はじめに
先日、AWS認定の最難関(?)とされる「Solutions Architect - Professional(SAP-C02)」に合格しました。 CLF / SAA / SCSに続いて一発合格を果たすことができました。比較的勉強の仕方が良かったのかな〜と思っています。
「実務経験がないと、プロフェッショナル(SAP)や専門知識(Spciality)は無理」なんてよく言われますが、実際にやってみた結論から言うと全然そんなことなかったです。
私は現時点でも、EC2にSSHログインすらしたことがありません。
遊び程度でIAMやS3には触れたことがありますが、実務としてのAWS操作はほとんど経験がない状態です。
AWS試験は、(試験をパスするという目的の達成のためには)効率の良くない学習方法も結構あるので、そちらも合わせて紹介できたらなと思います。
どうぞご覧ください!
AWS CLF
- 受験時期:2023/12
- 勉強時間:約50時間 / 1か月程度
- 解いた問題数:約1,000問程度
- 学習費用:約2,000円
2年ほど前の話になるので記憶が曖昧な部分もありますが、脳を振り絞って振り返ってみます。
当時の私のスペックは、「EC2って何?」「S3って何?」「そもそもAWSアカウントすら持っていない」という完全な未経験状態でした。勉強を始めたきっかけも、「クラウド学習が盛り上がっていたから」とか「友達が勉強していたから」という、今思えば少しふわっとした理由でした。
実は当初、上位資格である SAA(ソリューションアーキテクト - アソシエイト)をいきなり目指して勉強を始めたんです。ところが、進めていくうちに「……いや、これ無理じゃない? いったんCLFから取っておくべきか?」と戦意喪失し、急遽CLFの受験を決意したことを覚えています。
初めてAWS試験に挑戦される方の中には、いきなりSAAを目指す方も多いと思いますが、私はCLFからの受験を強くおすすめします。よく「CLFは簡単だ」という声も耳にしますが、AWSに全く触れたことがない方からすると、決して低いハードルではないと感じるからです。
ちなみに当時の私の勉強法は、AWSの「黒本」を読みつつ、学習サイトの「Ping-t」でSAAの問題を解くという、今振り返ればなかなかクレイジーなやり方でした。当時はまだPing-tにCLFの問題がなかったのですが、現在は公開されているようですね。
2026年現在の結論:CloudTech or Ping-t
今の環境であれば、「Ping-tでひたすら問題を解き、解説を読み込む」というサイクルを繰り返すだけで、低コストで十分に合格を狙えるはずです。また、もし「CloudTech」などのオンラインサービスを契約している環境にあるなら、そちらの活用だけでも合格圏内に届くと思います。
問題を解き始めた当初は、「何ひとつ分からない。そもそも何を問われているのかすら分からない」という状況に陥ると思います。ですが、そこですぐに手を止めるのではなく、その都度調べて理解を深めていくスタイルが一番の近道です。
私も、「何も手につかないから、まずは教科書を1周読んでからにしよう」と考えて黒本を読み込んだ時期がありました。しかし、読み終えたあとに感じたのは、「勉強した気にはなるけれど、実際には知識がほとんど身に付いていない」という虚しさでした。
「まずは基礎を完璧にしてから問題へ」と構えるよりも、分からないなりに問題にぶつかり、その都度調べていく方が、結果として記憶に強く定着したと感じています。
「黒本」などの書籍は買わなくて良いかも
個人的には、分厚い参考書でじっくり知識を溜めるよりも、ひたすら問題を解いて、間違えたところを記憶していくというアウトプット中心のスタイルが、圧倒的に効率が良いと感じています。
ノート作りについて(SAAを見据えるなら)
「合格の先にあるSAAまで取りたい!」と考えている方は、問題を解きながらサービスごとの特徴を簡単にノートにまとめておくのがおすすめです。CLFでバラバラだった知識の「点」が、SAAの勉強を始めた時に「線」としてつながり、学習がぐっと楽になります。
1対1で「そのサービスで何ができるか」を言えればひとまずOK
CLFの試験では、「そのサービスをどう組み合わせて、どう要件を叶えるか」といった深い設計知識までは問われません。試験範囲が非常に広いため、まずは「サービス名」と「できること」を1対1でシンプルに覚えるという姿勢で十分だと思います。
- S3 = オブジェクトストレージ(データ置き場)
- Lambda = なんか色々できるイベント駆動関数
