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ShellScript(UNIX/Linuxコマンド)チートシート

Last updated at Posted at 2025-07-20

開発者の皆さん...UNIX系コマンドをターミナルで使用することは多いかなとは思いますが...シェルスクリプトも活用されていますか?
シェルスクリプトは、単なる「コマンドの羅列」ではなく、強力なプログラミング言語?(スクリプト)です。Linuxの世界では、複雑な処理を自動化し、システム管理者の日常業務を劇的に効率化するツールとも言えるでしょう。

このチートシートに記載されているコマンドやテクニックの多くは、シェルスクリプトの中だけでなく、UNIX/Linuxのコマンドラインでも直接使うことができます。例えばファイル操作コマンド(find, grep, wcなど)、リダイレクト、パイプを使ったコマンドの連結、文字列操作、ジョブ制御などは日常的なシステム管理作業でも頻繁に活用されます。特に「便利なワンライナー集」セクションのコマンドは、スクリプトを書かなくても直接ターミナルで実行可能です。

この記事では、初めてShellScriptに触れる方から、より高度な技術を求めるベテランまで、全てのレベルの方々に役立つ情報をギュッと詰め込みました。あれ?これどうやって書くんだっけ?と思った際にいつでも戻ってきてください!

目次

他のチートシート

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lazygit

Docker コマンド(dockerコマンド以外にもdockerの概念の記事へのリンクもあります)

ステータスコード

TypeScript

Go/Gorm

testing/gomock

C#/.NET/Unity

Ruby・Ruby on Rails

SQL

NoSQL

Vim

プルリクエスト・マークダウン記法チートシート

ファイル操作コマンドチートシート

VSCode Github Copilot拡張機能

OpenAI Assistants API

GitHub API

変数・関数(メソッド)・クラス命名規則

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チートシート
様々な言語,フレームワーク,ライブラリなど開発技術の使用方法,基本事項,応用事例を網羅し,手引書として記載したシリーズ

git/gh,lazygit,docker,vim,typescript,プルリクエスト/マークダウン,ステータスコード,ファイル操作,OpenAI AssistantsAPI,Ruby/Ruby on Rails のチートシートがあります.以下の記事に遷移した後,各種チートシートのリンクがあります.

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AWS UserのGCP浮気日記
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Go言語や標準ライブラリの深掘り調査レポート

 

基本的な構文

シェルスクリプトの基本構造

シェルスクリプトの基本的な構造です。最初の行には実行するシェルを指定し、コメントを書いてから実際のコマンドを記述します。

最初の行(シバン)でインタプリタを指定します:

#!/bin/bash

コメントを記述する場合:

# これはコメントです

基本的なメッセージ出力:

echo "Hello, World!"

最初の行 #!/bin/bash は「シバン(shebang)」と呼ばれ、このスクリプトを実行するインタプリタを指定します。Bashシェルを使用する場合は /bin/bash を指定します。

実行権限の設定

シェルスクリプトを実行するには、まずファイルに実行権限を付与する必要があります。実行権限を付与した後は、パスを指定して実行できます。

実行権限を付与:

chmod +x script.sh

スクリプトを実行:

./script.sh

基本的なコマンド出力

テキストを画面に出力するための基本コマンドです。echoは単純な出力に、printfはより複雑なフォーマットが必要な場合に使用します。

シンプルなテキスト出力:

echo "テキストを表示"

C言語風のフォーマット出力:

printf "フォーマット %s %d\n" "文字列" 42

コメント

スクリプト内にメモや説明を残すためのコメント記法です。1行コメントと複数行コメントの2種類があります。

一行コメント:

# 一行コメント

複数行コメント:

: '
これは
複数行の
コメントです
'

変数

変数の定義と使用

シェルスクリプトで変数を定義し使用する基本的な方法です。変数名と値の間のイコール記号にはスペースを入れないように注意しましょう。

変数の定義(= の前後にスペースを入れないこと):

NAME="Bash"

基本的な変数の使用:

echo "Hello, $NAME!"

