0.初めに
IBM Fusion を Lenovo ThinkSystem SR630v4 に導入してみたので、その時の手順をご紹介します。
1. IBM Fusionとは
「IBM Fusion」とは、Red Hat OpenShift向けに設計された コンテナネイティブかつハイブリッドクラウド対応のストレージおよびデータ管理プラットフォームで以下のような機能を提供しています。OpenShift上で動作します。
-
Fusion Data Foundation(FDF)
Cephをベースとしたストレージ機能を提供。OpenShift Data Foundation相当 -
Fusion Backup & Recovery
OpenShift 向けのバックアップ & リカバリー機能を提供
2. 導入環境
Master兼Workerノード x3台のOpenShiftクラスター構成になります。
サーバー: Lenovo ThinkSystem SR630v4 x 3台
1台あたりの構成は以下の通り
- CPU: Xeon6505P(12core) x 2
- Memory: 128GB (16GB x 8)
- Disk: 1.92TB SATA SSD ※1本目はRHCOS導入用、2本目はFDF用
- NIC: Intel E610 Network Adapter for OCP (10GbT x 4port)
ソフトウェア
-
OpenShift: 4.19
Openshift 4.19からWEB Consoleが変わっています。そのため、4.18以前の環境に導入する際は、この後に紹介する画面とは異なる部分がございますので、ご注意ください。 -
IBM Fusion: 2.11
Fusion 2.10以前とData Foundationの導入手順が異なっています。そのため、2.10以前のものを導入する際は、該当のマニュアルをご参照ください。
3. 導入手順(概略)
3-1. OpenShiftの導入
OepnShiftの導入については、さまざまなところで、紹介されているため、省略します。
今回の検証では、Assisted Installerを使用して導入しました。
3-2. IBM Fusinの導入
詳細は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/docs/en/fusion-software/2.11.0?topic=fusion-installing-premises-bare-metal
-
Pull Secretの登録
IBM Fusionのコンテナイメージが保管されているレポジトリ、cp.icr.ioにログインできるようにPull Secretを登録します。 -
IBM Opeator Catalogの登録
Operator HubにFusion Operatorが表示されるように、IBM Operator Catalogを登録します。 -
Operator HubからFusion Operatorの導入
上記を実施後、Operator HubからIBM Fusion Operatorを導入します。

-
導入すると、IBM Fusionの管理画面へのリンクがOpenShiftに表示され、その管理画面からFusionを管理することができます。

3-3. Fusion Data Foundationの導入
詳細は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/docs/en/fusion-software/2.11.0?topic=foundation-installing-fusion-data
1.サービスの導入
Fusinの管理画面から、サービスを選択し、「Data Foundation」を導入します。

途中で、デバイスタイプの選択画面が出てくるので、「ローカル」を選択します。


2.ストレージの構成
※Fusion 2.10以前はこの後の記載手順とは異なるため、ご注意ください。
OCPの画面より、StorageSystemの作成を行います。
それぞれの画面で下記の図のように設定して導入します。





作成したStorageSystemのステータスがRedyになれば導入完了です。

ocs-storage-cluster-xxxxというすStorageClassが作成されていることを確認します。

3-4. Fusion Backup & Recoveryの導入
詳細は下記URLを参照ください。
https://www.ibm.com/docs/en/fusion-software/2.11.0?topic=restore-backup-hub
- サービスの導入
Fusinの管理画面から、サービスを選択し、「バックアップ&リストア」を導入します。

デプロイ先のストレージクラスの選択画面が出てきた場合は、「ocs-storagecluster-ceph-rbd」を選択します。

導入が完了すると以下のような画面になります。
#4. 導入時に発生した問題
当初は、OpenShift 4.18を導入しようとしたところ、RHCOSにIntel E610のNetwork Driverが、組み込まれておらず、Networkカードが認識せず(HOST DSICOVERYでホストが表示されない。)に、導入できないという問題に直面しました。
RHELと違い、後からDriverを組み込むことができないため、ハードウェアを構成する際は、RHELではなくRHCOSで対応しているかを確認することをお勧めします。(特にRAIDカード、NICカード)