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Tips - GitHub Copilotの利用料金を把握する方法

Last updated at Posted at 2025-12-24

Tips - GitHub Copilotの利用料金を把握する方法

1. プレミアムリクエストとは

プレミアムリクエストは、GitHub Copilotの高度な機能を利用する際に消費されるリソース単位です。各プランには月間の許容量が設定されており、超過分は従量課金の対象となります。

重要なのは、プレミアムリクエストのカウンターは毎月1日UTC 00:00にリセットされるという点です。つまり、月末に使い切っても翌月にはリフレッシュされます。

2. 使用状況の可視化:3つの確認方法

2.1 IDE内でのリアルタイム確認

開発環境から直接、使用状況を確認できます。これが最も迅速な方法です。

2.2 GitHub.comでの概要確認

ブラウザから包括的な使用状況を確認できます。

  1. GitHub設定の「Billing and licensing」ページにアクセス
  2. 「Metered usage」セクションまでスクロール
  3. Copilotをクリックして使用状況をフィルタ

2.3 詳細分析(Premium request analytics)

2025年8月1日以降のデータについて、詳細な分析が可能です。

アクセス権限の違い:

  • エンタープライズオーナーと請求マネージャー:ユーザー別の分析が可能
  • 組織オーナー:ユーザー別の分析は不可(レポートダウンロードで対応)

分析可能な項目:

  • モデル別の使用状況
  • 機能別の使用状況(Copilot、Spark、Copilot coding agent)※2025年11月1日以降
  • 時系列での推移
  • CSVまたはJSON形式でのエクスポート

3. コスト最適化の実践的アプローチ

3.1 タスクに応じたモデル選択

すべてのタスクに最高性能のモデルが必要なわけではありません。タスクの複雑さに応じて適切なモデルを選択することで、プレミアムリクエストを効率的に使用できます。

3.2 予算設定とアラート

予算を設定することで、使用量の75%、90%、100%に達した時点でアラートを受け取れます。

# 予算設定の例(概念図)
budget:
  type: "Bundled premium requests"  # すべてのプレミアムリクエストSKUを一括管理
  amount: 10000
  alerts:
    - threshold: 75
      action: "メール通知"
    - threshold: 90
      action: "メール通知"
    - threshold: 100
      action: "メール通知 + 使用停止(オプション)"

3.3 使用状況の定期的なモニタリング

月の途中で使用状況を確認し、残りの期間での使用計画を立てることが重要です。GitHub設定画面から簡単に確認できます。

3.4 不要な再試行の回避

長いプロンプトや複雑なプロンプトを何度も送信すると、プレミアムリクエストを多く消費します。結果が期待通りでない場合は、プロンプトを言い換えるか簡略化することを検討してください。

4. 組織・エンタープライズ向けの管理戦略

4.1 ポリシー設定による制御

デフォルトでは、このポリシーは有効になっています。つまり、ユーザーは許容量を超えてもプレミアムリクエストを使用できます(予算制限がない場合)。

4.2 重要な移行期の注意点

2025年8月22日以前に作成されたアカウントの場合:

  • デフォルトで$0の予算が設定されている
  • この予算を編集または削除しない限り、許容量超過後のプレミアムリクエストは拒否される

2025年12月2日以降:

  • GitHub EnterpriseとGitHub Teamのアカウントレベルの$0予算は自動的に削除される
  • それまでに適切な予算設定を行う必要がある

4.3 予算タイプの選択

注意: 新しい予算を作成しても、既存の予算は上書きされません。「予算制限到達時に使用停止」が有効な予算のいずれかが上限に達すると、追加のプレミアムリクエストはブロックされます。

4.4 コスト効率的なライセンス戦略

月に800回以上のプレミアムリクエストを行うユーザーの場合、Copilot Enterpriseライセンスの方がコスト効率が良くなります。

アップグレード手順:

