テスト自動化ツール
T-DASHはソフトウェアのテスト自動化ツールです。工数削減や品質向上に役に立つと思ったのでt-dashについて自分が知っている範囲で記事として残していこうと思います。
目的としては、「テストを自動化したいけど、自動化ってどのレベルで自動化できるの?ほんとに工数削減になる?品質は保たれる?」と疑問に思っている層に"解決"を提供できたらOKです。
まず初めに
T-DASHとは?
先ほど言った通りソフトウェアのテスト自動化ツールです。
キーワード駆動テストの形式を採用しており、プログラムコードを書くことなく、非エンジニアでも簡単にWebアプリケーションやWindowsアプリケーション、モバイルアプリのテスト自動化を実現
らしいです。ちなみに僕はWeb画面のテスト自動化を業務で行なっています。
キーワード駆動テストの形式と言われてもあまりイメージがわかないと思うので具体的に解説します。
主な使い方
例えば下記のようなテストをしたいとします。
#テスト001
テスト対象画面:「https://login.com」
テストシナリオ:ログイン
テストコンポーネント:ログインボタン
T-DASHにはあらかじめ"動作"というものが用意されていて、「ボタンを押下する」や「設定したURLへアクセスする」など100弱の動作からテストに適した動作を選ぶことができます。
実際にテスト001を実施するには「URLへアクセス → ログインIDを記入 → パスワードを記入 → ログインボタンを押下 → 想定した画面へアクセスしているかどうか検証」
が必要になります。
1. ブラウザを開く(https://login.com)
2. ユーザー名に「testuser」を入力する
3. パスワードに「password123」を入力する
4. ログインボタンをクリックする
5. URLの一部が"entry"であることを確認する
上のように検証できます。検証結果は"report"としてpdfファイルが出力されるのでそのままエビデンスとして流用可能になります。
また、T-DASHにデフォルトで存在しない複雑な検証動作は、カスタム動作としてpythonで作成可能なのでとりあえず"何でも検証できる"と認識してOKだと思います。
"ユーザー名を入力するテキストボックス"や、"ログインボタン"などの要素は"画面定義"と言われるt-dashの機能があるのでHTMLのidやxpathを使用することでT-DASHが画面要素を認識することが可能です。
入力値だけ異なるテストの場合、データドリブンなどできる機能もあるのでテストで工数が持っていかれている現場は導入する価値があると思っています。(有料ですが)
下記にメリデメをまとめます。
メリデメ
メリット
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テスト自動化の属人化を防止
プログラミング知識が不要なため、QAエンジニアだけでなく、非エンジニアのテスト担当者もテスト自動化に参加できます。これにより、特定のエンジニアに依存しない持続可能なテスト自動化が実現します。 -
テスト工数の大幅削減
導入事例では、テスト工程全体で約60%のコスト削減を実現したケースも報告されています。 -
デグレッションの早期発見
自動化により頻繁にリグレッションテストを実行できるため、手動テストでは見落としていたデグレッションも発見できます。 -
品質の安定化
人的ミスを排除し、常に同じ手順でテストを実行することで、テスト品質が安定します。
デメリット
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初期設定の手間
画面定義や要素の登録には一定の時間がかかります。ただし、一度設定すれば繰り返し利用できるため、長期的には効率化につながります。 -
対応範囲の制限
現在はWeb、Windows、モバイルアプリに対応していますが、他のプラットフォームには対応していません(firefoxでの検証は確か今障害発生中2025/11/3現在)
複雑な業務ロジックの検証には追加のカスタム動作の作成が必要になります。 -
自動化に向かないテスト
探索的テストやユーザビリティテストなど、人間の判断が必要なテストは自動化に向きません。T-DASHに限らず、テスト自動化全般に言えることです。 -
メンテナンスの必要性
UIが頻繁に変更されるアプリケーションでは、画面定義の更新作業が発生します。ただし、日本語ベースのため、従来のコードベースの自動化ツールと比べればメンテナンスは容易です。 -
オフショアには厳しい
自分もそうですが、チームがオフショアを所有している場合、海外メンバーに日本語のT-DASHを使用するのは困難だと思います。なので、日本チームで対応が必要です。
まとめ
▼T-DASHが適しているケース
✅ テスト担当者にプログラミング知識がない
✅ リグレッションテストが多い
✅ テスト自動化の導入コストを抑えたい
✅ 日本語でのテスト管理を重視
✅ 既存のExcelテストケースを活用したい
▼慎重に検討すべきケース
⚠️ UIが頻繁に大幅変更される
⚠️ 非常に複雑な業務ロジックのテストが中心
⚠️ モバイルアプリの高度なネイティブ機能テストが必要
⚠️ グローバルチームで英語以外の多言語対応が必要
ちなみに月額5,280円〜
*ライセンス制なので使用者が多くなる想定の場合、費用も右肩あがりになります