はじめに
はじめまして。まだまだ経験浅なエンジニアです。
この度、在職をしながらのキャリア転職を経験しました。
せっかくなので誰かの役に立てれば嬉しいな、と思い立って全体のスケジュール感の振り返り、所感などをお伝えさせていただければと思います!
対象読者
・微経験エンジニアで転職を考えている方
・転職エージェントでの転職活動を考えている方
・在職しながらの転職活動を考えている方
そんな方のひとつの参考になりましたら嬉しいです。
経歴
- 30代前半 女
- 約2年前にエンジニアへ未経験転職
→下請け受託開発 - 前職は顧客折衝関係
→営業では無いですが、顧客と密接なコミュニケーションが多かったです
今回の転職理由
長期的に働ける会社に入りたい
割と小さい会社で給与や福利厚生面など、「このままずっとは居られないな」と思っていました。
少し自宅から遠く、リモートもほぼ無かったため、もし今後産育休とるぞ〜ってなったとしても働き続けるのは難しいなと。
下請けからの脱却
元々顧客折衝がメインの仕事をしていたので、ビジネスモデル的に下請けの立場だとほぼ上流に携われないこと、そもそも会社の立場が弱かったりで中々自分までチャンスが回ってこないことなどを改善したかったです。
上記を踏まえて、
リモートやフレックス有・産育休制度が機能している(女性の働きやすさに取り組みがある)・上流工程に携われる(1次請けや自社開発)」
といった理想を掲げて、長期的に働きやすい環境を目指して転職活動をスタートしました。
全体のスケジュール感
在職しながらの転職活動、ざっくり分けるとこのようなスケジュールでした。
- 1~2週目:転職エージェントに登録・初回面談
- 3~4週目:書類選考スタート、日程調整
- 5~6週目:面接
- 7週目:入社先確定
ここから上記の週ごとに詳細を振り返っていきたいと思います。
1~2週目:転職エージェントに登録・初回面談
このタイミングで2社登録しました。A社とB社とします。
A社は1年程前に一度情報収集の段階で登録した際、担当者と相性が合わなかった事があり、あまり期待していなかったので比較検討を含めてB社にも登録しました。
エージェント面談
まずは「こういう状況だけど、転職した方が良いか。転職のスケジュールは?」などをそれぞれのエージェントさんに相談。
どちらも、「産育休をとってからだと他の候補者と比較検討になった場合、不利になるから先に転職した方が良い。」 という意見。
確かに、それ以外のスキル等々が同じで他者比較されたら結果は明らか。「時短でもいいから働いて欲しい〜!」というベテラン経歴ならまだしも、経験も浅いし。
各々のスケジュールイメージは下記の通りで伝えられました。
- A社 15〜20社くらい送って7~8面接、3社内定で3、4ヶ月後くらい入社
- B社 15社くらい送って3~4社面接、1社内定で4ヶ月後くらい入社
A社の方が少しボリューム感というか、スピード感あるな、という印象。これは実際にその後選考を受けていく中でも感じました。
メインで活動していくエージェントを決める
2社を同じ比重で利用するのは難しいな、と思ったのでA社のエージェントさんに重きを置いて活動することを確定。
理由としては、
最初の面談での聞き取りで「そういう希望だったらこういう業務形態の会社でも叶えられると思いますがどうですか」といった提案などが押し付けがましくなく、かつ的確だったところ。
そして 「年収は上がります」 と言い切ってくださったこと。信頼感すごいです。(そしてちゃんとしっかり上がりました)
B社には正直に「別のエージェントさん経由でこれくらい受けてます」とお伝えし、数社だけ応募することにしました。
3〜4週目:書類選考スタート、日程調整
大体60社ほどを紹介され、(ほぼ脳死で)応募する・しないを選定。この時点ではあまりじっくり会社概要を見ていませんでした。
正確には最初の方はきっちり見ていましたが段々疲れてきて、最後の方は条件面で「ここは絶対無理(残業が30H以下で記載があるなど)」を見て選定しました。
でもそう言う意味では「絶対ここは譲らねえ」なポイント洗い出しにはなったかなと思います。
選定後に再度エージェントさんと面談。「では書類選考に進みましょう」ということで、翌日には結果が出始める。早い!
