ChatGPTにER図を描かせてみる
今回は、ChatGPTを使ってデータベースのER図を描いてもらう方法について紹介したいと思います。
そのままChatGPTにDDLを貼って「ER図を描いて!」っておねがいしても頑張って作ってくれますが・・・
うーん、テキストベースの図って何かイケてない感じしますよね。
でも、ChatGPTに頼んで実際のデータベースから綺麗なER図を描いてもらえたら、めちゃくちゃ面白いですよね。しかもStreamlitを使って簡単にWebアプリ化できればすごくお手軽。
本記事では、ChatGPTを使って、SnowflakeスキーマのER図を描かせてみました。
こんな感じです。
使用ツール
ChatGPT
自然言語処理のタスクを実行することができ、文章生成や翻訳、文章の要約などの様々なアプリケーションに利用されます。本記事ではDDLからER図を作成するために使います。
Snowflake
クラウドベースのデータウェアハウスであり、大量のデータを高速かつスケーラブルに処理できます。30日間の無料トライアルもあります。本記事ではデータベースとして使います。
Snowpark for Python
Pythonを使ってSnowflakeに対してクエリを実行できます。また、SnowflakeはAnaconda社と提携しているため、Snowflakeがミラーリングして提供しているAnacondaパッケージを無料で利用できます。本記事ではStreamlitからSnowflakeに接続するために使います。
Streamlit
Pythonの知識があれば、誰でも簡単に機械学習やデータ分析などのアプリケーションをウェブアプリケーション化することができます。本記事ではWEBアプリとして使います。
Mermaid
ウェブベースの図表作成ライブラリであり、ER図やフローチャート、シーケンス図などを簡単に描くことができます。本記事ではER図を描画するために使います。
作成手順
コードはモックとしてかなり簡単な書き方で書いています。
1.ライブラリのインポートとコンフィグ設定
openai, streamlit, snowparkなど諸々のライブラリは既にインストールしてあるとします。
ライブラリのインポートと同時に、ChatGPT APIを利用するために必要なOrg_KeyやAPI_Keyを設定します。
import re
import openai
import streamlit as st
import streamlit.components.v1 as components
from snowflake.snowpark.session import Session, col
openai.organization = ""
openai.api_key = ""
2.アプリの処理
ここからは、アプリの処理部分を作成してきます。処理フローは以下のようになっています。
2.1.Snowflakeセッション作成処理
ここに記載した接続情報を使ってSnowflakeに接続を行います。
def create_session_object():
connection_parameters = {
"account": "",
"user": "",
"password":"",
"role": "",
"warehouse": "",
"database": "",
"schema": ""
}
session = Session.builder.configs(connection_parameters).create()
return session
2.2.データベース一覧の取得処理
Snowflakeに接続し、データベース一覧を取得します。
def load_database():
session = create_session_object()
dbdata = session.sql("show databases").collect()
session.close()
list = []
for raw in dbdata:
list.append(raw[1])
return list
2.3.スキーマ一覧の取得処理
Snowflakeに接続し、指定したデータベースにあるスキーマ一覧を取得します。
def load_schema(database):
session = create_session_object()
schmdata = session.table(database + ".INFORMATION_SCHEMA.SCHEMATA")
schmdata = schmdata.select(col("schema_name")).filter(col("schema_name") != "INFORMATION_SCHEMA").collect()
session.close()
list = []
for raw in schmdata:
list.append(raw[0])
return list
2.4.DDL取得処理
Snowflakeに接続し、指定したスキーマ上のDDLを取得します。
def load_ddl(database, schema):
session = create_session_object()
ddllist = session.sql("select get_ddl('schema','"+database+"."+schema+"');").collect()
session.close()
list = []
for raw in ddllist:
list.append(raw[0])
return str(list)
2.5.ER図に変換
ChatGPTにお願いして、取得したDDLからER図を作成してもらいます。
def generate_chat(content):
msg = [
{"role": "system",
"content": "あなたはAIアシスタントです。"},
{"role": "user",
"content": content + "\n上記のDDLからMermaid記法でER図を作成してください。ただし、作成にあたって以下の条件に従ってください。Mermaid10.1.0で動作する。Mermaid記法のコードのみ回答する。EntitiyとRelationshipのどちらも記載する。Relationshipではラベルを付ける。"}
]
res_chatgpt = openai.ChatCompletion.create(
model="gpt-3.5-turbo",
messages=msg,
temperature=0.1
)
chat = res_chatgpt["choices"][0]["message"]["content"]
return chat
2.6.変換結果の後処理
