0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

インテル® Tiber™ AI クラウドで構築された 2024年大学対抗ハッカソンの生成 AI 受賞プロジェクト

Posted at

title.jpg

開発者は常に、ハードウェアからソフトウェアまでインテルのあらゆるリソースに対する重要な貢献者であると同時に、このエコシステムからメリットを受ける存在でもあります。インテルの CPU、GPU、インテル® Gaudi® AI アクセラレーターといった最新ハードウェアに加え、オープン AI やコンピューティングを加速するソフトウェア開発ツール、ライブラリー、フレームワークなどの広大なリソースが、1 カ所ですべて揃うワンストップのプラットフォーム「インテル® Tiber™ AI クラウド」で提供されました。2024年には 13 回以上の大学対抗ハッカソンを支援し、学生、教職員、スタートアップ企業のほか、テクノロジー系エンスージアストも含め 3,500 人を超える開発者に対して、最新の oneAPI に対応するインテルの AI ツールとフレームワークについての知識を深め、インテルのクラウド・プラットフォームを無償で利用できる機会を提供しました。2024年12月に主催したウェビナーでは、2024年ハッカソン受賞チームのメンバーがプレゼンテーションを担当し、自分たちのハッカソン・プロジェクトを紹介。実際の生成 AI ソリューションとあわせて、インテル® Tiber™ AI クラウドを通じて AI 開発者向けリソースをどのように活用したか、デモで説明しています。

このブログでは、ウェビナーで特に注目するべきポイント、つまりセッションで紹介されたプロジェクトを中心にまとめています。

開発者に焦点を当てたインテルの取り組みと AI リソース

インテルは、ハッカソン、ウェビナー、ワークショップ、テクノロジー・カンファレンスなど、年間を通して数多くの開発者向けイベントをサポートしています。大学対抗ハッカソンの各回ごとに ‘Best Use of Intel AI’ と呼ばれる専用トラックが設定され、参加者はプロジェクトで解決しようとしている現実的な課題に応じて、インテル® Tiber™ AI クラウド上でインテルの AI ソフトウェアとハードウェアをいかに最大限まで有効活用できるかを競います。

インテルのチームはハッカソンの会場でインサイトあふれるワークショップを担当。参加者に、生成 AI の基本、AI や AI ソリューションの最適化、クラウドサービス、インテル® Gaudi® AI アクセラレーター、oneAPI 対応ソフトウェアなどを学ぶ機会を提供します。また、教育分野におけるインテルのイニシアチブ (Intel® Student Ambassador プログラム教職員向けプログラム) と AI スタートアップ企業向け Intel® Liftoff プログラムについても紹介しました。

ウェビナーの録画映像のタイムスタンプ [00:08:05] 以降では、プレゼンテーション担当者がインテルの AI ソフトウェア・スタック (図1) について詳しく説明しています。

001.png
図 1. インテルの AI ソフトウェア・スタック

それでは早速、ハッカソン受賞メンバーによる生成 AI プロジェクトのプレゼンテーションを見ていきましょう。

プロジェクト #1: Robotic Registers

ジョージア工科大学主催の Hacklytics’24 ハッカソン受賞プロジェクト。プレゼンテーションはアリゾナ州立大学 Ajay Yadav が担当しました。

Robotic Registers はグラフ型の敵対的生成ネットワーク (GAN) モデルです。インテル® Tiber™ AI クラウド上の PyTorch GPU 環境に論理回路を形成します。このプロジェクトは、論理回路の領域におけるディープラーニング・モデル用データセットの生成手段として欠かせません。学習データを ML アルゴリズムに適合するよう拡張するため、電子設計自動化 (EDA) に用いるデータセットの安定性と多様性が向上します。生成された論理回路グラフ上でモデルをトレーニングすることで、実際の回路での効率的な異常検出が可能になります。合成論理回路はさらに、さまざまな EDA アルゴリズムのパフォーマンスを検証するベンチマーク評価データセットとしても有用です。論理回路設計内のパターン、傾向、不規則性を洗い出す、徹底的な探索的データ解析にも役立ちます。

このモデルでは、標準の論理回路グラフを生成し、実際の回路内に不規則パターンがないかを特定して異常検出を補完するため、設計の欠陥を見逃しません。生成された回路グラフはアルゴリズムの最適化にも適用でき、FPGA や ASIC 設計のパフォーマンスと電力効率、面積使用率の向上にもつながります。また、プライバシー保護の問題によって実際の回路データの使用が制限されかねないリサーチや産業の環境で、合成回路グラフはセキュアにデータを共有できる手段でもあります。チームではモデルのトレーニングに第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを使用しました。

Robotic Registers プロジェクトの詳細は GitHub を参照してください。
https://github.com/jen051/Hacklytics2024

Robotic Registers プロジェクトのプレゼンテーションは、ウェビナー録画映像のタイムスタンプ [00:09:30] から始まります。
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/videos/genai-solutions-4-collegiate-hackathon-winners.html

プロジェクト #2: Easy Deep Learning

続いて Easy Deep Learning も同様に、Hacklytics’24 ハッカソンの受賞プロジェクトです。ジョージア工科大学の Pranav Devarinti がプレゼンテーションを担当しました。

