本記事は数学講座4.1 線形関数と行列関数を勉強して投稿したメモです。詳細は元の素晴らしい講座のページをチェックしてください。
行列関数
行列の左乗では、$Aa=b$、$A$が行列で、$a,b$が既知のベクトル、$a,b$を未知な$x,y$に変われば、行列関数になります。
\boldsymbol{A}\boldsymbol{a}=\boldsymbol{b}\longrightarrow \boldsymbol{A}\boldsymbol{x}=\boldsymbol{y}
関数の定義
二つの変数$x、y$があって、$x$の値が決まれば、それに伴って$y$の値がただ一つ決まるとき、$y$は$x$の関数であるという。
行列関数
\underbrace{A\boldsymbol{x}=\boldsymbol{y}}_{\large 行列乗法形式}\iff \underbrace{A(\boldsymbol{x})=\boldsymbol{y}}_{\large 行列関数形式}
前述の色の例、$RGB$から$YP_rP_b$への変換が、行列関数を使ってできます。
行列の左乗法:
\underbrace{\begin{pmatrix}0.299&0.587&0.114\\0.5&-0.418688&-0.081312\\-0.168736&-0.331264&0.5\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{A}}\ \underbrace{\begin{pmatrix}10\\5\\33\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{a}}\ =\ \underbrace{\begin{pmatrix}9.687\\0.223264\\13.1563\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{b}}
行列関数:
\underbrace{\begin{pmatrix}0.299&0.587&0.114\\0.5&-0.418688&-0.081312\\-0.168736&-0.331264&0.5\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{A}}\ \underbrace{\begin{pmatrix}R\\G\\B\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{x}}\ =\ \underbrace{\begin{pmatrix}Y\\P_r\\P_b\end{pmatrix}}_{\large \boldsymbol{y}}
行列の乗法でも説明したように、$YP_rP_b$が新しい基底$A$でのベクトルです。
線形関数
数学において、$\mathcal{L}$ が線型であるとは、$\mathcal{L}$ について以下の2つの性質
- 加法性:任意の $x, y$ に対して 、$\mathcal{L}(x+y)=\mathcal{L}(x)+\mathcal{L}(y)$
- 斉次性: 任意の $x, α$ に対して 、$\mathcal{L}(a\boldsymbol{x})=a\mathcal{L}(\boldsymbol{x})$
直線関数$f(x)=ax$が線形関数:
以下の二つが満たされたので、線形関数です。
- 加法性:$f(x_1+x_2)=f(x_1)+f(x_2)=ax_1+ax_2$
- 斉次性: $f(bx)=bf(x)=abx$
行列関数が線形関数
行列関数$Ax=y$が:
- 加法性:$A(\boldsymbol{x}+\boldsymbol{y}) = A(\boldsymbol{x})+A(\boldsymbol{y})$
- 斉次性: $A(m\boldsymbol{x})=m(A\boldsymbol{x})$
詳細な証明はこちらを参照。行列の加法とも乗法と関連しています。
直線関係が一番分かりやすい線形関数です。インプットが$x$軸での点、アウトプットが$y$軸での点です。
これも行列関数です。$x,y,a$が全てベクトル空間$R^1$でのベクトルです。
行列関数の形へ変換すると、以下のような形になります。
\underbrace{\begin{pmatrix}a\end{pmatrix}}_{A}\quad\underbrace{\begin{pmatrix}x\end{pmatrix}}_{\boldsymbol{x_{}}}\quad=\quad\underbrace{\begin{pmatrix}y\end{pmatrix}}_{\boldsymbol{y_{}}}\implies A\boldsymbol{x_{}}=\boldsymbol{y_{}}
インプットがベクトル空間$R^1$でのベクトル、アウトプットもベクトル空間$R^1$でのベクトルです。
インプットとアウトプット所在のベクトル空間は同じですが、ベクトル空間の基底が違います。
インプットが自然基底のベクトル空間で、アウトプットが$a$を基底にしたベクトル空間のものです。
行列関数が必ず線形関数ですが、線形関数が必ず行列関数には限らないです。
以下のは二つの例です:
- $f(x)=0$
- 微分積分:$\mathrm{d}f(x)=f'(x)\mathrm{d}x,\quad \int f'(x)\mathrm{d}x=f(x)$
補足
- 行列の転置演算