結果は以下の通りです。
書類応募:約40社(B社で応募も含む)
書類通過:10社
正直全然期待していなかったので、多めに出したら予想より通過した数が多い…!という印象でした。慌てて面接日程を調整し、いよいよ始まったな、という緊張感が出てきました。
落ちたところはほぼスキル不足の理由が多かったです。あとは他者比較。まあこの辺りは年齢もあるので仕方ないですね。
エージェント経由の応募だと、お見送り理由もちゃんと伝えてくれるので「何がダメだったんだ」とやきもきしなくてすみます。
見た瞬間は少し凹みますけど……
4~6週目:面接
調整をしつつ、徐々に1次面接の日程が決まります。
意外と夜(18:30〜や19:00〜とか)に面接してくれる企業様が多かったです。1次面接はすべてweb面接でした。
平日日中しか候補をいただけなかった企業様は「この日でまとめてくれ」と伝えてエージェントさんの方で調整してもらい、複数社を1日でまとめて1日有給とって、という形をとりました。
この辺りもエージェントさんがいないと調整するのが大変だったと思います。
最終的に転職活動で休んだのは合計3日間でした。連続で休むことはなく、半休を使ったり、週に1回休むのが続いた感じ。
面接対策
エージェントサービスでの対策
一番最初の面接前に、面接する企業様の(エージェント会社の)営業担当さんから電話をいただき、面接対策をしていただきました。
電話の内容としては以下の通りです。
- 受ける企業様の企業概要、ポジションについての説明
- 面接対策
→事前に送付した「自己紹介」や「志望動機」、「退職理由」「自己PR」などに対するフィードバック - 書類通過の理由や企業コメント
→こういう部分が良かった、逆にこの部分が懸念などで詳しく聞きたい等
この電話で話した内容は受ける企業様の面接に限らず、転職活動を通してすごく役に立ちました。大変感謝。
恐らく面接初回のタイミングはしっかり行なってくださるのでしょうか。ただ、以降も希望すれば面接対策や企業の情報案内は行なってくださいました。
自己対策
自分の対策としては、Notionに企業ごとのページを作って以下の項目を整理しました。
- 業務概要
→会社のホームページから確認したり、求人票の気になる部分、社長のメッセージ等でいいなと思ったものを抜粋して貼り付け - 志望動機
→上記の業務概要を踏まえて作成。 - 逆質問
→ここも業務概要から確認したい項目を作成。大体3つくらい。基本的には実際にどんな業務に関わっていけるか、といった点を確認することが多かったです。
面接を通して共通する「自己紹介」・「今回の転職理由」などは別で1つのページにまとめていました。
1次面接に挑む
結果は以下の通りです。
1次面接実施:9社
1次面接通過:5社
概ね半分くらいの戦歴ですね。落ちた企業様はPGテストで大コケしたり、「そこまで希望は強くないけど福利厚生が手厚いし話を聞いてみるか」と言う気持ち半分で受けたSESであんまり話合わず、等がありました。あとはスキル不足。
大分絞れてきていましたので、エージェントさんと優先順位を検討しながら諸々調整していきました。
微経験という事もあってか、受けている企業様の選考はPGテストよりかは性格診断や通常の適性検査(国語・数学など)の方が多かった印象です。
あと、1社面接は通過したのですが最終の手前の適性検査で落ちました。無念。
最終面接に挑む
結果は以下の通りです。
最終面接実施:4社
内定:3社
有難いことに1社以外内定をいただきました。お見送りになった企業様はこちらの希望していた年収が出せないとのこと。難しいところです。
ほぼ同じタイミングで受けていたので、比較検討して内定承諾まで行う事が出来ました。
内定が出た企業様それぞれオファー面談をしていただき、PDFで私専用のオファー資料を作って送ってくださる企業様もありました。売り手市場、凄いですね。
7週目:入社先確定
最終的に2社でめちゃくちゃ悩みましたが、オファー面談でしっかり聞き取りを行い、最終決定を行いました。
この辺りの判断基準等は後述します。
他の企業様への内定辞退もエージェントさんがやってくれるので気持ち的に楽でした。もう会うことがほぼ無いとは言えど、何度もお話した企業の方にお断りを入れるのは少し心苦しかったので…
結果的に、最初に掲げていた理想を叶えられる企業へ入社することができました!
