前書き
現在、サンフランシスコで開催されているDATA CLOUD SUMMIT 24に現地参加しています。DATA CLOUD SUMMITは、Snowflake社が年次で開催する最大規模のカンファレンスです。
今年のテーマは「BUILD THE FUTURE TOGETHER WITH AI AND APPS.」で、6月3日から6月6日までの4日間にわたって開催されており、400セッション以上、180以上のパートナー企業が参加しています。
本記事ではDay1に行われたOPENING KEYNOTEの内容をお届けします。今回のKETNOTEではSnowflakeに関する新機能の発表はなく、当日突然発表されていたPOLARIS CATALOGについて少し述べられたのみでした。しかし、Snowflakeの考えるサービス像や、NVIDIA CEOがSnowflakeに賭ける期待、実際にSnowflake利用企業のCDOがどのような考えを持っているかについて聴けるとても面白い講演でした。
Snowflakeの新機能やPOLARIS CATALOGの詳細については明日以降のKEYNOTEに期待したいと思います。
Sridhar Ramaswamy氏(Snowflake CEO)の講演
オープニングでは、今年の2/28にSnowflakeのCEOに着任したSridhar Ramaswamy氏から、AIがあらゆる組織に及ぼした影響と、SnowflakeがEnterprise AIの加速にどのように役立っているかについて以下のように語られました。
- Snowflakeの利用企業数が日々増加してきており、毎日50億件のクエリを処理している。これはGoogleの毎日の検索数と同じであり、それだけSnowflakeがデータ分析ウェアハウスとして成長してきていることを実感している。
- データ分析機能を個々に提供し、それらを組み合わせた環境の構築を顧客に任せるのは簡単なこと。ただし、Snowflakeはそんなことを行わず、全ての機能を組み合わせて利用できる状態でサービスを提供することを理念にサービス追加を行っている。
- 本日、新機能としてPOLARIS CATALOGを発表しました。この機能はAWS、GCP、Azureで動作し、90日以内にOSS化して提供する予定である。
- Snowflakeには、素晴らしいAIプラットフォームエンジニアが存在し、コストについても考慮し、AI機能を構築している。実際、Snowflakeを利用している多くのCEOから、Snowflakeが最高のROIを得られる、コストを最も下げられるという評価を得ている。この結果、彼らは、浮いた費用を用いて別の投資を行い、新たな収入源を手に入れることができている。
Jensen Huang氏(NVIDIA CEO)との対談
前述のSridhar Ramaswamy氏と、NVIDIA創設者兼CEOであるJensen Huang氏から、新しいAI時代の未来について以下のように語られました。ちなみに、Jensen Huang氏は、現在AIインフラのビルドに多忙とのことで台湾からリモート参加されるとのこと。
- 機械学習を行う際、インフラ設計を行いコスト削減するのが最も大事である。一般的にAIを用いて分析する際には、ストレージから機械学習環境に分析データを移行して、学習を行う必要があった。しかし、Snowflakeには既に企業データが蓄積されており、Snowflakeセキュリティに閉じた環境で学習を行える環境ができている。最も大きな問題であった移行とセキュリティが解決されるのがSnowflakeの最も良い点である。
- AI利用の主なユースケースとして、カスタマーサービスが最たるものである。どの企業/業界であってもカスタマー(内部:自社社員/外部:一般消費者)は存在する。企業には彼らの莫大なデータが入ってくるため、このデータをAI利用することで、既存のカスタマーサービスを大幅に改善できる。
- 世界はAIによりこれまでとは異なる速度で、一年に二倍、いや、半年で二倍の速度で成長している。私達の働き方は急速に変化してきており、NVIDIAであれば、今まで時間が無く研究できなかった領域ををAIに考えさせることが出来るようになった。他にも、自動車製造、医療、バイオテクノロジーの領域では生成AI無くては出来なかった業務が実現している。各企業がAI技術を利用するうえで、Snowflakeは最適な手段の一つであると考えており、今後のも期待している。
Denise Persson氏(Snowflake CMO)の講演
今回は、SnowflakeのCMOであるDenise Persson氏司会の下、JP Morgan Chase、NYC Health+ Hospitals、Ericsson、Booking.comのCDOが出席し、CDOの役割/データ戦略と会社のミッションの関連付け/AI業務の優先度/今後期待する機能 について語られました。
本記事では、私が特に気になった箇所について記載させていただきます。自社以外の関連企業でデータを共有する仕組みを作ることでデータの価値を最大化する、というNYC Health+ Hospitalsの考えに強く感銘を受けました。
NYC Health+ Hospitals
- NYC Health+ Hospitalsはアメリカで最大規模の公立医療機関の一つであるため、人種や貧富に関わらず全ての人に最大の医療サービスを届けるべく、データのケイパビリティに注力し、様々な機関からデータを活用できるようにした。具体的にはニューヨークでは大量のホームレスを助けるべくホームレスサービス省が立ち上げられた際、医療機関がホームレスの健康データを利用できることはもちろん、彼らの健康回復後に、住宅サービス機関であったり就職機関が彼らのデータを利用できるように環境を整えた。それが価値を届けることとなり、医療機関を改善することに繋がった。
終わりに
DATA CLOUD SUMMIT 24は、NTT DATAもSnowflakeのパートナーとして出展しております。ブース番号1201ですので、現地に参加される方は是非見に来てください。
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【tsuzumi on Snowflake】サミットにおけるNTTデータのセッション登壇レポート
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NTTデータとTableauについて
ビジュアル分析プラットフォームのTableauと2014年にパートナー契約を締結し、自社の経営ダッシュボード基盤への採用や独自のコンピテンシーセンターの設置などの取り組みを進めてきました。さらに2019年度にはSalesforceとワンストップでのサービスを提供開始するなど、積極的にビジネスを展開しています。
これまでPartner of the Year, Japanを4年連続で受賞しており、2021年にはアジア太平洋地域で最もビジネスに貢献したパートナーとして表彰されました。
また、2020年度からは、Tableauを活用したデータ活用促進のコンサルティングや導入サービスの他、AI活用やデータマネジメント整備など、お客さまの企業全体のデータ活用民主化を成功させるためのノウハウ・方法論を体系化した「デジタルサクセス」プログラムを提供開始しています。
https://enterprise-aiiot.nttdata.com/service/tableau
NTTデータとAlteryxについて
Alteryx導入の豊富な実績を持つNTTデータは、最高位にあたるAlteryx Premiumパートナーとしてお客さまをご支援します。
導入時のプロフェッショナル支援など独自メニューを整備し、特定の業種によらない多くのお客さまに、Alteryxを活用したサービスの強化・拡充を提供します。
NTTデータとDataRobotについて
NTTデータはDataRobot社と戦略的資本業務提携を行い、経験豊富なデータサイエンティストがAI・データ活用を起点にお客様のビジネスにおける価値創出をご支援します。
NTTデータとInformaticaについて
データ連携や処理方式を専門領域として10年以上取り組んできたプロ集団であるNTTデータは、データマネジメント領域でグローバルでの高い評価を得ているInformatica社とパートナーシップを結び、サービス強化を推進しています。
https://enterprise-aiiot.nttdata.com/service/informatica
NTTデータとSnowflakeについて
NTTデータではこれまでも、独自ノウハウに基づき、ビッグデータ・AIなど領域に係る市場競争力のあるさまざまなソリューションパートナーとともにエコシステムを形成し、お客さまのビジネス変革を導いてきました。
Snowflakeは、これら先端テクノロジーとのエコシステムの形成に強みがあり、NTTデータはこれらを組み合わせることでお客さまに最適なインテグレーションをご提供いたします。