  1. エンタープライズ内に新しい組織を作成
  2. より多くのプレミアムリクエストが必要なユーザーを新組織に追加
  3. 組織内の全ユーザーにCopilot Enterpriseライセンスを付与
  4. 必要に応じてエンタープライズをCopilot Enterpriseにアップグレード
  5. 新組織でCopilot Enterpriseを有効化
  6. 使用状況レポートを定期的に確認し、コスト効率を継続的に評価

4.5 複数ライセンス保有者の請求管理

複数のスタンドアロン組織またはエンタープライズからCopilotライセンスを付与されている場合、プレミアムリクエストの請求先を指定する必要があります。

個人アカウントのCopilot機能設定の「Billing」セクションに「Usage billed to」ドロップダウンが表示されます。請求エンティティはいつでも変更可能で、以降のすべてのプレミアムリクエストは新しく選択されたエンティティに請求されます。

5. エンタープライズレベルのコスト管理

5.1 ライセンス付与権限の把握

コストを制御するには、誰がライセンスを付与できるかを理解することが重要です。組織オーナーロールを持つユーザーは、GitHub UIを通じてメンバーからのアクセスリクエストを受け取り、ライセンスを付与できます。

推奨事項:

  • 組織オーナーロールを持つユーザーを特定
  • ライセンス配布戦略について社内でコミュニケーション
  • 予算やパイロットプログラムの制約を共有

5.2 コストセンターによる支出の可視化

コストセンターを作成することで、特定のビジネスユニットやユーザーグループごとに支出を追跡できます。

活用例:

  • パイロットプログラム参加者のグループ
  • 部門別の使用状況追跡
  • プロジェクト単位でのコスト配分

5.3 支出トレンドの分析

6. 実務での使用状況レポート活用

6.1 レポートダウンロードの重要性

変更を加える前に、使用状況レポートをダウンロードして以下を確認してください:

  • 頻繁に制限に達しているユーザー
  • 許容量を大幅に超えているユーザー

これらのユーザーに連絡し、ユースケースと要件を理解することが重要です。

6.2 非アクティブユーザーの特定と対応

APIを使用して非アクティブなユーザーを特定し、以下の対応を取ることができます:

  1. リソースとアドバイスを含むメッセージを送信
  2. 一定期間後も非アクティブな場合はライセンスを取り消し
  3. 取り消したライセンスを他のユーザーに再配分

6.3 セルフサービスモデルの推奨

GitHubの調査によると、成功している導入事例の多くは、開発者が承認なしでライセンスを申請できる完全なセルフサービスモデルを採用しています。

メリット:

  • ユーザーが迅速に開始できる
  • 実際に使用する予定のある人にライセンスを付与できる
  • 管理オーバーヘッドの削減

7. 特定メンバーへの個別予算設定

特定のユーザーに対してより高い予算を設定することも可能ですが、エンタープライズ内のすべてのユーザーが何らかの予算でカバーされている必要があります。カバーされていないユーザーは、プレミアムリクエストに対して無制限の支出アクセスを持つことになります。

設定手順の概要:

  1. 「Premium request paid usage」ポリシーを有効化
  2. エンタープライズまたは組織レベルの$0予算を削除
  3. より高い許容量が必要なユーザー向けの新しい予算を作成
  4. 他のすべてのCopilotユーザーをカバーする、より制限的な予算を作成
  5. APIと統合して、新規ユーザーが追加されたときに自動的に予算でカバーされるようにする

8. まとめ:持続可能なCopilot導入に向けて

GitHub Copilotのコスト管理は、単なる支出削減ではなく、リソースの最適配分によって開発生産性を最大化することが目的です。

重要なポイント:

  • IDE内での使用状況のリアルタイム確認
  • 2025年12月2日の予算ポリシー変更への対応
  • 月800回超のユーザーはEnterpriseライセンスを検討
  • 使用状況レポートによる定期的な分析
  • セルフサービスモデルによる効率的なライセンス配布

技術者として、これらのツールを理解し活用することで、チーム全体のCopilot体験を向上させ、組織全体での持続可能な導入を実現できます。予算管理は制約ではなく、最適化のための可視化ツールとして捉えることが重要です。

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