転職活動を終えての所感
それぞれ以下のポイントで振り返ってみたいと思います。
- 微経験にエンジニア転職について
- エージェントでの転職活動について
- 在職しながらの転職活動について
微経験エンジニア転職について
正直、未経験よりめちゃくちゃ選択の幅が広がる
30代微経験でも「エンジニアとしてやっていける人物である」という担保は強いんだな、と思いました。
勿論スキルはまだまだの部分があるので、経験のない言語等に業務でどうキャッチアップしていったか・現在のスキル的に何が足りてないからどういう自己研鑽をしているか、等をアピールしていく必要はありますが、数年でもIT業界で働いている経歴があれば選べる求人の数が未経験と雲泥の差があるなと思いました。
また、実は既に2度転職しているのですが、「何故辞めたか・どういう理由で次の仕事を選んだか」という部分を伝えたらそこで落とされる事はありませんでした。
書類選考を通過しているという時点でちゃんとした退職理由が分かれば(=また再発するような理由でなければ)良いという事かと捉えられるので、準備さえきっちり出来ていれば問題ないかと思います。
むしろ前職で顧客折衝をしていた部分も含めて評価いただけた印象で、最終面接まで進んだ企業様からは「技術面はまだ浅いがしっかりキャッチアップして貰えそう」「コミュニケーション能力が高い」等の評価をいただけました。
エージェントでの転職活動について
連絡はマメにする必要があるけど、企業に気を遣わない分楽
転職活動を通しての連絡頻度は以下の通りでした。
- web面談は2回(初回、書類選考前)
- 電話は10回以上(営業さんからの電話も合わせるともう少し多い)
- ラインは選考中ほぼ毎日
向こうから急に電話がくる、などはあまり無かったですが、選考スケジュール等の調整や面接後の入社志望度お伺いなど、連絡は頻繁に取る必要があります。
ラインの登録は最初少し抵抗感がありましたが、慣れるとやっぱり楽でした。
面接以外で企業様へこちらからアクションをとる必要は一切無いですし、「この企業のこういうところが気になる・不安」なども伝えれば随時企業様に確認してもらったり担当営業さんからフォローの電話をもらったり、至れり尽くせりです。
「エージェント経由だと採用難易度が上がる」というイメージもありましたが、微経験レベルでも内定いただけましたので、使う価値はあると思います。
あと、今回メインで利用させてエージェントさんはとても頼りになりましたが、同じ会社でも前回は中々相性が合わなかったので、やっぱり相性は大事だなと思いました。
今回改めて登録と面談を行なった際、最初は前任の方が担当になりそうだったので、メールで「申し訳ないけど前回相性があまり合わなかったので担当を変えて欲しい」とお願いしたら変えてもらえました。本当に無理そうならそこの打診はオッケーだと思います。こちらが顧客ですしね。
在職しながらの転職活動について
想像してたより休まなくてよかったけど、しんどいものはしんどい
エージェントさんに日程調整をしていただけたので、合計10回以上面接を行いましたが、休んだ日は計3日で済みました。
今は在職中の転職活動は普通ですし、企業側もその辺り柔軟に夜19時開始など対応してくれるところが多かったです。
ただその分、仕事終わりにコワーキングスペースのテレワークブースに走ったり(リモートほぼ皆無の会社だったので…)、1日に4社web面接をしたりと普段の業務にプラスされる心労は凄まじかったです。1次面接が終わったと思ったら、最終面接の日程調整をして、受ける企業の志望動機を考えて…と、高負荷状態はおよそ2~3週間ほどでした。
在職中の転職活動、「転職」することはリスクがあっても「転職活動を行う」こと自体はノーリスク なので「やっぱ今の会社でいいや」となれば活動を打ち切ることもできますし、自分の市場価値を確認するという意味でも有効な手段ではないかなと思います。
面接対策でやったこと
今回の転職活動でやってよかったなと思う点を挙げておきます。ご参考になれば。
web面接の自分の音声をGoogleGeminiで文字起こしする
イヤホン+PCでweb面接を受けていたので、自分の音声をiPadや携帯のボイスメモで録音しておき、そのm4aファイルをGoogle AI Studioで文字起こししました。
プロンプトはこんな感じ。
この音声ファイルは面接を受けている側の音声です。内容を一切省略せず、相槌を消して口語体から文章体にしてください。
以下のサイト様を参考にさせていただきました。
大体1時間ほどのファイルを5分程度で出力できました。
無料で使えますし、聞くに耐えない自分の声を確認する必要もない。
面接中の逆質問なども、自分の質問を見れば大体どんな内容か思い出しやすいので出力文章に補記できます。
あとは文章を予め作成していた各企業毎の面接対策Notionページに貼り付ければ、次回面接の準備時に見直しが手軽です。
参考にした本
入社先を決定する際、こちらの本を参考にさせていただきました。
科学的な適職 | 書籍 | 株式会社クロスメディア・パブリッシング
本自体も大変面白いのでぜひ読んでいただきたいのですが、今回特に参考にさせていただいたのは「マトリックス分析」という分析方法です。
複数の会社に対して、ワークライフバランスや仕事のコントロール権やタスクの明確さなど、項目毎の基準に沿って数値を決めていきます。
項目 | 重み | A社 | B社 |
---|---|---|---|
WLB | 3 | 5 | 4 |
通勤時間 | 3 | 4 | 4 |
明確 | 2 | 3 | 4 |
(以下略) |
重みは自分がどれくらいその観点を重要かと感じているか、などで決めていきます。
表を作成し、重みと各点数を足した合計点数の高い方が現時点の候補内での優劣を確認することができます。
この時、企業の詳細等をPerplexityのDeep Researchで企業毎に事業内容や市場規模、成長率等のSWOT分析を行いました。
できた表は最終面接前、最終面接後、オファー面談後でどんどん変えていきます。直感だけで決めたり、一つの項目だけが気になって視野狭窄に陥る、といったことを回避できる有効な手段だったと思います。
最後に
長々と書き連ねてしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
何かご質問等ありましたら、可能な範囲でお答えしますのでお気軽にコメントください。
どなたかのより良いキャリア選択の参考になれば嬉しいです!