Zorin OSとは
UbuntuベースのLinux Distroであり、Core, Pro, Educationの3つが展開されています。(Proは有料)
今回はCoreをインストール, 実際にUbuntu, Arch, Linux Mintと使用してきた私が使用感を調べてみます。
後半で色々なディストリビューションとも比較してるのでぜひ最後までご覧ください。
セットアップ
こちらのダウンロードを押してISOを落とします。
USBの焼き方は自由です。ddなり何でも焼いてください。私は面倒なのでVentoyに入れてます。
インストール
インストールしたメディアを選択してブートします。方法は各PCによって異なりますが、F2, F12, Delなどを押してブート選択画面に行き、自分が焼いたものを起動します。
手順に沿ってinstallしてください。自分はDual BootかつGRUBの設定を行ったのでここでは割愛します。
起動
無事にインストールできました。 Ubuntuベースであることがここからわかりますね!
details
haruki-goto@goto:~$ uname -a
Linux goto 6.14.0-36-generic #36~24.04.1-Ubuntu SMP PREEMPT_DYNAMIC Wed Oct 15 15:45:17 UTC 2 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
haruki-goto@goto:~$ cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Zorin OS 18"
NAME="Zorin OS"
VERSION_ID="18"
VERSION="18"
VERSION_CODENAME=noble
ID=zorin
ID_LIKE="ubuntu debian"
HOME_URL="https://zorin.com/os/"
SUPPORT_URL="https://help.zorin.com/"
BUG_REPORT_URL="https://zorin.com/os/feedback/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://zorin.com/legal/privacy/"
UBUNTU_CODENAME=noble
LOGO=zorin-logo
外観
GNOME 46 のカスタマイズです。
Zorin OSじゃないと!!!ってわけでもなくUbuntuもGNOMEですしおおきく変わりはしないかなと思います。
WindowsOSに似せた外観でタスクバーや慣れ親しんだAlt Tabなどのショートカットは標準で使えます。
インストールできるレベルの人はITスキルがあるので、まず使えないということはないはずです。
あと、標準ブラウザがBraveだったのが印象的でした。
設定画面もGNOME Settingsでわかりやすいです。
設定とコントロールセンターが別れてるOSと違って

ただ、snapがパーテイション割らなくなったんですかね?以前Ubuntu24のときはlsblkがとても煩雑できらいでしたが改善されたのでしょうか?
lsblk
haruki-goto@goto:~$ lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sda 8:0 0 931.5G 0 disk
└─sda1 8:1 0 931.5G 0 part
sdb 8:16 0 1.8T 0 disk
└─sdb1 8:17 0 1.8T 0 part
sr0 11:0 1 1024M 0 rom
nvme0n1 259:0 0 1.9T 0 disk
├─nvme0n1p1 259:1 0 512M 0 part
├─nvme0n1p2 259:2 0 1.4T 0 part
└─nvme0n1p3 259:3 0 465.7G 0 part /
nvme1n1 259:4 0 465.8G 0 disk
├─nvme1n1p1 259:5 0 100M 0 part /boot/efi
├─nvme1n1p2 259:6 0 16M 0 part
├─nvme1n1p3 259:7 0 464.8G 0 part
└─nvme1n1p4 259:8 0 816M 0 part
Windowsアプリを実行する (Windows App Support)
正直言って、この記事をご覧の方はそんなsnapとかGNOMEとかどうでも良くて、糞OS Windowsからの乗り換えが多いはずです。(筆者は重度のLinux過激派です)
ちゃんとWindowsの代替品として 手軽に 使えるかが大事かなと思います。具体的にはコマンド操作なしにWindowsの実行ファイルが実行できるのが目標です。
今回はLINEを実行してみます。ちなみに以前はFlatpak経由でBottlesをインストールして実行した経験があります。
どうやらZorinはBottlesを使用しているらしいです。
実行ファイルをダブルクリックすると以下のようなAlertが出現します。
左をクリックすることでWindows App Support (Bottlesチューニング)が入ります。
LINE
Windows App Supportを入れてみましょう。~10分くらいでインストールが完了しました。
完了次第でLINEが起動しました。フォント設定など何もしてません。
ここでログイン後に画面遷移せず...