波括弧を使った変数の使用(推奨):

echo "Hello, ${NAME}!"

変数の型

Bashでは変数に明示的な型はありませんが、文脈によって異なる扱いになります。数値演算を行う場合は二重括弧を使った算術展開が必要です。

数値も文字列として扱われる:

NUMBER=42

文字列として出力される:

echo "$NUMBER + 10"

算術展開で数値として計算される:

echo $((NUMBER + 10))

特殊変数

シェルスクリプトには組み込みの特殊変数があり、スクリプト名や引数、プロセス情報などに簡単にアクセスできます。これらの変数は頻繁に使用されます。

スクリプト名を取得:

echo $0

最初の引数を取得:

echo $1

2番目の引数を取得:

echo $2

引数の数を取得:

echo $#

すべての引数を個別の文字列として取得:

echo $@

すべての引数を単一の文字列として取得:

echo $*

直前のコマンドの終了ステータスを取得:

echo $?

現在のシェルのプロセスIDを取得:

echo $$

最後にバックグラウンドで実行されたプロセスのIDを取得:

echo $!

環境変数

システム全体やユーザーセッション全体で利用できる変数です。システムの環境変数を参照したり、自分で環境変数を設定したりすることができます。

ホームディレクトリのパスを表示:

echo $HOME

実行ファイルの検索パスを表示:

echo $PATH

ユーザー名を表示:

echo $USER

環境変数として設定:

export MY_VAR="値"

読み取り専用変数

一度設定したら変更できない変数を作成します。定数として使用したい値に適しています。

読み取り専用変数を設定:

readonly CONSTANT="不変の値"

コマンド置換

コマンドの実行結果を変数に格納したり、別のコマンドの一部として使用したりする方法です。現代的な構文と古い構文の両方があります。

コマンドの出力を変数に格納(現代的な構文):

TODAY=$(date)

変数を使用して表示:

echo "今日は $TODAY です"

古い構文(互換性のために知っておくと良い):

TODAY=`date`

条件分岐

if 文

条件分岐の基本構造です。条件式が真の場合と偽の場合で異なる処理を実行できます。複数の条件を組み合わせることも可能です。

基本的なif文の構造:

if [ "$a" -eq "$b" ]; then
    echo "a と b は等しい"
elif [ "$a" -gt "$b" ]; then
    echo "a は b より大きい"
else
    echo "a は b より小さい"
fi

条件テスト

数値比較

数値を比較するための演算子です。等値、大小関係などを調べることができます。文字列の比較とは異なる演算子を使用することに注意してください。

等しいかどうかをチェック:

[ "$a" -eq "$b" ]

等しくないかどうかをチェック:

[ "$a" -ne "$b" ]

大きいかどうかをチェック:

[ "$a" -gt "$b" ]

以上かどうかをチェック:

[ "$a" -ge "$b" ]

小さいかどうかをチェック:

[ "$a" -lt "$b" ]

以下かどうかをチェック:

[ "$a" -le "$b" ]

文字列比較

文字列を比較するための演算子です。等値チェックだけでなく、空文字列のチェックやパターンマッチングもできます。二重角括弧構文ではより高度なマッチングが可能です。

文字列が等しいかどうかをチェック:

[ "$a" = "$b" ]

文字列が異なるかどうかをチェック:

[ "$a" != "$b" ]

文字列が空かどうかをチェック:

[ -z "$a" ]

文字列が非空かどうかをチェック:

[ -n "$a" ]

ワイルドカードマッチング([[ ]] 構文のみ):

[[ "$a" == *wild* ]]

正規表現マッチング([[ ]] 構文のみ):

[[ "$a" =~ regex ]]

ファイルテスト

ファイルやディレクトリの属性を検査するための演算子です。存在確認、種類確認、権限確認、ファイルの比較など、様々な用途に使用できます。

ファイルが存在するかどうかをチェック:

[ -e "$file" ]

