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電波法を説明します➃[特定小電力]➂

Last updated at Posted at 2025-05-12

前回、時間の例として送信時間制限やキャリアセンスなどを説明しました。引き続き時間ですが、2.4GHzのみに特化して説明します。結論を先に言いますが、2.4GHzには時間の規定はありません。つまり、いつでも自由に電波を出すことができます。但し、最近はドローンなどの一部でキャリアセンスの要求があります。ただ、不思議なのがレベルの規定がないのです。結局、取って付けただけの規定で、意味があるのかは不明です。

2.4GHzは皆さんがWi-Fiを使うときに選択する周波数で、現在は2.4GHzと5GHzの両方を使い分けていると思います。5GHzについては周波数を拡げてWi-Fi6やWi-Fi7などの高速化が進んでいます。但し、無線LANとしては2.4GHzから始まり、混信問題から5GHzに拡張されています。IEEE802.11で始まる規格が基本的にWi-Fiとして利用されています。
2.4GHz帯はISMバンドと呼ばれ、IはIndustry、SはSientific、MはMedicalを指します。日本語で言えば「産業科学医療用の周波数バンド」となります。カッコ良く聞こえますが、無線からみたら「ゴミバンド」と揶揄されることが多いです。何故かというと、元々この周波数帯の無線通信としてはアマチュア用しかなく、電子レンジのマグネトロンの発振周波数でもあり、主にエネルギー伝送などで使われています。電子レンジを動かすとBluetoothのヘッドホンが聞こえずらくなるのはそのためです。ただ、このような理由からほぼ全世界で無線として使われていなかったため、電波としては空き状態で、周波数の変更なしにどこでも使えるメリットがあることから無線LANの規格としてIEEEが802.11を策定して、今に至ります。
2.4GHz帯が他の周波数と大きく違う内容を、電波法として取り上げると以下です。

➀チャネルの規定がない
➁占有帯域幅の規定はあるが、ざるの様に広い(26MHz)
➂時間制限がない
➃キャリアセンス不要(一部ラジコンなどで定義)
➄送信出力規定がmW/MHzと謎の「/MHz」が入る
➅半値角規定により最大10倍の送信が可能

2.4GHzは全世界で使えることから、初期に制度化されたあとから緩和されたことが多く、➅の半値角規定もその1つです。
半値角とは送信出力ピークの半分のレベルになる角度で、全周が360度のため半値角が18度のアンテナなら出力が半分の角度は18×2=36となり、送信可能なアンテナゲインの付加分は360÷36=10倍で、10倍は10dBのため12.14dBiのゲインのアンテナまで利用できます。送信出力の上限は10mW/MHzのため、最大22.14dBmの送信出力まで許容されることになります。半値角がその倍の36度なら360÷72=5のため、7.1dBiのゲインのアンテナが利用できます。一方、半値角が18度より狭い場合は計算上アンテナゲインを高くできそうですが、上限の付加は10dBのため12.14dBi以上のアンテナは利用できません。

話が長くなるので、2.4GHzの残りについては次回に説明します。

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