つまりウィンドウのRespawnに 失敗でした。
メールアドレスでログインも失敗してます。(パスワードは確実に正確です)
後述のLINEのバージョンを下げるもご覧ください。
Aviutl
動きはするが文字化け状態でした。
Scansnap Home
スキャナドライバですね。オフラインドライバをダウンロードしました。
だめですね〜
ダウンロードインストーラ
ってなわけでかなり難しいですね...そもそもエラー文までわからずお手上げです。
ってわけでLinuxでスキャナドライバを使用したいときは潔くSANEを使えってことらしい!
過去に私がLinuxでスキャナドライバの記事を書いているのでぜひ
Windows App Supportの感想
うまく動かないです。というのも動くソフトはあるが、フォントが明らかに足りてません。cjkfontsが必要なはずですが、どうやって入れるんでしょう?
Windows App Supportの設定方法がわからず...(わかる方がいれば教えてください)
ただ、Windows版アプリがLinuxネイティブにインストール判定されてるように見えるUIになっており、かなり惜しいところまで来ている印象です。
BottlesでWindowsアプリを実行する
Windows App Supportはアプリによって動作すること、また日本語には限界があることがわかりました。
ってことでBottlesを通してリベンジします。
startからbottlesでヒットするはずです。
ボトルを作成します。
ボトル作成後です
LINE
実行可能ファイルを実行...からLineInst.exeを選択します。
起動
安定に文字化けしてます。
cjkfontsを入れます。(China, Japan, Koreanのフォントセット)
再度実行してみると文字化けは解消されていました。
ここでログイン実行後またウィンドウ起動が不発。
どうやら最新ビルドは落ちるらしいです。
Aviutl
Bottlesでcjkfontsを入れたら完璧!
動いてそうです。ただ全く使い方がわからないので割愛...
ScanSnap Home
cjkfontsのおかげで文字化けはないですね
やっっっぱりだめですね。その後色々Windows8にしたりしましたがだめでした。
LINEのバージョンを下げる
Windows App SupportでLINEのバージョンを下げたもの8.5.0を入れて起動しました。
なんの不具合もなくすっと起動してくれました。
ですが、マイク、スピーカなどが取れてません...
Bottles経由でやってみましたが、失敗。
通話以外はWindows App Support + LINE 8.5.0でできましたが、それならChrome拡張機能のLINEを使いましょう...
Protonを試す
Steamをストアから落とし、ログイン後にSettingsへ遷移
互換性からProton Experimentalを選択
非steamゲームを追加
ですが、LINE, Scansnap, TJAPlayer, Aviutlは動作せず...
以下の記事のような状況に直面します。
再起動やProtonのバージョンを変更してみましたが解決せず...
ログアウト後、右下歯車マークからXorgで起動を選べるのでWaylandからX11で挑戦してみましたが失敗...
Assetto Corsaなど実行してみましたが一つもProton経由で実行はできませんでした。
これはリベンジしたいですし、ご指摘あればお願いします。
Windows互換として頑張れるか?
個人的にUbuntu18とかのときに比べたら雲泥の環境ですし、Windows App Supportでほぼ動くはずですが、自分の環境では動かないソフトもあるという感じです。
完全に動作させたいということであればWineの知識はまだまだ必須かなと思います。
手軽にコマンド無しでやってみる範囲では限界は感じました。
ただ、90%も互換あると聞いていたのでかなり外してて悔しいですねw
Zorin Connect
Zorinの特徴です。スマホと接続することができ、ファイルの送信だったり色々機能があります。
ここからアプリと連携を簡単に行えます。
- ファイルの送信
スマホからファイル送信で、ファイルを選択すれば
このようにPCへ簡単にファイルを送ることができます。(実際に上のファイルはそれで送信しました。)
- 通知の共有
このようにスマホの通知が共有されます。
その他は以下のことができるようです。
- メッセージ
(SMSをPCから送信できます。) - Ring
PCからスマホに発信できます(おそらくスマホ紛失時を想定) - Remote Input
- Mount
ネットワーク経由でファイルが見れるらしいですが、うまく行きませんでした。(権限は付与してますが) - Share
ファイルの送信(PC => Phone)です
Windowsから乗り換えようと考えている人へ
私はかなりWindowsが嫌いで、その理由に高額なライセンス料や制約の多いOSであるにも関わらず広告まみれ。
数年前からメインをWindows => Linuxに移管しました。
良かったことはたくさんあり、PCに詳しくなるし、何より無料なので複数台所持している身からするとかなり違います。
