はじめに
10進数から2進数へ変換するのが苦手な人向けの、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの求め方を紹介する記事。
手順
① ネットワーク部とホスト部の境目があるオクテットを見つける
② ①で見つけたオクテットにホスト部となる部分が何ビットかあるを割り出す
③ ②で割り出したビット数を指数として、2の累乗計算を行う
④ ①で見つけたオクテットの数字を③の計算結果で割り、商を求める
⑤ ③の計算結果と④で求めた商を掛け合わせ、この値を①のオクテットの値とし、これより右のオクテットをすべて0にすることで、ネットワークアドレスとなる
⑥ ⑤で求めた数値と③の計算結果を足して−1した結果を①のオクテットの値とし、これより右のオクテットをすべて255にすることで、ブロードキャストアドレスとなる
以下、「172.16.201.33/19」のネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを求めることとする。
① ネットワーク部とホスト部の境目があるオクテットを見つける
プレフィックス長が 19 なので、ネットワーク部とホスト部の境界は第3オクテットとなる。
以降、このオクテットに注目していく。

(※ホスト部「23」は「13」の誤り)
② ①で見つけたオクテットにホスト部となる部分が何ビットかあるを割り出す
第3オクテットは、以下のようにネットワーク部3ビット、ホスト部5ビットとなっている。
ここでは、ホスト部が5ビットであることを記録しておく。

③ ②で割り出したビット数を指数として、2の累乗計算を行う
先程割り出したホスト部のビット数である「5」という数値を指数として、2の累乗の計算をする。
すなわち、2の5乗=32が求められる。

④ ①で見つけたオクテットの数字を③の計算結果で割り、商を求める
①で見つけたオクテット、第3オクテットの数字は「201」であった。
この数値を先程の「32」で割り、商を求める。この時、割り切る必要はない。
商は6と出るので、これを記録しておく。

⑤ ③の計算結果と④で求めた商を掛け合わせ、この値を①のオクテットの値とし、これより右のオクテットをすべて0にすることで、ネットワークアドレスとなる
③で求めた「32」と④で求めた「6」を掛け合わせる。
これにより、「192」という数字が求まるので、これを第3オクテットの数値とし、これより右側のオクテット、すなわち第4オクテットを「0」にすると、ネットワークアドレスが求まる。

⑥ ⑤で求めた数値と③の計算結果を足して−1した結果を①のオクテットの値とし、これより右のオクテットをすべて255にすることで、ブロードキャストアドレスとなる
⑤で求めた「192」と③で求めた「32」を足して−1する。
これにより、「223」という数字が求まるので、これを第3オクテットの数値とし、これより右側のオクテット、すなわち第4オクテットを「255」にすると、ブロードキャストアドレスが求まる。

結果
以上より、
ネットワークアドレス:172.16.192.0
ブロードキャストアドレス:172.16.223.255
が求められた。
最後に
2進数への変換が苦手な人には使えるかもしれないが、なにぶん手順が少々複雑なため、あくまで進数変換に慣れるまでの仮利用的な位置付けにとどめるのがよいと思われる。
参考図書