※今回の内容はYouTube動画でもご紹介しています。
「アシスタント」とは?
「アシスタント」は、JMPの操作を自然言語によって実行できる新しいインターフェースであり、JMPマーケットプレイスで提供されているエクステンション(JMPの機能拡張を可能にするアプリ・アドイン)の1つです。
JMPユーザーが入力する文章を大規模言語モデル(LLM)へ送り、その応答として生成される JMP Scripting Language(JSL)コードを実行し、結果をJMPで提示します。
これにより、JMPユーザーは、メニューから適切なプラットフォームを探しだすのに時間をかけることなく、実行したい操作を文章で書くだけで実現できます。
アシスタントは、分析結果の表示に加え、操作の説明、結果で確認すべきポイント、次に行うべきステップなども併せて提示してくれます。
また、セッションはジャーナル、スクリプトウィンドウ、ノートブック(それぞれの詳細は後述します)に保存でき、定型作業の自動化やワークフロー効率化にも利用できます。
このようにアシスタントは、JMPのデータ分析・可視化・レポート作成といった機能を、データ分析初心者でも容易かつ柔軟に扱えるようにするためのインテリジェントなツールです。
近年の統計ソフトは多機能化が進み、新規ユーザーにとっては操作の習得が難しくなりがちです。たとえば、統計ソフトを使い始めた頃は、自身がやりたい操作に対応するプラットフォームを探し当てるのに苦労することがあります。アシスタントは、こうした課題を解決するため、ユーザー自身の言葉で操作の指示を与えられる環境の提供を目指しています。
「アシスタント」でできること
アシスタントでは、入力欄に質問文を入力するだけで、JMP と自然な対話形式で操作できます(日本語入力に対応しています)。
アシスタントは、入力された文章をLLMに送信し、LLMが内容を解析したうえで、それに対応するJSLコードを生成します。そして、生成されたコードはJMP上で実行され、従来どおりマウス操作で行う分析と同様の結果を得ることができます。
ただし、LLMの信頼性は現時点では十分とは言えないため、正常に実行できないJSLコードを生成したり、場合によってはコード自体を生成しないこともあります。
その点を理解したうえで活用することで、プラットフォームの選択をはじめとするさまざまなJMPでの作業を効率化・簡略化できます。
入力した質問に対する アシスタントの応答は、要点ごとに整理された形で表示されます。
各項目には「返信」(操作説明、結果の注目点、次に実施すべき分析の提案)、「JSLコード」、「結果」(グラフなどの解析アウトプット)がまとめて提示されており、分析内容の理解と深掘りを強力にサポートする構成になっています。
また、分析の途中で疑問点が生じた場合は、「学習ロボット」(Learnbot)タブを開くことで、統計手法の解説、可視化の手順、用語説明などの補足情報をその場で即時に確認でき、理解を伴った形で分析を進めることができます。
さらに、必要に応じて、下記の3つに結果を保存することも可能です。
- 「ジャーナル(データテーブル、レポートなどを含んで記述できるJMPのプレゼン・ノート機能)」
- 「スクリプトウィンドウ(JSLスクリプトを記述・保存できるウィンドウ)」
- 「ノートブック(JMP 19の新機能。JSLやPythonを用いて、JMP上でスクリプトの作成、ドキュメント化、整理、テストを簡単かつ直感的に行える新しいスクリプト用インターフェース)」
「アシスタント」はどのように動くのか?
アシスタントは、JMPユーザーが保有するデータそのものをLLMに送信することはありません。LLMへ送信されるのは、ユーザーが入力したプロンプト(質問文)と、必要に応じてデータテーブル内の変数名のみです。
LLMはこれらの情報を基にJSLコードを生成する役割を担っており、実際のデータ解析処理は、すべてローカル環境のJMP上で実行されます。
たとえば、「回帰分析をやって」と入力すると、変数名を含んだ問い合わせがLLMへ送られ、「モデルのあてはめ」プラットフォームを適切に呼び出すJSLコードが返されます。アシスタントはそのコードを実行し、得られた回帰モデルの結果を表示します。この際、解析結果に加え、どの部分を確認すべきか、次のステップは何かといった分析を進めるうえで役立つガイドも提示されます。
分析に行き詰まったときには、「学習ロボット」を使って統計手法やJMP機能に関する質問を投げかけることもできます。「学習ロボット」はJMPの公式教材や既存コンテンツを参照し、背景知識を補足してくれます。実務の中では、アシスタントで実行しつつ、「学習ロボット」で学びながら進めるという使い方が非常に有効です。
「アシスタント」の注意点
アシスタントは非常に強力ですが、まだ完璧とは言えません。LLMが誤答を生成する可能性(いわゆる「ハルシネーション」)は完全には排除できません。そのため、生成された結果を盲目的に信頼するのではなく、分析結果やJSLコードの妥当性を必ず適切に検証してください。
とはいえ、工数削減、ワークフロー効率化、分析初心者の学習支援という観点では大きな効果が期待できます。結果を慎重に検証することを前提に活用することで、日常のデータ分析作業を大幅に短縮できます。
「アシスタント」のデモ
ここからは実際にJMPでアシスタントを操作してみます。
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JMPマーケットプレイスで「アシスタント」エクステンションをダウンロードして、JMPにインストールします。
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JMPを起動し、「ヘルプ」>「サンプルデータフォルダ」と進んで、「Diabetes.jmp」を開きます。
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「アドイン」>「Assistant」と選択し、アシスタントを起動(初回起動時はPythonパッケージのインストールが行われるため、起動に時間がかかる場合があります。)。

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そこで、「列の選択」に含まれる「Y」を右の「Y、回答」に、「年齢」「性別」「BMI」「血圧」を「X、入力」に入れて、右の質問入力欄に「回帰分析をやって」と入力します。

前述のように、アシスタントは分析結果の表示に加え、操作の説明、結果で確認すべきポイント、次に行うべきステップなども併せて提示するので、それらを参考にしながら、さらに分析を進めることができます。
まとめ
アシスタントはまだ発展途上の機能であり、今後さらに洗練されていくことが期待されますが、JMPユーザーが新しい分析スタイルを取り入れるための有力な選択肢となりうるツールです。
自然言語でJMPを操作するという新しい体験は、日々の分析業務に変化をもたらし、より創造的で試行錯誤しやすいデータ活用を後押しするきっかけになるかもしれません。
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