結局のところ、扱っているシステムの特徴や状況を踏まえて、何を満たす必要があるのか、非同期処理でないと実現できないのか、メリットデメリットを整理して判断したほうが良いのでは。検討する際の観点候補が下記。
同期処理と非同期処理の判断基準
1. 処理の即時性
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同期が適する場合: ユーザーが即時結果を求める
- 例: 決済処理、ログイン認証
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非同期が適する場合: 処理に時間がかかるため、待たせない方が良い
- 例: ファイル生成、動画エンコード
2. データの整合性
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同期が適する場合: 処理順序が厳密で、確実に適用される必要がある
- 例: 在庫管理、銀行取引
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非同期が適する場合: データ更新の順番が厳密でなくても問題ない
- 例: 分析データ集計、バッチ処理
3. システム負荷とスケーラビリティ
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同期が適する場合: 処理負荷が少なく、単純なリクエストで済む
- 例: API経由の小規模なデータ取得
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非同期が適する場合: 大量のリクエストが発生し、並列処理が有効
- 例: チャットアプリ、ゲームサーバー
4. 外部サービスとの連携
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同期が適する場合: 外部APIの結果を即時取得し、確定させる必要がある
- 例: 決済API、認証API
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非同期が適する場合: 外部サービスの応答が遅延し、待機時間を減らしたい
- 例: 天気予報データ取得、バックグラウンド処理
5. ユーザー体験
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同期が適する場合: 操作結果を即時表示しないとユーザーが混乱する
- 例: フォーム送信の確認、購入完了画面
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非同期が適する場合: ユーザーが待機せず、バックグラウンドで処理できる
- 例: ダウンロード、通知送信
まとめ
同期・非同期の選択は 「即時性」「整合性」「負荷」「外部サービス」「ユーザー体験」 の観点で判断する。
それぞれの用途に応じて適切な設計を考えることが重要。