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生成AIの企業活用のパラダイムシフト

Last updated at Posted at 2025-12-11

 2025年11月現在、どうやら日本においても生成AIは幻滅期に入ったと思われます。過度な期待期に重要な行動指針は「ROIを気にし過ぎず、とりあえずやってみる」ですが、幻滅期に重要な行動指針は「ROIを鑑み、冷静に見極めること」と言われています。
 私は4月から、生成AIの企業活用に関してマーケティングを実施しました。手法としてはDesktop調査で仮説を立て、展示会やセミナーやフォーラム等に赴き30社50名弱とディスカッションし、更には、某調査会社のアナリストの方と4回程度のディスカッションをするというものです。
 
 過度な期待期における企業の生成AI活用の試みの多くは、「社員一人ひとりが、生成AIを使いこなすことで、それぞれの業務を効率化させる」というものであり、いわば「従業員個人ドリブンな生成AI活用」と言えるものでした。
 この「従業員個人ドリブンな生成AI活用」で成果が出た業務はあります。がしかし、会社全体で見るとそもそも成果が出せる業務に従事している従業員は一部であり、会社全体でのROIは期待されるものでは無かったと思います。また、生成AIを使いこなす必要があり、これは本来AIに期待されていた「人に伝えるように言葉で伝えれば、真意を理解してやってくれる」という期待からは程遠いものと言えると思います。
 こうして生成AIは幻滅期に入ったわけですが、多くの企業は従業員任せの生成AI活用から、いわば「企業組織ドリブンな生成AI活用」に舵を切っていると思われます。 「企業組織ドリブンな生成AI活用」の場合、専門家チームがROIを意識して業務を選定し、専門家チームが生成AIをその業務に組み込みます。若しくは生成AIが組み込まれたその業務用のプロダクトを購入します。
 この場合、その業務に従事する従業員ユーザーは、特別な生成AIリテラシーが無くとも、生成AIの恩恵を受けることになります。実はこれこそが、人類が生成AIに期待したことなのではないかと思います。

 「企業組織ドリブンな生成AI活用」は始まったばかりですので、まだ正解の姿は見えてませんが、少なくとも生成AI=LLM based Chatbotというイメージでは無いと思いますし、技術者やAIベンダー側に居る人達ではなく、生成AIの恩恵を授かる側に居る人達は、「生成AIを学ばなければ、使いこなさなければ」という焦りも不要だと思います。
 世の中の情報は、圧倒的に生成AIを提供する側の情報が多いです。ユーザー側に居る人達は、これらの情報に惑わされること無く、冷静に生成AIを見極めて頂ければと存じます。

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