通常のファイルであるかどうかをチェック:

[ -f "$file" ]

ディレクトリであるかどうかをチェック:

[ -d "$file" ]

読み取り可能であるかどうかをチェック:

[ -r "$file" ]

書き込み可能であるかどうかをチェック:

[ -w "$file" ]

実行可能であるかどうかをチェック:

[ -x "$file" ]

サイズが0より大きいかどうかをチェック:

[ -s "$file" ]

file1がfile2より新しいかどうかをチェック:

[ "$file1" -nt "$file2" ]

file1がfile2より古いかどうかをチェック:

[ "$file1" -ot "$file2" ]

基本的な算術演算

Bashでは整数の加減乗除やインクリメント・デクリメントなどの算術演算ができます。

変数の設定:

a=10
b=3

加算:

echo $((a + b))

減算:

echo $((a - b))

乗算:

echo $((a * b))

除算(整数):

echo $((a / b))

剰余:

echo $((a % b))

べき乗:

echo $((a ** 2))

case文

複数の値に対する条件分岐を効率的に記述できます。

case "$variable" in
    pattern1)
        echo "pattern1 に一致しました"
        ;;
    pattern2|pattern3)
        echo "pattern2 または pattern3 に一致しました"
        ;;
    *)
        echo "どのパターンにも一致しません"
        ;;
esac

ループ

for ループ

リストの要素を順番に処理したり、指定回数だけ処理を繰り返したりするための構文です。複数の書き方があり、目的に応じて使い分けます。

リストの各要素に対して処理:

for item in apple banana orange; do
    echo "Item: $item"
done

数値範囲の処理:

for i in {1..10}; do
    echo "$i"
done

増分を指定した範囲処理:

for i in {1..20..2}; do
    echo "$i"
done

C言語スタイルのforループ:

for ((i=0; i<10; i++)); do
    echo "$i"
done

while ループ

条件が真である間、処理を繰り返し実行する構文です。カウンターを使った繰り返しや、特定の条件が満たされるまでの処理に使用します。無限ループを作ることも可能です。

条件付きの繰り返し処理:

count=0
while [ $count -lt 5 ]; do
    echo "Count: $count"
    ((count++))
done

無限ループ(Ctrl+Cで停止):

while true; do
    echo "無限ループ"
    sleep 1
done

until ループ

条件が真になるまで処理を繰り返す構文です。whileループの逆の動作をします。条件が偽の間は処理を繰り返し実行します。

条件が真になるまで処理を繰り返す:

count=5
until [ $count -eq 0 ]; do
    echo "Count down: $count"
    ((count--))
done

ループ制御

ループの実行を制御するためのコマンドです。breakはループを途中で終了させ、continueは現在の繰り返しをスキップして次の繰り返しに進みます。

ループを抜ける例:

for i in {1..10}; do
    if [ $i -eq 5 ]; then
        break
    fi
    echo "$i"
done

次の繰り返しに進む例:

for i in {1..10}; do
    if [ $i -eq 5 ]; then
        continue
    fi
    echo "$i"
done

関数

関数の定義と呼び出し

スクリプト内で再利用可能なコードブロックを作成します。関数は定義してから呼び出して使用します。関数には引数を渡すことができ、特殊変数 $1, $2 などで参照できます。

関数の定義(functionキーワードを使用):

function hello() {
    echo "Hello, $1!"
}

別の定義方法:

greet() {
    echo "Welcome, $1!"
}

関数の呼び出し:

hello "World"
greet "User"

戻り値

関数から値を返す方法です。Bashでは数値の終了ステータスを返す方法と、コマンド置換を使って文字列などのデータを返す方法があります。

戻り値(終了ステータス)を返す関数:

check_status() {
    if [ $1 -eq 0 ]; then
        return 0
    else
        return 1
    fi
}