そしてなにより自由度の高いOSであることは間違いないです。そしてそんな私はLinux過激派を続けて3年ほど経過しました。
そんな経験を通して言えるのが、Windowsアプリを使いたいならWindowsとデュアルブートするべきです。
これはなぜかというと、私もですがゲームだったりスキャナドライバだったりはWindowsで実行するほうが圧倒的に楽な上、素人がWine(ないしWindows App Support, Bottles)を頼りに挑戦すると絶対といっていいほど痛い目を見ます。
GRUBで起動時にWindows, Linuxの選択ももちろん可能です。
かくいう私も、スキャナドライバ、Electron Build環境、Apexなどの実行のためにWindowsは残しています。
かなり癪(?)ですが、Linux一本で行くにはそれ相応の覚悟と知識が必要です。
そんな私がWindowsから逃れるためにやってきたことを以下で紹介できたらと思います。
Windows => Linuxへ移行のすすめ
- 日本語入力はfcitx5, Mozcがおすすめ
- MSOfficeはGoogleのSpreadsheet, Docs, Slideで代用。どうしてものときはウェブ版MSOfficeで最終確認だけ使用する。もしくはMarpでスライドを作成する。DocsはLaTexを使用する。簡単なメモはMarkdownで取る。
- iPhoneのバックアップ
- ドキュメントスキャナを仕方なく動作させる
- 顔認証したい
- Androidのバックアップ
- USB Wi-Fiアダプタを使用する
- HDDを使う
Disksでもいいですが、mountコマンドは覚えておいて損は無い
-
パスワードを管理はBitwardenを使用する
-
Remote DesktopはRustDeskがおすすめ
Chromte Remote Desktop, VNCなど色々試したがRustDeskが最も安定で高速 -
VPNはTailscaleがおすすめ
以上のことができるとLinux生活が楽しくより便利になると思います。
Linux ディストリビューション比較
-
Linux Mint ☆☆☆☆☆
私が一番おすすめいしているOSです。Linux MintはUbuntuの嫌なところをきれいに排除していると思います。具体的にはsnapを排除しているところなどですね。
そこそこシンプルかつ、わかりやすい。デスクトップ環境のCinnamonはWindowsのショートカットキーがほぼ同様に使用できるところもいいです。
軽量に行きたいならLinux Mint Xfceも選択肢としてあります。
ただ、Zorin OSほどおせっかいなOSではないです。
Windows App Supportなどはありません。 -
Ubuntu ☆☆☆☆
Ubuntuはデスクトップ環境にGnomeを使用しており、Zorin OSと操作感はほぼ同じでしょう。snapも初心者にとっては便利ですしおすすめです。(私はsnapはあまり好みではないです)
個人的にはLinux Mintよりはすこしリッチな感じに仕上がってると思います。
Windowsからの移行にわざわざUbuntuを選ぶよりかはZorinのほうが、まだWindows App Supportもあるし初心者には優しいと思いいます。
ただLinuxといえばUbuntuと言われるくらい標準的なので間違いはないです。 -
Debian ☆☆
初心者向けではないですが、UbuntuもLinux Mintも嫌だけどDebian系がいいなら王道のDebianは間違いないです。 -
Arch Linxu ☆
初心者は絶対に避けるべきです(installすらできません)。Do It YourselfなOSで、インストールにはコマンド画面しか用意されておらず、フォーマット, マウント, ブートローダの設定, ネットワーク接続, カーネルインストールなど完全自力で行います。そしてWindows10, 11, 12...などとメジャーバージョンが更新されるたびに環境が大きく変化するOSではなくArch Linuxはそういった概念がないため長く使い続けられます。pacmanと呼ばれる強力なパッケージマネージャ、ないしAURを使用してマシンを管理します。刺さる人には刺さる上級者向け。
その他色々比較したい方はこちらへ
さいごに
ZorinはWindowsの完全代替品として扱えるわけではないけど、Windowsからの移行ユーザに優しい設計にはなっていると思います。デュアルブートをして徐々に移行していくことで行けると思います。個人的にはLinux Mintのほうが思想や操作感は好きなのでZorinはサブ使用に使う予定です。
普段PCで行っていることをLinuxでできるか下調べを行い、最終的にうまく行ったらいいなくらいの気持ちでWindows App Supportを使用するくらいが気は楽です。
動かないと思ってたら動いた!くらいの気持ちでいきましょう。
Windows11に疲れた方はぜひこの機会に挑戦してみてください。
Windowsからの移行ユーザが増えることを切に願っています!







