ChatGPTに作ってもらったMermaidコードのSYNTAX ERRORを回避するためのおまじないです。
def post_process(chat):
chat = chat.replace("mermaid", "")
chat = chat.replace("located in", "located_in")
chat = chat.replace("belongs to", "belongs_to")
chat = chat.replace("supplied by", "supplied_by")
chat = chat.replace("lives in", "lives_in")
chat = chat.replace("made by", "made_by")
chat = chat.replace("consists of", "consists_of")
chat = chat.replace("--|>", "||--||")
chat = chat.replace(",", "_")
chat = chat.replace("unique", "")
chat = chat.replace("UQ", "")
chat = chat.replace("PK FK", "FK")
return chat
2.7.上記のラップ処理
2.4~2.6を纏めたラップ処理。
def generate_response(database, schema):
data = load_ddl(database, schema)
res = generate_chat(data)
chat = post_process(res)
return chat
3.アプリのUI
ここからは、Streamlitを利用したUI部分を作成していきます。
3.1.タイトル
タイトルはChatGPTに適当に作ってもらいました。
st.title('AIER')
st.write('Artificial Intelligence Entity-Relationship diagram')
3.2.サイドバー
ER図を作成するために使うデータベース名とスキーマ名を指定する箇所です。
ページを開いた瞬間に、データベース一覧を読み込んでおく処理も書いておきます。
dblist = load_database()
with st.form("input1", clear_on_submit=False):
db_name = st.sidebar.selectbox("Select Database", dblist)
if db_name:
schmlist = load_schema(db_name)
with st.form("input2", clear_on_submit=False):
schema_name = st.sidebar.selectbox("Select Schema", schmlist)
3.3.メイン画面
Mermaid形式のコードをStreamlit上に描画します。
MermaidはJavascriptで動いているので、Streamlitのcomponentsを使ってHTMLで読み込ませています。
if submitted:
result = generate_response(db_name, schema_name)
code = f"<pre class=\"mermaid\">{result}</pre><script type=\"module\">import mermaid from 'https://cdn.jsdelivr.net/npm/mermaid@10/dist/mermaid.esm.min.mjs';mermaid.initialize({{ startOnLoad: true }});</script>"
code = code.replace("```","")
components.html(code, height=1500)
実際に動かしてみた
事前準備
Snowflake上に適当なテーブルを用意しておきます。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(50),
email VARCHAR(100) UNIQUE,
phone VARCHAR(20),
address VARCHAR(200)
);
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY,
customer_id INT,
order_date DATE,
status VARCHAR(20),
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
CREATE TABLE categories (
category_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(50),
description TEXT
);
CREATE TABLE products (
product_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(50),
description TEXT,
price DECIMAL(10,2),
category_id INT,
FOREIGN KEY (category_id) REFERENCES categories(category_id)
);
CREATE TABLE order_details (
order_id INT,
product_id INT,
quantity INT,
price DECIMAL(10,2),
PRIMARY KEY (order_id, product_id),
FOREIGN KEY (order_id) REFERENCES orders(order_id),
FOREIGN KEY (product_id) REFERENCES products(product_id)
);
実行
結果はこんな感じです。
まだプロンプトの精度が悪いので完璧とは言えませんが、概形は結構正しく描けていますね。
まとめ
今回は、Streamlit, ChatGPT, Snowpark for Python, Mermaidと様々なツールを使ってアプリを作ってみました。これくらいのものが1日足らずで作れちゃうのは面白い時代になってきましたね。
参照元
OpenAI API Reference
Getting Started With Snowpark for Python and Streamlit
St.markdown does not render mermaid graphs
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