関数の呼び出しと戻り値の確認:

check_status 0
if [ $? -eq 0 ]; then
    echo "成功しました"
fi

戻り値として文字列を返す関数:

get_date() {
    echo $(date +%Y-%m-%d)
}

関数の戻り値を変数に格納:

today=$(get_date)
echo "Today is $today"

ローカル変数

関数内でのみ有効な変数を宣言する方法です。localキーワードを使うとその変数のスコープが関数内に限定され、グローバル変数との衝突を防ぎます。

ローカル変数とグローバル変数の使い分け:

function scope_test() {
    local local_var="ローカル変数"
    global_var="グローバル変数"
    echo "関数内: $local_var, $global_var"
}

関数実行:

scope_test

関数外での変数確認:

echo "関数外: $global_var"
echo "関数外: $local_var"

コマンドライン引数

基本的な引数処理

シェルスクリプトにコマンドライン引数を渡し、それらを処理する基本的な方法です。特殊変数を使って引数の数や内容にアクセスできます。

スクリプト名の表示:

echo "スクリプト名: $0"

第1引数の表示:

echo "第1引数: $1"

第2引数の表示:

echo "第2引数: $2"

すべての引数の表示:

echo "すべての引数: $@"

引数の数の表示:

echo "引数の数: $#"

getopts によるオプション処理

UNIXスタイルのコマンドラインオプション(-a、-bなど)を処理するための方法です。コロンはオプションに値が必要なことを示します。エラー処理も組み込まれています。

#!/bin/bash
while getopts ":a:b:c" opt; do
  case $opt in
    a)
      echo "オプション -a の値: $OPTARG"
      ;;
    b)
      echo "オプション -b の値: $OPTARG"
      ;;
    c)
      echo "オプション -c が指定されました"
      ;;
    \?)
      echo "不明なオプション: -$OPTARG" >&2
      exit 1
      ;;
    :)
      echo "オプション -$OPTARG には引数が必要です" >&2
      exit 1
      ;;
  esac
done

残りの引数を処理:

shift $((OPTIND-1))
echo "残りの引数: $@"

ファイル操作

ファイル読み込み

テキストファイルの内容を読み込み、処理する方法です。1行ずつ読み込んだり、フィールド区切り文字を指定してCSVなどの構造化データを処理したりできます。

1行ずつファイルを読み込む:

while read line; do
    echo "Line: $line"
done < file.txt

IFSを使ってCSVファイルを読み込む:

while IFS=, read -r col1 col2 col3; do
    echo "Column 1: $col1, Column 2: $col2, Column 3: $col3"
done < data.csv

ファイル書き込み

ファイルにテキストデータを書き込むためのさまざまな方法です。上書きや追記、複数行のテキストブロック(ヒアドキュメント)などの書き込み方法があります。

ファイルに書き込み(上書き):

echo "New content" > output.txt

ファイルに追記:

echo "Additional content" >> output.txt

ヒアドキュメントを使用した複数行の書き込み:

cat <<EOF > output.txt
これは複数行の
テキストを書き込む
方法です。
EOF

ヒアストリングを使用した書き込み:

cat <<< "単一文字列からの入力" > output.txt

リダイレクト

コマンドの入出力をファイルにリダイレクトする方法です。標準出力、標準エラー出力、標準入力などを別のファイルや他のコマンドに接続できます。

標準出力をファイルにリダイレクト(上書き):

command > output.txt

標準出力をファイルに追記:

command >> output.txt

標準エラー出力をファイルにリダイレクト:

command 2> error.txt

標準出力と標準エラー出力をファイルにリダイレクト:

command > output.txt 2>&1

標準出力と標準エラー出力をファイルにリダイレクト(短縮形):

command &> output.txt

ファイルから標準入力を読み込む:

command < input.txt

文字列操作

文字列の長さ

文字列の文字数(長さ)を取得する方法です。変数名の前に#を付けることで簡単に文字数を取得できます。

文字列の長さを取得:

