16
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Claude codeとGoogle Geminiを使って、自身ではプログラムも設計書も1行も書かずにアプリを作った所感

Last updated at Posted at 2025-06-12

ノーコード開発

筆者略歴

本題に入る前に、まずは筆者の自己紹介を。
いわゆる「コの業界」でそれなりの期間、禄を食んでいるエンジニアです。普段は企画・設計といった上流工程から、ゴリゴリと手を動かすコーディングまで一通りこなしています。

本当に1行もプログラミングコードを書かずにアプリが作れるのか?

最近、IT界隈で「ノーコード開発」という言葉を頻繁に耳にします。なんでも、プログラミングコードを一切書かずにアプリケーションが作れるとか。

長年キーボードを叩いてきた身としては「本当か?」と疑ってしまう話ですが、これは試してみる価値がありそうです。
そこで今回は、コーディングAIとして名高い Claude code と、設計の相棒として Google Gemini を使い、この命題が真実かどうかの検証に挑みました。

実際に作ったもの~Spotify Playlist Manager

選んだ理由

AIに「Hello World」を書かせても、その真の実力は測れません。
せっかくなので、ある程度実用的で、少し難易度の高いものに挑戦しようと考えました。そこで選んだのが、Spotify APIと連携し、プレイリストを管理するWebアプリです。

まずは第1段階として、大量の曲が溜まったプレイリストから、不要な曲を効率的に削除する機能の実装を目指します。

開発環境

AIとの開発は場所を選びません。そこで、どんなマシンでも同じ環境をすぐに再現できるよう、開発環境はDockerで構築することにしました。正確には、VSCodeのdevcontainer機能を利用しています。

これにより、Windows (WSL2)、Ubuntu、macOSのいずれの環境でも、リポジトリをクローンするだけで全く同じ開発環境が手に入ります。

開発環境は以下のリポジトリで公開しています。devcontainer.jsonで使用するユーザー名を変更するだけで、すぐに開発を開始できます。もちろん、Claude codeも自動でインストールされるように設定済みです。

Maxプラン

ここで現実的な話を一つ。
Claude codeを本格的に利用するには、Anthropic社の有償プラン(Maxプラン)が必須です。

参考までに、今回のアプリ開発(約3日間)だけで発生したコストは $81 でした。
これを従量課金で運用し続けていたら…と考えると、少し恐ろしくなります。
image.png

今回はひとまず$100分のクレジットを購入して臨みましたが、ヘビーなやり取りを続けた結果、しばしば Claude Opus 4 の利用回数制限に達しました。AIとの本格的な協業には、それなりの投資が必要だと心得ておきましょう。

設計

「非エンジニアの人は設計なんてするの?」という素朴な疑問はあるかもしれません。
しかし、私のようなエンジニアにとって、設計なしに開発を始めることなどあり得ません。それはAIがコーディングするとしても同じです。

そこで今回は、設計書を Google Gemini に作成してもらいました。

まず、作りたいものを考えて箇条書きにします。それをGeminiに渡して要件定義書を作ってもらいました。次にこの要件定義書をGeminiに渡して外部仕様書を作り、外部仕様書を元に詳細仕様書、画面仕様書、試験仕様書を作ってもらいました。生成された設計書は、かなり厳密でしっかりとしたものでした。さすがはAIです。

驚くべきはそのスピード。
設計全体に要した時間は約2時間でしたが、その内訳は、私が要件定義を考えて実装したい内容を列挙するのに1時間50分、Geminiが設計書一式を出力するのにわずか10分でした。

実装

Geminiが詳細設計書まで作ってくれましたが、蓋を開けてみれば、Claude codeは外部仕様書(≒要件定義)を読み込ませただけで、ほぼ完璧なアプリケーションを実装してしまいました。

もちろん、細かい修正依頼は何度か行いましたが、最初にしっかりとした設計(特に要件)を固めていたおかげで、手戻りなく、スムーズに動くものが出来上がりました。
今後は、AIへの指示の出し方を工夫することで、さらに効率化できるかもしれません。これは次なる課題です。

できたものを見て

実作業時間と中身を見て驚愕

コーディング(AIへの指示出し)、動作確認、READMEの作成まで含めて、実作業時間は4時間足らず。
それでいて、出来上がったものはほぼ要求通り。ライトモード/ダークモードの切り替え機能もしっかり実装してくれました。

この品質のものを、自分の手で1行もコーディングせずに作れてしまったという事実に、ただただ驚愕するばかりです。
image.png
image.png

非エンジニアがこれを作れるか?

結論から言うと、「条件付きで作れる」 と思います。
その条件とは、以下の2つです。

  1. どんな物が欲しいのかを、具体的かつ明確に文章で表現できること。
    • つまり、しっかりとした「要件定義」を書ける能力が必須です。曖昧な指示では、AIも動きようがありません。
  2. ポート番号、リダイレクトURL、APIトークンといった基本的なIT用語を理解し、自身でアカウント取得や設定作業を行えること。
    • これらはAIが代行できない、人間が行うべき作業です。

今回、プログラムコードには一切触れていません。
したがって、上記2つの条件をクリアできれば、非エンジニアの方でも同程度のアプリケーションを開発することは十分に可能だと感じました。

作成したもの

今回作成した開発環境とアプリケーションは、以下のリポジトリで公開しています。

この文章もGoogle Geminiが書きました

16
6
2

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
16
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?