本記事は数学講座2.4 ベクトル空間を勉強して投稿したメモです。詳細は元の素晴らしい講座のページをチェックしてください。
本記事で紹介するベクトル空間の概念を使うことで、幾何学的な直線、平面、立体などを表現できます。また、無限大な立体として宇宙空間を想像することもでき、ベクトル空間で宇宙空間を表現することもできます。
宇宙空間とベクトル空間、両方とも空間が含まれていますので、共通点があります。まず宇宙空間を特徴をみましょう。
- 全ての物質(地球、火星、星、...)が含まれています
- 物質が各種運動や変化(燃焼、爆発、移動)されても、空間内に存在しています
宇宙空間と比べて、ベクトル空間の以下の2点が満たされています。
演算というのは、上記のスカラー倍と加算になります。例えば、ベクトル組$\mathcal{V}$があります:
\mathcal{V}=\{\boldsymbol{v_1},\boldsymbol{v_2},\cdots,\boldsymbol{v_n}\}
ベクトル組$\mathcal{V}$で、$\boldsymbol{v_1}\in \mathcal{V},\quad \boldsymbol{v_2}\in \mathcal{V}$ があります、スカラー倍と加算で演算されたベクトルもベクトル空間に存在されていれば、ベクトル組$\mathcal{V}$がベクトル空間です。
次に、ベクトル空間の定義を見てみよう。
ベクトル空間
ベクトル空間とは 適切に定義された「ベクトルの和」と「スカラー倍」に対して「閉じた」集合です。
閉じた集合というのは、ベクトル組$\mathcal{V}$でのベクトルがスカラー倍や加算しても、結果となるベクトルもまだ$\mathcal{V}$に存在します。具体的は:
- $\boldsymbol{a}\in \mathcal{V},\boldsymbol{b}\in \mathcal{V}$ があれば、$\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b} \in \mathcal{V}$ もある
- $\boldsymbol{a}\in \mathcal{V},k\in \mathbb{R}$ があれば、$k\boldsymbol{a} \in \mathcal{V}$もある
例えば、以下は例1がベクトル空間ですが、例2がベクトル空間ではないです。
- 例1、色RGBのベクトルがいくら線形結合しても、この空間を超えることができないです。
- 例2、ベクトル組 $\mathcal{V}=$ { ${(x,y)|x^2+y^2\leq 1}$ }
なぜかベクトル空間ではないかというと、以下のように加算されたら、〇というベクトル空間を超えちゃいます。
ベクトル空間で表す直線、平面及び立体
$\mathcal{n}$次元ベクトルが構成された集合がベクトル空間$\color{Salmon}{\mathbb{R^n}}$:
\mathbb{R^n}=\{(x_1,x_2,...,x_n)|n\in \mathbb{N},x_n\in\mathbb{R}\},\quad n\ge 1
- 直線(一次元のベクトル空間)
\mathbb{R^1}=\{(x)|x\in\mathbb{R}\}
- 平面(二次元のベクトル空間)
\mathbb{R^2}=\{(x_1,x_2)|x_{1,2}\in\mathbb{R}\}
こちらで注意したほうがよいのは、以下のような立体での青い平面が、$\mathcal{R^2}$ではないです。これが$\mathcal{R^3}$での三次元ベクトルです。
- 立体(三次元のベクトル空間)
\mathbb{R^3}=\{(x_1,x_2,x_3)|x_{1,2,3}\in\mathbb{R}\}
-
零ベクトルについて
零ベクトルは必ずベクトル空間に含まれている。
例えば、$\mathcal{V}$が$\mathcal{n}$次元ベクトルで構成されたベクトル空間です。任意の二つベクトル$\mathcal{u_1}$と$\mathcal{u_2}$をつかって、線形結合して、零ベクトルになります:
0\boldsymbol{u_1}+0\boldsymbol{u_2}=(0,0,\cdots,0)
部分空間
ベクトル空間は必ず$\mathcal{R^n}$だけではなくて、その$\mathcal{R^n}$の部分空間でも大丈夫です。例えば、以下のような点、直線、平面もベクトル空間です(必須条件:零ベクトルを含む)。
上記の点、線、平面が$\mathcal{R^3}$の部分空間です。$\mathcal{V}\subset \mathbb{R^3}$と記します。
定義:
あるベクトル空間$\mathcal{V}$の部分集合$\mathcal{W}$ が、 「ベクトルの和」と「スカラー倍」に対して閉じていれば、 その集合$\mathcal{W}$もベクトル空間となる。$\mathcal{W}$を$\mathcal{V}$ の部分空間という。
補足:$\mathcal{R^2}$が$\mathcal{R^3}$の部分空間ではないです。$\mathcal{R^2}$が2次元ベクトルで構成され、$\mathcal{R^3}$が三次元ベクトルで構成されるので、$\mathbb{R^2}\not\subseteq\mathbb{R^3}$です。
\mathbb{R^3}=\{(x_1,x_2,x_3)\ |\ x_{1,2,3}\in\mathbb{R}\},\quad \mathbb{R^2}=\{(x_1,x_2)\ |\ x_{1,2}\in\mathbb{R}\}