str="Hello, World!"
echo ${#str}

部分文字列の抽出

文字列の一部を取り出す方法です。開始位置と長さを指定したり、負のインデックスを使って末尾からの位置を指定したりできます。

インデックス7から末尾まで抽出:

str="Hello, World!"
echo ${str:7}

インデックス0から5文字抽出:

echo ${str:0:5}

末尾から6文字目から末尾まで抽出(スペース必須):

echo ${str: -6}

末尾から6文字目から5文字抽出:

echo ${str: -6:5}

文字列置換

文字列置換は、文字列内の特定のパターンを検索し、新しいテキストに置き換える操作です。Bashでは ${変数名/パターン/置換テキスト} の構文を使用して、様々な置換操作を行うことができます。

最初のマッチのみ置換:

str="Hello, World!"
echo ${str/World/Bash}

すべてのマッチを置換:

echo ${str//l/L}

先頭マッチを置換:

echo ${str/#Hello/Hi}

末尾マッチを置換:

echo ${str/%World!/People!}

パターンマッチング

パターンマッチングは、ファイル名やパスなどの文字列から特定の部分を抽出したり削除したりするのに非常に便利です。

末尾の.txtを削除:

filename="document.txt"
echo ${filename%.txt}

末尾のドットと拡張子を削除:

echo ${filename%.*}

最初のドットより前を削除:

echo ${filename#*.}

パスからファイル名を抽出:

echo ${filename##*/}

パスの処理例:

path="/usr/local/bin/command"
echo ${path##*/}

ディレクトリパスを抽出:

echo ${path%/*}

大文字小文字変換

Bashでは文字列の大文字小文字を簡単に変換することができます。テキスト処理やユーザー入力の正規化に役立ちます。

すべて大文字に変換:

str="Hello, World!"
echo ${str^^}

すべて小文字に変換:

echo ${str,,}

先頭文字を大文字に変換:

echo ${str^}

先頭文字を小文字に変換:

echo ${str,}

配列

Bashでは、インデックス配列(数値インデックス)と連想配列(文字列キー)の2種類の配列を使用できます。配列は複数の関連するデータ要素を一つの変数に格納するのに役立ちます。

配列の宣言と操作

インデックス配列は0から始まるインデックスでアクセスする通常の配列で、連想配列はキーと値のペアを格納します。

配列の宣言:

fruits=("apple" "banana" "orange")
numbers=(1 2 3 4 5)

個別の要素を設定:

fruits[3]="grape"

配列要素の参照:

echo ${fruits[0]}
echo ${fruits[1]}

すべての要素を表示:

echo ${fruits[@]}

配列の長さ(要素数)を取得:

echo ${#fruits[@]}

配列のスライス:

echo ${fruits[@]:1:2}

配列の繰り返し処理:

for fruit in "${fruits[@]}"; do
    echo "I like $fruit"
done

配列への追加:

fruits+=("pear" "melon")

連想配列の宣言(Bash 4以降):

declare -A user

連想配列の要素設定:

user[name]="John"
user[age]=30

連想配列の要素参照:

echo ${user[name]}

すべてのキーを表示:

echo ${!user[@]}

数値計算

基本的な算術演算

Bashでは整数の基本的な四則演算やべき乗などの算術演算を実行できます。算術展開を使用して計算を行います。

変数の設定:

a=10
b=3

加算:

echo $((a + b))

減算:

echo $((a - b))

乗算:

echo $((a * b))

除算(整数):

echo $((a / b))

剰余:

echo $((a % b))

べき乗:

echo $((a ** 2))

let コマンド

let コマンドは算術評価を行い、変数に値を代入するためのもう一つの方法です。

加算の結果を変数に代入:

let "c = a + b"

インクリメント:

let "a++"

複合代入演算子:

let "b+=5"

bc コマンド(浮動小数点演算)

