はじめに
IBM Turbonomic 8.20.2 のリリースノートにある「オンプレミスリソースの管理」カテゴリーに、VMの最適化をより安全・賢くする新機能が2つ追加されました。
この記事では、新機能で何が変わったかと、嬉しいポイントをお伝えします。
1. インフラ供給制約を考慮したVMリサイズアップ操作
変更点
| 観点 | 以前(8.20.2 以前) | 以降(8.20.2 以降) |
|---|---|---|
| ホスト/クラスターの空き容量が不足している場合 | アクションが一切生成されない | 「インフラに制約あり」という前提条件付きでリサイズアップアクションを生成 |
| オペレーターへの情報提供 | 何も表示されないため、問題があることに気づきにくい | インフラの制約内容がアクション画面に明示されるため、状況が一目でわかる |
| アクション実行 | 検討すらできない | 要件を確認した上で、手動で実行するかどうかを選択できる |
ホストやクラスターに空きがない場合でも、「リソースを増やすべき」というアクションが提示されるようになりました。
これにより、単なる最適化では解決できない問題(=インフラのキャパシティ不足)も可視化され、増設や構成見直しといったキャパシティ計画につなげられるようになりました。
2. vCenter VMのキャッシュメモリを考慮したvMem縮小操作
変更点
| 観点 | 以前(8.20.2 以前) | 以降(8.20.2 以降) |
|---|---|---|
| vMemのリサイズダウン時の判断基準 | 割り当てメモリの使用量のみを考慮 | VMware Toolsが取得するキャッシュメモリ量も加味して縮小量を計算 |
| 過剰な縮小のリスク | キャッシュがディスクにページアウトし、パフォーマンスが急低下する可能性あり | キャッシュ分のバッファを保持するため、ページアウトが発生しにくい |
| 適用条件 | — | VMware ToolsがインストールされているvCenter VM(デフォルト:有効) |
メモリ使用量だけでなく「キャッシュメモリ」も考慮することで、パフォーマンスを維持したままメモリ削減が可能になりました。
これにより、リサイズ後のパフォーマンス問題をふさげます。
OSはよく使うデータをメモリにキャッシュします。メモリを削りすぎると、そのキャッシュがディスクに追い出され、処理が激しく遅くなります。
今回の新機能では、Turbonomicがキャッシュ分のバッファを「安全マージン」として確保するようになりました。
まとめ
新機能1により、ホストやクラスタの容量制約によって従来は見えなかったリソース不足のVMも可視化されるようになり、インフラのキャパシティ不足を判断し、計画につなげられるようになりました。
新機能2により、キャッシュメモリを考慮したメモリ縮小が可能となり、メモリ縮小時もより高いパフォーマンスを保てるようになりました。