起
この問題は結構前からあって色々な人がWebで書いているが、自分の所でもやはり同じ問題が発生して、どうしたもんだかと検証して、恐らくこれが解決策であろうというのが出てきたので、ここに記する。
ちなみに原因をすっ飛ばしてさっさと解決したい場合は、解決方法を先に読んでしまってもいい。
原因を考える
まずは原因を考えて行く。
###そもそもなぜ合成フォントを使うのか
そもそもInDesginで合成フォントを使う理由に関しては次のようなものがあるのであろう。
- 既存のフォントだと単一フォントの場合、全角、半角のバランスが悪い
- 文章中にコードなどが出てくる様な書籍でコード部分を半角にしたい
- コード部分の解説で日本語コメント、または日本語解説が必要
- 特殊文字と使う場合、日本語フォントでは表示できない、またはバランスが悪い
というところだろうか。
合成フォントを使う場合、やはり専門書のような全角日本語、半角英語のバランス問題で使用することが多いだろうと感じる。
そのため、合成フォントでそれを補う為、使用するのが多分にあるんじゃないだろうか。
大規模ページで起こる
16ページ程度のものであれば恐らく合成フォントが複数コピーされる事はないだろうと思う。
理由は簡単で、大規模ページの場合、章毎にファイルを作り、ブック機能で管理しているはずだからだ。
このブック機能がクセモノで、こいつを使わないと章をまたいでページ管理ができず、また書き出しに関しても毎回章ごとにPDFを吐いて、Acrobatで繋げなければならなくなる。
なぜ合成ブック機能でフォントがコピーされるか
これはAdobeのサポートデスクでも確認したのでほぼ正しい情報であるが、ブック機能は章ごとに管理されているドキュメント情報を一括管理しており、ノンブルは疎か、文字スタイル、段落スタイル、表スタイル、セルスタイルなどを一括管理している。また、ここがキモになるのだが、その中には合成フォントも管理下に置かれている。
つまり、章をまたいで合成フォントも管理しているのがそもそもこの合成フォントが複製コピーされる問題を引き起こしているわけである。
ブック機能では、合成フォントを一括管理している関係上、章ごとに設定を変えている場合、複製コピーして元の合成フォントの設定を使わないようにしている。ブック機能が管理しているドキュメントが複数ある場合で、その中のドキュメントの複数で合成フォントの設定が違うとバンバン複製コピーされる事になるわけである。
本来は、マスターのドキュメントができたら、設定などはいじらず、ドキュメントを作成していけば、この問題が発生しないわけであるが、現実問題それがなかなか難しい問題でもあるわけで、この問題が時々発生しててんてこ舞いにな訳である。
実際、自分の仕事でもこの問題が全く発生しないこともあるし、バカバカ発生しててんてこ舞いする場合もある。
解決方法
解決方法は次のようなモノがある。
- ドキュメントを分けない
- ブック機能を使わない
- ブック機能で管理する共通設定を切る
ドキュメントを分けずに連結して使うのが一番エラーの起きない方法である。ただし、そのドキュメント自体が壊れたりすると目も当てれないし、複数人で共有する場合に置いては問題が出てくる。
次にブック機能を使わないという選択肢もあるにはある。ただし、ノンブル管理ができなかったり、書き出した後連結しなければならなかったりするので、これも現実的ではない。
やはり最後のブック機能で管理する共有設定を切るというのが現実的であろう。
これであればノンブル管理はできるし、他の共有しなければならないスタイルも維持できる。
では早速その方法を見ていこう。
まず、使用しているブックを開き、メニューから同期オプションを開く。
次に下の方にある合成フォントのチェックボックスを外し、OKボタンを押す。
最後に開いているブックを保存して閉じれば、次回からは合成フォントがブックの管理下から外れることになる。
次回からなので、現状で複製された合成フォントはまだ残っているので、フォント検索で複製された合成フォントを正しいものに置き換え、複製された合成フォントは削除して置こう。
また、新しいブックを作る上で、まずは1つだけドキュメントを登録して同期オプションを切り、一端ブックを保存して閉じれば、煩わしい作業は必要なくなるだろう。
結
ブックの同期オプションは確かに便利な機能であるが、もう少しわかりやすい場所やアラートなどを出して貰った方が良いと思う。特に、複数のドキュメントでスタイルや合成フォントの設定が違う場合、単に複製コピーを作らず、アラートで置き換える等の設定もあれば、もっと使いやすくなるのではないだろうか。
追記 2024年11月
最近わかった事だけど、このブック機能であるが、たまにブックファイルが壊れることがある。
その場合、対策はほぼなくブックファイルを作り直すしかない。
自分もこのエラーにあった。ブックのフォント共有を切っているのに合成フォントが作成されてしまっていた。
もしそういうことがあったら、ブックファイル自体をさっさと作り直すことをお勧めする。