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背景と課題

ある中堅部品メーカーで、営業部から製造部・経理部まで、長年にわたって一つのExcelブック(シート数40枚・マクロ数十本)が“業務の核”になっていました。

マクロで「原価+販売数→利益率」を算出し、手入力で毎月貼付・更新。改修履歴はメールフォルダに散らばり、担当が休むと処理が止まることも。

主な課題としては:

属人化
担当者しかロジックを理解していないため、引継ぎが困難。
バージョン混在・ファイル複製
Final\_v2.xlsx Final\_v3修正済 など複数存在。どれが最新か判断不能。
手作業の時間負荷
月次報告作成に4〜5時間かかっていた。ミス起因で修正も頻発。

この状態を放置して DX化して! と指示されても、現場としては どこから手をつければいいか分からない… というのが実感でした。

# 解決策・実施内容

この企業では、以下のステップでExcel業務のDX化を進めました。

ステップ1:現状フローの可視化

 Excelファイルの処理ステップを 入力→貼付/マクロ実行→出力報告 に分解。時間と担当を記録。

ステップ2:Excelの役割を再定義

 Excelを 出力・報告書作成用ツール に絞り、 貼付・転記・データ集計 は別ツール(RPA/クラウドDB)へ。

ステップ3:マクロ整理と削減

 マクロ構造をドキュメント化し、特例処理を整理。必要最小限のマクロコードへリファクタリング。

Sub GenerateMonthlyReport()

  Sheets("RawData").Range("A1:Z1000").Copy _

  Destination:=Sheets("Summary").Range("A1")

  Call CalculateKPIs

End Sub

 このコードにコメントを付け、誰でも追える形に変更。

ステップ4:教育・運用ルール整備

 誰が触っても分かる仕様 ファイル命名ルール 保存場所統一 を全員に共有。

ステップ5:効果測定と改善

 報告作成時間、ミス数、ファイル破損件数を毎月追跡。

# 効果と成果

実施から3ヶ月で、次のような成果が出ました:

月次報告作成時間が 約5時間→2時間 に削減。

担当変更時の引継ぎ時間が大幅に短縮。

バージョン不明のファイルが減り、どれが最新版? の問いがほぼ消滅。

現場から 分析の時間が少し増えた という声が出始めました。

さらに、この成功をきっかけに、他部門(購買・在庫管理)でも同様の手法を横展開する動きが生まれました。

# 教訓と注意点

このケースから得た教訓は以下です:

主張:Excelをすべて捨てる必要はない。むしろ、Excelの役割を見直すことが鍵。

理由:現場にはExcelに蓄積されたノウハウと慣れがあるため。急激な移行は抵抗を生む。

具体例:この企業でも、Excelを完全に廃止するのではなく、報告用に残すことで現場の安心感を維持しながら改善できました。

ただし、次の点には注意が必要:

特例・例外処理の把握を怠ると自動化失敗のリスクあり。

初期マクロをそのまま持ち込むと 動かない 壊れる の危険あり。

チーム全員の理解と運用ルール整備がないと、改善が定着しない。

# まとめ

Excel業務のDX化は、どこを変えるか 何を残すか の見極めが大切です。

このケースでは、Excelを報告用ツール に位置付け直し、入力・集計を別仕組みに移すことで、効率化と安定化の両立を実現できました。

もしあなたの職場にも 神エクセル が眠っていたら、まずは このExcel、どれが最新?誰がどう直してる? という問いから始めてみることをおすすめします。

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