はじめに
こんにちは!
ビジネスエンジニアリング株式会社の髙橋と申します!
本記事は、
ビジネスエンジニアリング株式会社 Advent Calendar 2025
11日目の記事となります。
社会人3年目のエンジニアで、2025年12月1日~5日にラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2025」というイベントに参加してきました!
「AWS?re:Invent?何それ?」という方も多いと思うので、本記事では、技術的な話は最小限に、「どんなイベントなの?」「実際に行ってどうだった?」という体験をお伝えします。
re:Inventって何?
AWSとは
まず「AWS」について簡単に説明します。
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。
クラウドというのは、インターネット上でサーバーやデータベースなどのITリソースを借りられるサービスのこと。
例えば、スマホアプリやWebサイトを作るとき、昔は自社でサーバーを買って管理する必要がありましたが、今はAWSのようなクラウドサービスを使えば、必要な分だけ借りて使うことができます。(一軒家を買うか賃貸を借りるかのイメージ)
AWSは世界のクラウド市場でシェア率No.1(約30%、2025年Q2時点、Synergy Research GroupのQ2 2025推計)で、Netflix、Airbnb、NASAなど、世界中の多くの企業が利用しています。
re:Inventとは
re:Inventは、そのAWSが毎年ラスベガスで開催する世界最大級のイベントです。
- 規模: 世界中から数万人が参加(2024年の現地参加者は約6万人)
- 期間: 約1週間(月曜〜金曜)
- 会場: ラスベガスの複数の大型ホテル(MGM Grand、Venetian、Mandalay Bayなど)を貸し切り
- 内容: 新サービス発表、技術セッション、ハンズオン、展示会、パーティーなど
技術者向けのイベントではありますが、実は遊び要素も満載で、技術に詳しくなくても楽しめる工夫がたくさんあります。
参加費用:約100万円(会社負担)
今回の参加にかかった費用は以下の通りです:
- ツアー代: 約70万円(航空券、ホテル含む)
- イベント参加費: 約30万円
- 合計: 約100万円
正直、個人でそう簡単に払える金額ではありません。
しかし、今回は会社が全額負担してくれました。「世界最大級のイベントで最新技術に触れ、グローバルなエンジニアと交流してこい」という目的で、部署が投資してくれた形です。
100万円という金額は決して小さくありませんが、それを出してくれる環境に感謝しています。
イベントの規模感がすごい
基調講演:数千人が一堂に会する圧巻の光景
2日目の朝、AWS CEO「Matt Garman」による基調講演に参加しました。
会場に着いて驚いたのは、その規模の大きさです。
- 巨大なホールに数千人が集まる
- スクリーンは映画館の何倍もの大きさ
- 新サービス発表のたびに会場が歓声に包まれる
↓写真では伝わりにくいですが、画像のデカモニターが右横にあと2枚あります

技術的な内容は、公式翻訳機が不調だったこともあり、スライドと会場の雰囲気で内容を把握する形でしたが、「世界中からこれだけの人が集まるイベントなんだ」という雰囲気だけで圧倒されました。
朝6:45のシャトルバスに乗り、7:30に会場入りしましたが、それでもギリギリ座れるレベル。5分遅れていたら別室のサテライト会場での視聴になっていたと思います。
会場は複数のホテルを貸し切り
re:Inventの会場は、ラスベガスの複数の大型ホテル(Venetian、MGM Grand、Mandalay Bayなど)を貸し切って行われます。
各ホテル間はシャトルバスで移動しますが、VenetianとMandalay Bayは約3.8km(2.4マイル)も離れており、バスの移動でも15分程度かかります。
会場の規模感を実感した瞬間でした。
実際に手を動かして学べる「GameDay」と「Jam」
re:Inventの目玉の体験型イベントが「GameDay」と「Jam」です。どちらもチーム対抗でAWSの技術課題を解決するコンペティションで、制限時間内にどれだけ多くの課題をクリアできるかを競います。
操作する画面の見た目は違いますが、本質的には同じようなイベントに感じました。ちなみに、Jamの優勝者は最終日前日のお祭りイベント「re:Play」のVIP席特典がもらえるそうです。
GameDay:海外チームとの即席コラボ
私は初日のGameDayに参加しましたが、会場に迷って遅刻し、日本人チームに合流できず...。結果、海外参加者と即席チームを結成することになりました。
英語のコミュニケーションには苦戦しましたが、技術的な知識でカバーし、チームの獲得ポイントの約6割を単独で稼ぐことができました。
課題をクリアして「I finished it」と(カタコトで)伝えたときの達成感と、チームメイトからの「Nice!」という反応は、今でも忘れられません。
Jam:様々なチームでの挑戦
3日目には「Generative AI Jam(NVIDIAスポンサー)」に参加しました。このJamではAmazon BedrockやSageMaker AIを使った生成AIとエージェントAIの課題が用意されていましたが、私はQuickSight(データ可視化ツール)の課題に、オール外国人チームで挑戦。初見では解決困難な難易度でしたが、試行錯誤しながら進めることで、実践的な知識が身につきました。
あと、参加しただけでマグカップがもらえました。うれしい。
4日目には日本人チームでJamに参加し、AIエージェントによる自動デプロイやCI/CDパイプラインの構築に挑戦。日本語で意思疎通できることのありがたみを痛感しつつ、英語でのコミュニケーション意欲も向上しました。
遊び要素も満載:スタンプラリー、スポーツ、カードゲーム
スタンプラリーでノベルティ収集
会場内の様々なブースを回ってスタンプを集めると、集めた数に応じてノベルティ(Swag)がもらえる仕組みです。