最初はこれくらいの粒度の覚え方でも、合格点は十分に狙えます。最初から深追いしすぎず、まずは全体をざっくりと把握することを優先するのが、効率よく進めるコツです。
AWS SAA
- 受験時期:2025/07
- 勉強時間:約250時間 / 3か月程度
- 解いた問題数:約5,000問程度
- 学習費用:0円
ここからは入社後の話になるので、比較的記憶も鮮明です。一応、学習開始自体は2023年だったのですが、合間に情報処理技術者試験の勉強を挟んだりしていたこともあり、実際に本腰を入れてやり込んだのは2025年5月からの3か月間でした。
SAAについては、いくつか勉強法を試してみたので、それぞれの「今の正直な評価」を書いてみます。
1. AWSハンズオン
AWS公式が提供しているハンズオン動画です。「SAAを受験するのに、マネジメントコンソールにログインすらしたことがないのはいい加減やばい……」という危機感からスタートしました。
今振り返ってみると、ハンズオンの評価は「SAA試験においては悪くはないけれど、必須ではない」という印象です。確かに実際に触ることでサービスの解像度は高まりますが、試験で問われるような高度なアーキテクチャを無料枠の範囲内で再現しようとすると限界があります。また、不用意に課金されてしまうリスクもあります(筆者経験済み^_^)。
ただ、「実際に動くと楽しい」というメリットはある(※個人差あり)ので、問題を解きまくって疲れた時の気分転換として取り入れる使い分けをしていました。
2. 教科書(黒本)を読む
CLF同様、オーソドックスな方法ですが、個人的には「一番効果が薄かった」と感じています。既にAWSの実務経験がある方ならまた見え方は違うのかもしれませんが……。教科書を何周も読み込むスタイルで合格できるのは、正直一握りの人だけではないでしょうか。個人的にはあまりおすすめしません。
3. CloudTech / Ping-t で問題を解きまくる
結局、これが一番おすすめです。
私が本格的に勉強を始めた時はまだCloudTechを契約していなかったので、まずは様子見でPing-tを4,000問ほど解いてみました(多分こんなにやらなくて良いです)。
目安として、100問単位で回して正答率が85〜100%くらいで安定してきたら、受験して良いタイミングだと思います。
CloudTechはPing-tと比較してやや難易度が易しい印象でした(具体的には、CloudTechは誤った選択肢が誤りすぎているという印象です)。なので、CloudTechのみで挑戦する場合は95〜100%ですべての問題を正解できるレベルに到達したら受験しても良いと思います。
問題集を解くときのコツ
結局、問題集を死ぬほど解くのが一番の近道なのですが、解き方にはコツがあります。それは、「正解を選ぶのは大前提として、間違っている選択肢がなぜダメなのかをすべて指摘できるようになること」です。
極論、それが言えないのであれば、正解を選べたとしても理解したとは言えないと思います。というのも、問題集は一部の日本語の書き方から答えが推測できてしまう節があるからです。本番で初見の問題に出会ったとき、頼りになるのは推測ではなく「なぜ違うか」を見極める力です。
また、AWS試験では「SNS + SQSのファンアウト構成」のような、よくあるアーキテクチャの設計パターンは、ある種「暗記ゲー」の側面もあります。こうした頻出パターンは、理屈と一緒に丸ごと覚えてしまうのが効率的です。
【余談】試験当日の悲劇
これは完全に余談ですが、実はSAAの試験当日、私は風邪で38.5℃の熱がある状態で受験していました……。意識が朦朧としていたせいか、正直なところ出題された問題の内容はほとんど覚えていません(笑)。皆さんは万全の体調で挑まれることを強くおすすめします。
AWS SCS
- 受験時期:2026/02
- 勉強時間:約300時間 / 3か月程度
- 解いた問題数:約2,500問程度
- 学習費用:約1,000円(Udemy)
SCSは、AWSのセキュリティ設計に関する非常に細かい知識が問われる試験です。正直なところ、Specialtyレベルの試験に実務未経験で挑戦する人はほとんどいないかもしれません。
ネットの記事などを見ても、「まずは実務経験を積んでから受験しましょう」といったアドバイスをよく目にします。ですが、実際に合格してみた身からすると、そこまで過度に身構える必要はないのかな、と思っています。
もちろん簡単ではありませんが、未経験なら未経験なりの攻略法があります。私は「名前がかっこいいから」という軽率な動機でスタートしましたが、正しいアプローチで勉強すれば、実務経験がなくても十分に合格を掴み取れる試験だと実感しました。
