスを気にしない)ような処理はいいのですが、execの処理の結果を使ったこともしておきたいのであれば、onMessageFromNative関数の内部でonMediaPluginReadyイベントを発火してください)

モジュールの組み込まれ方と開発作業

プラットフォームごとに違いますが、基本的な構造は同じなので、iOS (cordova-ios 4.5.4)の場合を例にとって説明します。

プラグインのjs-moduleで設定したコードは、plugin addもしくはplatform addを実行した時点で、platforms/ios/platform_www/plugins/プラグイン名/wwwの下にコピーされます。このファイルは、cordova prepareを実行しても変更されないので、開発時にはこのファイルを編集すると良いでしょう。

platforms
 ┗ ios
    ┗ platform_www
       ┗ plugins
          ┗ プラグイン名
             ┗ www
                ┗ モジュールのファイル名.js

なお、このファイルは厳密にはjs-moduleのsrcで指定しているファイルそのものではなく、一行目と最終行にコードが追加され、次のようになっています。

cordova.define("[モジュールのID]", function(require, exports, module) {

 // js-moduleのsrcで指定したファイルの中身

});

そのため、開発時にこのコードを編集し、完成後にプラグイン側にフィードバックする場合(js-moduleで設定したファイルとして保存する場合)、一行目と最終行目を除いておく必要があるので注意です。

cordova prepareの実行

cordova prepareを実行すると、platforms/ios/platform_www/plugins/プラグイン名/www配下のコードは、platforms/ios/www/plugins/プラグイン名/www配下にコピーされます。実際にアプリに組み込まれるのはこちらのファイルです。

platforms
 ┗ ios
    ┗ www
       ┗ plugins
          ┗ プラグイン名
             ┗ www
                ┗ モジュールのファイル名.js

こちらは、cordova prepareするたびに上書きされてしまうので、デバッグ用やテスト用のコードなど、ちょっとだけ確認したいをここに記述しても良いかもしれません。

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