GitHubの料金プラン完全ガイド:あなたのプロジェクトに最適なプランを見つける
GitHubは、個人開発者から大規模エンタープライズまで、さまざまな規模のチームに対応した料金プランを提供しています。この記事では、各プランの特徴と機能を詳しく解説します。
1. プラン体系の全体像
GitHubのプランは、大きく分けて個人アカウント向けと組織向けに分類されます。それぞれのニーズに合わせて、無料プランから高度な機能を備えたエンタープライズプランまで用意されています。
2. 個人アカウント向けプラン
2.1 GitHub Free(個人向け)
個人開発者にとって、GitHub Freeは強力なスタート地点となります。無制限のコラボレーターと、公開リポジトリでの完全な機能セットが利用できます。
主な機能:
- 無制限の公開リポジトリ(全機能利用可能)
- 無制限のプライベートリポジトリ(機能制限あり)
- GitHub Community Support
- Dependabotアラート
- 公開リポジトリ向けデプロイメント保護ルール
- 二要素認証の強制
リソース制限:
- GitHub Actions: 月2,000分
- GitHub Packages: 500 MB
- GitHub Codespaces: 月120コア時間、15 GBストレージ
- GitHub Pages: 公開リポジトリで利用可能
2.2 GitHub Pro
より高度な開発ワークフローを求める個人開発者には、GitHub Proが適しています。プライベートリポジトリでの高度なツールとインサイトが利用可能になります。
GitHub Freeからの追加機能:
- メール経由のGitHubサポート
- GitHub Actions: 月3,000分(+1,000分)
- GitHub Packages: 2 GB(+1.5 GB)
- GitHub Codespaces: 月180コア時間(+60時間)、20 GBストレージ(+5 GB)
プライベートリポジトリでの高度な機能:
- 必須プルリクエストレビュアー
- 複数のプルリクエストレビュアー
- 保護されたブランチ
- コードオーナー
- 自動リンク参照
- GitHub Pages
- Wiki
- リポジトリインサイトグラフ(Pulse、コントリビューター、トラフィック、コミット、コード頻度、ネットワーク、フォーク)
注意:
- 一部のコントリビューター、コミット、コード頻度のインサイトは、10,000コミット未満のリポジトリでのみ利用可能です
- GitHub Pagesサイトをプライベートで公開するには、組織アカウントかつGitHub Enterprise Cloudが必要です
3. 組織向けプラン
3.1 GitHub Free(組織向け)
組織向けの無料プランでは、チーム開発に必要な基本機能が提供されます。
個人向けFreeプランからの追加機能:
- チームアクセス制御(グループ管理)
- GitHub Actions: 月2,000分
3.2 GitHub Team
本格的なチーム開発を行う組織には、GitHub Teamが最適です。ユーザー数ごとに課金される料金体系となっています。
GitHub Free(組織向け)からの追加機能:
- メール経由のGitHubサポート
- GitHub Actions: 月3,000分
- GitHub Packages: 2 GB
GitHub Advanced Securityの購入オプション:
- GitHub Code Security
- GitHub Secret Protection
プライベートリポジトリでの高度な機能:
- 必須プルリクエストレビュアー
- 複数のプルリクエストレビュアー
- チームプルリクエストレビュアー
- 保護されたブランチ
- コードオーナー
- スケジュール設定されたリマインダー
- GitHub Pages
- Wiki
- セキュリティ概要
- リポジトリインサイトグラフ
注意:
- 一部のコントリビューター、コミット、コード頻度のインサイトは、10,000コミット未満のリポジトリでのみ利用可能です
- GitHub Pagesサイトをプライベートで公開するには、組織アカウントかつGitHub Enterprise Cloudが必要です
GitHub Codespacesの制御:
組織のオーナーは、プライベートおよび内部リポジトリに対してGitHub Codespacesを有効化または無効化でき、メンバーとコラボレーターの使用料を支払うことができます。
重要な注意事項:
- 公開リポジトリでは、標準のGitHubホストランナーを使用するGitHub Actionsは無料です
- セルフホストランナーも無料で利用できます
- プライベートリポジトリでは、プランに応じた無料枠を超える使用量が課金対象となります
3.3 GitHub Enterprise
大規模組織や厳格なセキュリティ要件を持つ企業向けの最上位プランです。クラウドホスティング(GitHub Enterprise Cloud)とセルフホスティング(GitHub Enterprise Server)の2つのデプロイメントオプションがあります。
GitHub Teamからの追加機能:
- GitHub Enterprise Support
- 追加のセキュリティ、コンプライアンス、デプロイメント制御
- SAMLシングルサインオンによる認証
- SAMLまたはSCIMによるアクセスプロビジョニング
- プライベートまたは内部リポジトリ向けGitHub Actionsのデプロイメント保護ルール
- GitHub Connect
- 内部リポジトリやリポジトリルールなどの追加機能
3.3.1 GitHub Enterprise Cloud固有の機能
リソース:
- GitHub Actions: 月50,000分(標準のGitHubホストランナーのみ)
- GitHub Packages: 50 GB
エンタープライズ機能:
- 月間稼働率99.9%のSLA
- エンタープライズアカウントによる複数のGitHub組織のポリシーと請求の一元管理
- Enterprise Managed Usersによる開発者のユーザーアカウントのプロビジョニングと管理
- 監査ログのストリーミング
- IPアローリスト
- 特定の地域での会社データのホスティング(独自のサブドメイン上)
既存組織のアップグレード:
既存の組織をGitHub Enterprise Cloudにアップグレードすると、エンタープライズアカウントに組織が含まれます。
4. プラン選択のポイント
4.1 個人開発者の場合
- 公開リポジトリのみで開発する場合: GitHub Free
- プライベートリポジトリで高度な機能(保護されたブランチ、必須レビュアーなど)が必要な場合: GitHub Pro
4.2 組織・チームの場合
- 小規模チームで基本的な協業のみ: GitHub Free(組織向け)
- 中規模チームで高度な機能とサポートが必要: GitHub Team
- 大規模組織やコンプライアンス要件が厳格: GitHub Enterprise
5. GitHub Actionsの使用量について
GitHub Actionsは、CI/CDパイプラインの自動化に欠かせない機能です。各プランでの無料枠を理解しておくことが重要です。
| プラン | 月間無料分数 |
|---|---|
| GitHub Free(個人) | 2,000分 |
| GitHub Pro | 3,000分 |
| GitHub Free(組織) | 2,000分 |
| GitHub Team | 3,000分 |
| GitHub Enterprise Cloud | 50,000分 |
重要: 公開リポジトリでは、標準のGitHubホストランナーとセルフホストランナーの使用は無料です。
6. GitHub Enterprise Cloudのトライアル
GitHub Enterprise CloudとGitHub Enterprise Serverは、トライアルを設定して評価することができます。本番環境への導入前に、実際の機能を試すことができるのは大きなメリットです。
7. まとめ
GitHubの料金プランは、個人開発者から大規模エンタープライズまで、幅広いニーズに対応しています。重要なのは、現在の要件と将来の成長を見据えて、適切なプランを選択することです。
プラン選択のチェックリスト:
- チームの規模は?
- プライベートリポジトリでの高度な機能が必要か?
- GitHub Actionsの月間使用量は?
- サポートレベルの要件は?
- セキュリティとコンプライアンスの要件は?
これらの質問に答えることで、最適なGitHubプランが見えてくるはずです。まずは無料プランから始めて、必要に応じてアップグレードするアプローチも有効です。