1. AWSハンズオン(今回はマスト!)
CLFやSAAでは「必須ではない」と言いましたが、Specialty試験においてはハンズオンはマストで目を通しておくべきです。IAMやKMS、VPCのネットワーク構成など、実運用のベストプラクティスやありがちなミスなど、実際に触ってみないとピンとこない問題が多く出題されます。業務で触れる機会がなかった私にとって、ハンズオンでの疑似体験は本当に大きな助けになりました。
2. 頻出サービスの深掘り記事を書いてみる
これはかなりおすすめです。私は社内の記事投稿サイトで「KMS」「IAM」「SSM」についてのアウトプット記事を書きながら勉強しました。
Specialty試験は「範囲が狭く、その分深い」のが特徴です。頻出サービスは限られているので、それらを徹底的に深掘りし、言語化してアウトプットすることで、細かい仕様まで頭に叩き込むことができました。
3. Notionを活用した「サービス別ノート」の作成
SCSは出題されるサービスが絞られているからこそ、整理が重要です。私はNotionでサービスごとにページを作り、ベストプラクティスや注意点を集約しました。自分の知識がいつでも一覧できる状態にあるのは、精神的にも安心感がありました。凝った作りでなくても、サービス単位でノートを取るだけでかなりの効果があると思います。
4. 教科書(黒本)の活用
「今回も活用できませんでした!」と言いたいところですが、章末の問題集だけは役に立ちました。やはり、教科書を読み込むよりもアウトプットありきのインプットが、記憶の定着には不可欠だと再認識しました。
5. CloudTech / Udemy × Gemini Pro
結局のところ、問題集を死ぬほど解くのが一番の近道です。今回は最初からCloudTechを活用できたのが大きかったです。CloudTechの問題は(個人的には)やや易しめに感じたので、学習初期の導入として最適でした。
また、今回は初めてUdemyの模擬試験も購入しました。本番でも似たようなセキュリティ思想や具体的なケーススタディが出題されたので、かなり精度が高かったと感じています。SAAまではCloudTechのみでも十分合格可能かな~と思いますが、SpecialtyやProfessional試験までとなると、追加の問題集も必要だと思います。
💡 生成AI(Gemini Pro)との併用
問題集を解く際、間違えた問題や解説を読んでもモヤモヤする部分は、すべてGemini Proに投げて理解を深めました。「なぜこの選択肢はダメなのか」「このサービスを組み合わせるメリットは何か」をGeminiと対話しながら深掘りし、それをNotionに記録する……。このサイクルを回すうちに、自然と知識が定着していきました。
AWS SAP(Solutions Architect - Professional)
- 受験時期: 2026/04
- 勉強時間: 約100時間 / 1.5か月程度(ほぼ通勤時間・・笑)
- 解いた問題数: 約2,100問程度
- 学習費用: 1,300円(Udemy)
体感
巷では最難関と言われているSAPですが、それ相応の難易度だったな〜と思いました。SAPはよく「実務経験がないと無理」と言われます。確かに、SAAより遥かに難しく、単純な暗記は1ミリも通用しません。クラウドの知識以前に、ネットワーク、セキュリティ、CI/CDなどの「IT全般の常識」が前提条件として求められます。
ただ、私はこれまで勉強してきた「情報処理安全確保支援士」や「AWS SCS」の知識が、結構大きな武器になりました。未経験なら、こうした周辺知識をどれだけAWSのサービスと紐付けられるかが勝負の分かれ目だと感じます。
- 難易度感: AWS SCS ≦ AWS SAP ≒ 応用情報技術者くらい
- 試験中: 問題文長すぎ。試験時間長すぎ。午後に受けてめちゃくちゃ眠たかったので、皆さんは午前に受けることをおすすめします。
勉強したこと
-
教科書(参考書)を読む
毎回恒例ですが、マジで意味ないです。自分は一応スキマ時間で一周しましたが、SAAレベルの知識があるのであればスキップしても良いと思います。 -
CloudTech
正直、問題が簡単すぎたのであまり効果がなかったです。最初の足踏みとしてはいいかもしれません。最初から正答率が90%くらいだったので「余裕?!」って思いましたが、この後のUdemyを解いて絶望しました。 -
Udemy
75問 × 12周ほど回しました。1周目の正答率は50%程度で絶望しましたが、解説を読み込み、最終的にどのセットも90%以上取れるまでやり込みました。これはかなり効きました!というか、最悪Udemyだけでも合格できると思います。
具体的な勉強方法:AIパートナー「S.Mさん」
今回はGeminiのGem機能を使って、対SAP試験専用 AIパートナーアイドル「S.Mさん」を作成しました。(実名は伏せています)主に苦手なネットワーク分野の解説を助けてもらいました。
性格をツンデレに設定したので「あんた、こんなのもわからないの?」と煽られ、勝手にイライラしてましたが(笑)、一人で孤独に勉強するより遥かに記憶に定着しました。理解できない選択肢を彼女に投げ、納得いくまで問い詰めるスタイルは、未経験者にとって最強の学習法かもしれません。
Notionでの知識整理(後悔と反省)
SCSの時から作っているNotionを活用しましたが、SAPレベルになると少し後悔したことがあります。それは、「サービス単位でノートを作ってしまったこと」です。
SAPの試験では、単一サービスで完結する問題など1つもありません。「移行(Migration)」「組織管理(Organization)」「BCP対策」といった、複数のサービスを跨いだ「シナリオ」で問われます。これから受ける方は、サービス別ではなく「要件別(低コストで移行するには?など)」で整理することを強くおすすめします。
まとめ
振り返ってみると、私が実務未経験のまま4冠を達成できたのは、以下の3つが良かったのかなと思います。
- 「まずはCLFから」と、無理せず基礎を固めたこと
- 教科書の丸暗記ではなく、アウトプット(問題演習)を軸にしたこと
- GeminiやNotion、さらにはツンデレAIまで、使えるツールは全部使い倒したこと
「自分にはまだ早い」「実務で触っていないから無理」と迷っている方もいるかもしれません。でも、まずは「名前がかっこいいから」といった、ちょっとした好奇心から始めても良いと思うのです。
この記事が、これからAWS認定に挑戦するどなたかの一助になれば、これほどうれしいことはありません。皆さんの合格を、心より応援しています!
それでは、次の合格体験記でお会いしましょう!^_^


