はじめに

Android/Javaプロジェクトの依存性注入フレームワークのひとつにdaggerがあります。
このdaggerの冗長なボラープレートや学習コストの高さを改善する新しいフレームワークがDagger Hiltです。

RoomはJetPackの一部として提供されているライブラリです。
SQliteにアクセスする処理をより簡潔に書くことができます。

Dagger Hilt と Room を併用するとbuildに失敗する

Roomはコンパイル時、データベースのスキーマ情報をJSONファイルにエクスポートします。
このJSONファイルをgitなどで管理することで、テストやデータベースのマイグレーションに役立てることができます。
スキーマをエクスポートするには、build.gradle ファイル内に room.schemaLocation アノテーションプロセッサプロパティを設定します（参考）。


    android {
        ...
        defaultConfig {
            ...
            javaCompileOptions {
                annotationProcessorOptions {
                    arguments = ["room.schemaLocation": "$projectDir/schemas".toString()]
                }
            }
        }
    }

しかしこのアノテーションプロセッサプロパティの書き換えは、dagger hiltのアノテーションプロセッサにも反映されてしまい、その結果buildが通りません。

> Task :app:kaptDebugKotlin FAILED
/Users/hiroyukitamura/StudioProjects/dagger-hilt-example/app/build/tmp/kapt3/stubs/debug/com/github/aakira/hilt/ui/second/SecondActivity.java:7: エラー: [Hilt]
public final class SecondActivity extends androidx.appcompat.app.AppCompatActivity {
             ^
  Expected @AndroidEntryPoint to have a value. Did you forget to apply the Gradle Plugin?

解決方法

そこで前述のようにアノテーションプロセッサプロパティを書き換えず、追加することで対応します。


    android {
        ...
        defaultConfig {
            ...
            javaCompileOptions {
                annotationProcessorOptions {
                    // "="ではなく"+="にすればargmentが追加されるだけで書き換わりません！
                    arguments += ["room.schemaLocation": "$projectDir/schemas".toString()]
                }
            }
        }
    }

最後に

既にPRがdaggerにあがっているので、そのうちdaggerのドキュメントが更新されるかと思います。

参考記事

Hilt build fails if set annotationProcessorOptions in gradle