Bashは標準で整数演算しか対応していませんが、bcコマンドを使うと浮動小数点計算を行えます。scale パラメータで小数点以下の桁数を指定できます。

浮動小数点除算:

echo "scale=2; 5 / 2" | bc

平方根の計算:

result=$(echo "scale=4; sqrt(2)" | bc -l)
echo $result

プロセス制御

Bashではプロセスの実行と管理を柔軟に制御できます。バックグラウンド実行、ジョブ制御、シグナル処理、そして複数のプロセスの同期など、様々なテクニックが用意されています。

バックグラウンド実行

コマンドの末尾に & を付けることで、そのコマンドをバックグラウンドで実行できます。これにより、ターミナルを占有せずに長時間実行するタスクを処理できます。

コマンドをバックグラウンドで実行:

long_running_command &

最後に実行したバックグラウンドプロセスのPIDを取得:

echo $!

ジョブ制御

シェルでは、複数のジョブを同時に管理することができます。ジョブはフォアグラウンドとバックグラウンドの間で移動させることが可能です。

現在のジョブリストを表示:

jobs

ジョブ1をフォアグラウンドに移動:

fg %1

ジョブ1をバックグラウンドで実行:

bg %1

ジョブ1を終了:

kill %1

プロセスの終了シグナル

kill コマンドは、指定したプロセスにシグナルを送信してプロセスを終了させるために使用します。

プロセスを強制終了 (SIGKILL):

kill -9 $PID

プロセスに正常終了を要求 (SIGTERM):

kill -15 $PID

トラップ

trap コマンドを使用すると、スクリプトが特定のシグナルを受信した際に実行するコードを定義できます。これはスクリプトの終了時にリソースをクリーンアップするのに特に便利です。

スクリプト終了時やCtrl+Cで中断された時の処理を定義:

trap "echo 'スクリプトが終了しました'; cleanup" EXIT
trap "echo '中断されました'; exit 1" INT TERM

クリーンアップ関数の定義:

cleanup() {
    echo "一時ファイルを削除しています..."
}

待機

wait コマンドは、バックグラウンドプロセスの完了を待機するために使用します。特定のプロセスや、すべてのバックグラウンドプロセスの完了を待つことができます。

複数のコマンドをバックグラウンドで実行:

command1 &
command2 &

すべてのバックグラウンドプロセスの完了を待つ:

wait

特定のプロセスの完了を待つ:

wait $PID

エラーハンドリング

堅牢なシェルスクリプトを作成するには、エラーを適切に処理する必要があります。Bashには様々なエラーハンドリング手法があり、これらを使ってスクリプトの信頼性を高めることができます。

エラーチェック

コマンド実行後の終了ステータス($?)を確認することで、コマンドが成功したか失敗したかを判断できます。0は成功、1~255は何らかのエラーを示します。

コマンドの実行:

command

終了ステータスをチェック:

if [ $? -ne 0 ]; then
    echo "エラーが発生しました"
    exit 1
fi

エラーが発生したら終了

set -e オプションを設定すると、コマンドがゼロ以外の終了ステータスを返した時点でスクリプトの実行を終了します。

エラーが発生したらスクリプトを終了:

set -e

エラー出力

エラーメッセージは標準エラー出力(stderr)に書き込むのが良い習慣です。これにより、通常の出力とエラーメッセージを区別することができます。

標準エラー出力に書き込む:

echo "エラーメッセージ" >&2

コマンドの失敗をチェック

論理演算子 &&|| を使用して、コマンドの成功または失敗に基づいて次のコマンドを実行するかどうかを制御できます。

コマンドが成功した場合だけ次のコマンドを実行:

command1 && command2

コマンドが失敗した場合だけ次のコマンドを実行:

command1 || command2

デバッグテクニック

デバッグモード

すべてのコマンドを実行前に表示:

#!/bin/bash -x

スクリプト内の特定の部分だけデバッグモード開始:

set -x

デバッグモード終了:

set +x

シェルオプション

エラーが発生したら終了:

set -e

未定義の変数を使用したらエラー:

set -u

パイプの一部が失敗したら全体を失敗とする:

set -o pipefail

入力行を表示:

set -v

トレース機能

デバッグ情報のフォーマットを設定:

