概念と活用例:Fivetran x RAGで実現するAIアプリの基盤からの続きです。
RAGを活用したAIアプリ構築では「どのデータを、どう取り込んで、どのベクトルDB/LLMに渡すか」が肝。 Fivetranを活用することで、このデータ連携部分をシンプルかつ拡張性高く実現できます。いくつかの構成例を整理しました。
1. RAGの基本フロー
RAGとFivetranを組み合わせる基本的な流れは以下です:
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データ取得
- Salesforce, Zendesk, Slack, GitHub, Intercom などからテキストリッチなデータを取得
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データ集約
- Fivetranを介してデータウェアハウス/レイクに集約
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データ変換
- ベクトル化、ナレッジグラフ化などRAGに最適な形式に整備
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LLM連携
- コンテキスト情報をFoundation Modelに渡し、生成AIの応答精度を向上
2. 構成例
A) 汎用的なRAG基盤
- 構成: データソース → Fivetran → データウェアハウス/レイク → データ変換 → ベクトルDB/ナレッジグラフ → LLM
- 用途: FAQ検索、社内文書検索、顧客対応支援など
B) Pineconeを利用した構成
- Fivetranで取得したZendesk, Salesforce, Slackデータを集約
- テキストデータをファイル化し、Pinecone Assistantにアップロード
- Pineconeが自動で分割・ベクトル化・格納
- 簡易かつスケーラブルにRAGを実現可能
C) LangChain + ChromaDBでチャットボット
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フロー例
- Zendesk → Fivetran → S3
- Pythonスクリプトでテキスト変換 → ChromaDBに保存
- LangChain経由でGPT-4に問い合わせ
- 用途: FAQ対応ボット、ナレッジベースQ&A
D) MilvusをベクトルDBとして利用
- FivetranがMilvusをデスティネーションとしてサポート
- ソースからの非構造データを直接Milvusに格納し、ベクトル検索可能
- 大規模かつ低レイテンシな検索ユースケースに最適
E) Snowflakeを活用したRAG構成
- FivetranでSaaSやDBからSnowflakeに同期
- Snowflake上でテキストをベクトル化
- Snowflake CortexやArctic LLMを活用してStreamlitアプリ化
- 構造化データ × 生成AI のユースケースに有効
F) Fivetran社内事例:FivetranChat
- ソース: Zendesk, Slack, Google Drive など
- 6時間ごとにFivetranで同期し、Slackチャットボットで回答
- 毎日300件以上の問い合わせに対応し、85%の満足度を実現
3. 拡張性とガバナンス
- データガバナンス: RAG基盤ではセキュリティ・権限管理が重要
- 非構造データ対応: FivetranはSharePoint, Google Drive, Box, SFTPなどもサポート
- マルチモーダルAIに向けた拡張も可能
4. まとめ:ユースケース別の構成
ユースケース | 構成概要 |
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一般的なRAG基盤 | Fivetran → DWH/レイク → ベクトルDB/ナレッジグラフ |
Pinecone利用 | Fivetran → Pinecone Assistantで自動処理 |
LangChainチャット | Fivetran → S3 → ChromaDB → LangChain + GPT-4 |
Milvus利用 | Fivetran → Milvus(直接格納) |
Snowflake基盤 | Fivetran → Snowflake → Cortex/Arctic LLM → Streamlit |
社内チャット | Fivetran → 定期同期 → Slackボット |
意訳のため正確な情報は以下を参照してください。
参考リンク
- RAG and Fivetran: The foundation for AI-powered apps
- Assembling a RAG Architecture using Fivetran
- Build your own RAG-based GenAI Application in 30 Minutes
- FivetranChat: A homebrewed generative AI story
- Unlock AI-powered search with Fivetran and Milvus
- Fivetran and Pinecone Assistant make starting with RAG easy
- Building a chatbot with Fivetran and LangChain