このチームが開発した画期的なノーコード・プラットフォームは、ディープラーニング・モデルのファインチューニングを効率化するために設計されています。使いやすさを重視したプラットフォームによって、ユーザーは数枚の画像だけで開始することが可能です。また、Stable Diffusion と複数のデータ拡張を組み合わせた合成データ生成を採用しているため、短時間でモデルの構築とファインチューニングが完了します。プロジェクトは固有のアーキテクチャーを特長としており、ローカル開発のフロントエンドに Firebase を統合することで、リアルタイムのデータ同期を実現しました。インテル® Tiber™ AI クラウド上の Stable Diffusion Jupyter Notebook をバックエンド・エンジンとして高度な合成データ・パイプラインを開発し、その後に同じ Notebook 環境内でカスタム・トレーニング・ループが続きます。

プロジェクト・チームでは GPU にインテル® PyTorch 拡張パッケージを実装した結果、大規模生成モデルの高スループットを実現。インテル® PyTorch 拡張パッケージ、インテル® oneAPI マス・カーネル・ライブラリー (インテル® oneMKL)インテル® oneAPI ディープ・ニューラル・ネットワーク・ライブラリー (インテル® oneDNN) を連動することで、小規模分類モデルのレイテンシー低減につながります。

Easy Deep Learning プロジェクトの詳細は GitHub を参照してください。
https://github.com/TrentConley/Hacklytics

Easy Deep Learning プロジェクトのプレゼンテーションとデモは、ウェビナー録画映像のタイムスタンプ [00:17:25] から始まります。
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/videos/genai-solutions-4-collegiate-hackathon-winners.html

プロジェクト #3: Mind River AI

コロンビア大学の Millie Wu がプレゼンテーションを行う Mind River AI は、バージニア大学の HooHacks’24 ハッカソン受賞プロジェクトです。

Mind River は、瞑想と感情のサポートに特化した最先端の生成 AI アシスタントとして、ユーザーのプライバシーとパーソナライズを重視しています。このウェブ・アプリケーションでは、ユーザーごとにパーソナライズした会話と瞑想を生成し、すべてのインタラクションと個人データをプライベート・データベース内に安全に保存します。インテル® Tiber™ AI クラウドを通じて LangChain フレームワーク、VectorDB パッケージ (インテルの埋め込みベクトルを使用)、ファインチューニングしたオープンソースの LLM モデルを医療用データセットに活用することで、特定の感情を呼び起こすことを目的とした神経を刺激するアートによって、ほかにはない豊かな体験をもたらします。

プロジェクト・チームでは、クラウド・プラットフォーム以外にも、LLM のファインチューニングにインテルの QuantizedBiEncoder 埋め込みを用いてベクトル検索を加速しました。これにより、パーソナライズ・データ検索の高速化と効率化が可能になっています。また、この埋め込みによって、個人情報を安全かつ効率的に処理する AI モデルのパフォーマンス向上にもつながりました。インテルの高度な埋め込みを採用したことで、プライバシーの強化、ベクトル型データストレージのスピードと検索機能が確保されています。これはリアルタイム・アプリケーションにおける健康状態に関するプライベート情報の管理と検索に不可欠です。

Mind River AI プロジェクトの詳細は GitHub を参照してください。
https://github.com/jiajiapi88/Hoohacks-2024

Robotic Registers プロジェクトのプレゼンテーションは、ウェビナー録画映像のタイムスタンプ [00:25:45] から始まります。
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/videos/genai-solutions-4-collegiate-hackathon-winners.html

プロジェクト #4: Scribe

Scribe プロジェクトのプレゼンテーションは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) / デービス校の Wendon Song が担当しました。UCLA が主催する LA Hacks’24 ハッカソンの受賞プロジェクトの 1 つです。

生成 AI ツールの Scribe は、患者の健康状態について医師がデータ主導の正確な診断を行えるように設計されています。目的は誤診や投薬ミスといった問題の防止です。プロジェクト・チームはインテル® Tiber™ AI クラウドの演算能力をオープンソース LLM のファインチューニングに活用しました。

インテル® oneDNN とインテル® ディストリビューションの OpenVINO™ ツールキットを採用し、LLM のトレーニングと推論を高速化しています。

Scribe プロジェクトの詳細は GitHub を参照してください。
https://github.com/LaZeAsh/Scribe

Robotic Registers プロジェクトのプレゼンテーションは、ウェビナー録画映像のタイムスタンプ [00:28:50] から始まります。
https://www.intel.com/content/www/us/en/developer/videos/genai-solutions-4-collegiate-hackathon-winners.html

次のステップ

インテルの AI ツールとフレームワークを活用して、オープンでハイパフォーマンスかつ高速の AI や生成 AI の開発を開始しましょう。

ここで紹介した以外にも、oneAPI 対応の多彩なツールキットが用意されています。高速化、ヘテロジニアス、クロスベンダー対応の並列コンピューティングにぜひ活用してください。

ウェビナーの全編はこちら

参考リンク


元記事

筆者:Nikita Shiledarbaxi
所属:インテル
投稿日:2025年3月31日

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?