PS4='+ ${BASH_SOURCE}:${LINENO}:${FUNCNAME[0]}: '

デバッグモードを有効化:

set -x

デバッグ変数の表示

デバッグ用の変数表示関数:

dump_vars() {
    echo "DEBUG: var1=$var1, var2=$var2"
}

シェルスクリプトのベストプラクティス

変数の引用符

変数を適切に引用:

name="John Doe"
echo "$name"

引用符なしは危険:

echo $name

コマンド存在チェック

コマンドの存在確認:

if ! command -v git &> /dev/null; then
    echo "gitコマンドが見つかりません"
    exit 1
fi

デフォルト値の設定

第1引数がなければデフォルト値を使用:

name=${1:-"Guest"}

安全な一時ファイル

一時ファイルの作成:

temp_file=$(mktemp /tmp/script.XXXXXX)

終了時のクリーンアップ設定:

trap "rm -f $temp_file" EXIT

スクリプトのパス取得

スクリプトのディレクトリパスを取得:

script_dir="$(cd "$(dirname "${BASH_SOURCE[0]}")" && pwd)"

関数の戻り値チェック

関数の実行:

function_name

戻り値をチェック:

if [ $? -eq 0 ]; then
    echo "関数は成功しました"
else
    echo "関数は失敗しました"
fi

便利なワンライナー集

ファイル操作

特定の拡張子のファイルを検索:

find . -name "*.txt" -type f

ファイル内の特定のテキストを検索:

grep -r "検索文字列" .

直近で変更されたファイルを表示:

find . -type f -mtime -7 | sort -r

大きなファイルを検索:

find . -type f -size +100M

重複ファイルを検索:

find . -type f -exec md5sum {} \; | sort | uniq -d -w 32

システム情報

ディスク使用量を表示:

df -h

ディレクトリサイズを表示:

du -sh /path/to/dir

メモリ使用量を表示:

free -m

システム負荷を表示:

uptime

テキスト処理

ファイルの行数をカウント:

wc -l file.txt

特定の列を抽出(スペース区切り):

awk '{print $1, $3}' file.txt

特定の列を抽出(カンマ区切り):

cut -d, -f1,3 file.csv

テキストの置換:

sed 's/old/new/g' file.txt

重複行の削除:

sort file.txt | uniq

上級テクニック

プロセス置換

二つのファイルの差分行を抽出:

grep -vf <(sort file1.txt) <(sort file2.txt)

複数のコマンド出力を一つのwhileループで処理:

while read line; do
    echo "Processing: $line"
done < <(command1; command2)

名前付きパイプ

名前付きパイプの作成:

mkfifo mypipe

コマンド1の出力をパイプに送信:

command1 > mypipe &

パイプからコマンド2に入力:

command2 < mypipe

パイプの削除:

rm mypipe

コプロセス

コプロセスの作成:

coproc mycoproc { grep "pattern" -f -; }

コプロセスに入力送信:

echo "text with pattern" >&"${mycoproc[1]}"

コプロセスから出力読み取り:

read line <&"${mycoproc[0]}"
echo "$line"

シェルスクリプトのプロファイリング

プロファイリング情報付きでスクリプト実行:

PS4='+ $(date "+%s.%N") $(basename ${BASH_SOURCE}):${LINENO}: ' bash -x ./script.sh

シグナルハンドリングの高度なテクニック

クリーンアップ関数の定義:

cleanup() {
    rm -f "$tempfile"
    echo "Cleanup complete"
}

複数のシグナルをキャプチャ:

trap cleanup EXIT INT TERM HUP

ShellScriptは単なるコマンドの連続ではなく、豊かな表現力を持ったプログラミング言語?(スクリプト)です。本記事がShellScriptの冒険において、頼もしい地図となることを願っています!

何か新しいテクニックを学んだり、スクリプトを効率化したりするたびに、このチートシートに戻ってきてください!

参考文献

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