はじめに
NoSQLや分散データベースを扱う開発現場でよく登場する「パーティションキー」。
本記事では、パーティションキーの役割、使い方、設計の注意点について、初心者にも分かりやすく解説します。
パーティションキーとは?
パーティションキー(Partition Key)とは、データを複数の領域(パーティション)に分割・分散して保存するための「基準」となるキーです。
主に以下の目的で使われます
- データを分散して保存することでスケーラビリティを確保
- 高速なアクセスを可能にする
- サーバー負荷分散を実現する
よく使われるデータベース
パーティションキーは、次のような分散型データベースで登場します。
- Amazon DynamoDB
- Apache Cassandra
- MongoDB(※「シャーディングキー」という名称で使われる)
- Google Bigtable など
具体例
DynamoDBで「都道府県ごとの売上」を保存する場合
[json]
{
"PartitionKey": "tokyo",
"Timestamp": "2025-06-12T00:00:00Z",
"Sales": 10000
}
この場合、「Tokyo」という値を持つデータは、同じパーティション(保存場所)に集まるように設置されます。
設計時の注意点:ホットパーティション問題
ホットパーティションとは?
パーティションキーの値が偏っていると、特定のホットパーティションにアクセスが集中してパフォーマンスが低下します。これは「ホットパーティション問題」です。
よくある失敗例
[plaintext]
PartitionKey = "2025-01-01"
→多くのデータが同じ日付で登録されてしまい、1つのパーティションに負荷が集中します。
パーティションキー設計のポイント
- データが均等に分散されるようなキーを選ぶ
- 時系列データでは ユーザーID + 日付 などの複合キーも検討
- アクセスパターン(どのデータをよく検索するか)を意識して設計
設定ファイルとの違いは?
項目 | 内容 |
---|---|
パーティションキーとは? | システム全体の設定 |
主な役割 | スケーラビリティ、アクセス高速化、負荷分散 |
使用されるDB | DynamoDB、Cassandra、MongoDB など |
設計の注意点 | 偏りによるホットパーティション問題に注意 |
ベストプラクティス | 均等分散・アクセスパターンを意識したキー設計 |
おわりに
パーティションキーは、単なる「キー」ではなく、パフォーマンスとスケーラビリティに直結する重要な要素です。
今後NoSQLや分散DBに関わる方は、ぜひ理解を深めておきましょう。