私はスタンプをLv.3まで集め、特典としてボストンバッグを獲得しました。ちなみに、Lv.4まで集めるとRay-BanのサングラスやKindleがもらえるらしいのですが、初日の夜には在庫切れになっていたようです...。
スタンプを集めるために会場を歩き回ることで、自然と様々なブースを見て回ることになり、知らなかったサービスや技術に触れる機会にもなりました。
Sports Forumやその他の遊び要素
会場内には「Sports Forum」というエリアがあり、バスケや卓球などで遊べます。
別の場所では、Venetianのエスカレーター付近に巨大な滑り台があり、大人が本気で滑って楽しんでいました。
技術イベントでありながら、こうした遊び要素があるのもre:Inventの魅力です。
BuilderCards:カードゲーム
「BuilderCards」は、AWSのサービスをモチーフにしたカードゲームです。
会場内の特定のブースで配布されており、参加者同士で交換したり、実際にゲームをプレイしたりできます。
私は2日目に初めて入手でき、満足度が高かったです。
re:Play:最終日前日のお祭りイベント
4日目の夜には「re:Play」という大規模なパーティーイベントが開催されました。
会場はお祭り騒ぎのような雰囲気で、音楽ライブやゲーム、飲食ブースなどが並びます。技術イベントでありながら、こうしたエンターテインメント要素も充実しているのがre:Inventの魅力です。
私は一通り見学して雰囲気を味わいました。参加者同士の交流を深める良い機会になっているイベントです。
交流の機会:世界中のエンジニアと繋がる
re:Inventには、世界中からエンジニアが集まります。
私は「Japan Night」というイベントに参加し、AWS Jr. Champions(AWSコミュニティで活躍する若手技術者の認定プログラム)のメンバーや他社エンジニアと交流しました。特に、若手エンジニアとの会話では、次世代のAWS Jr. Champions候補が誕生する可能性も感じました。
また、会場で偶然再会した方は、スタートアップを立ち上げている最中とのこと。畑は異なりますが、行動力とキャリアの築き方に大きな刺激を受けました。
どちらかというと私は内向的ですが、それでも様々なバックグラウンドを持つ人と出会える機会は貴重だと感じました。
来年はもっとグローバルに交流したい…!
苦労したこと
英語コミュニケーションの壁
GameDayで海外チームと組んだとき、最も苦労したのが英語のコミュニケーションです。
- ネイティブの会話スピードが速すぎて聞き取り困難(全員エミネム状態)
- 技術用語(固有名詞)は拾えても、文脈が掴めない
対策として、Feloなどの翻訳ツールを使いました。文意・文脈の把握には有効ですが、固有名詞が抜けることがあるため、「聞き取りはツール、意思伝達は自力(単語レベルでも可)」という役割分担が有効でした。
会場間の移動が大変
前述の通り、会場は複数のホテルに分散しています。
MGMからMandalay Bayへの移動を甘く見積もっていましたが、迷いに迷ってセッションに遅刻したことも...。
シャトルバスの利用を強く推奨します。徒歩で到着すると通常のロビーに着き、スタッフすらいないことがあります。私は迷いすぎて従業員専用フロアにまで迷い込んでしまいました。
食事について
広大な会場で提供される朝食・昼食のビュッフェは無料で、ホテルのご飯も美味しかったです。また、GameDayやJamの会場、通路、Japan Nightなどのイベント会場でも軽食を食べられます。
ただ、初日の夕食で外食したタコスが$20と高額、かつ苦手なパクチー入りで完食にも苦戦。この経験から、「高い金を払って夜食べるなら、日本で美味しいもの食べたい」と思い、以降は夕食はバナナしか食べませんでした。
また、会場の軽食はスイーツ以外も砂糖が多く甘すぎる傾向があり、お茶(Tea)の提供が一切ないのも日本人には厳しい環境でした。
次行けるのであれば日本茶を持参しようと思いますが、液体類は預け入れ荷物(スーツケース)に入れないと飛行機の手荷物検査で没収されるので注意してください。
僕と上司はそれぞれゼリーと洗顔料を没収されました。かなしい。
学んだことを業務に活かす
今回の参加で得た知見を、業務に活かす予定です。
特に注目しているのが「AWS DevOps Agent」という新サービス。運用の自動化に直結する内容で、現在開発中のシステムに活用できる可能性が高いです。
また、JamでAIエージェントによる自動デプロイを実際に触ったことで、「こういう使い方ができるんだ」という実践的な知識が身につきました。
セッションを聞くだけでなく、実際に手を動かして学べるのがre:Inventの大きな価値だと感じました。
おまけ:カジノの結果
ラスベガスといえばカジノ!せっかくなのでポーカーに挑戦しました。
- Day 1: -$52
- Day 2: -$181
- Day 3: +$147
- 合計: -$86
$86負けです。誠に遺憾です。 良い思い出になりました。
まとめ:技術者じゃなくても楽しめるイベント
AWS re:Invent 2025は、技術的な学びだけでなく、体験、交流、遊びが詰まった素晴らしいイベントでした。
こんな人におすすめ:
- AWSやクラウドに興味がある人
- 最新技術に触れたい人
- 海外の大規模イベントを体験してみたい人
- グローバルなエンジニアと交流したい人
参加のコツ:
- 体験型イベント(GameDay、Jam)を優先する
- セッションは後日YouTubeで見られる(私は現地での体験を優先しましたが、有益なセッションも多いので、人それぞれです)
- シャトルバスを活用して移動時間を短縮
- 日本茶を持参する(スーツケースに入れること)
英語や技術に自信が無くても大丈夫。スタンプラリーやスポーツ、カード収集など、楽しみ方はたくさんあります。
そして何より、こうした機会を提供してくれる部署に感謝です。100万円という金額を投資してくれる環境は、決して当たり前ではありません。
英語とAWSを勉強して、来年も参加したい!




