Maximo REST API（MXAPIWO）で作業指示書データを取得する方法

はじめに

IBM Maximoは、資産管理や保全業務を効率化するための強力なプラットフォームです。
その中で、REST APIを利用することで、他システムとの連携や自動化が可能になります。

本記事では、Maximoの「作業指示書API（MXAPIWO）」を使って情報を取得する手順をご紹介します。

前提条件

以下の環境・設定を前提とします。

• Maximo Manage 8 以降のバージョンを使用していること
• 管理者ユーザー（maxadmin）で操作を行うこと

ゴール

この記事のゴールは、作業指示書の情報をAPI経由で取得することです。
具体的には、MaximoのREST APIでオブジェクト構造 MXAPIWO にアクセスし、作業指示書情報を取得します。

あわせて、必要な設定とコードスニペットもご紹介します。

手順概要

まずは、APIを使うまでの全体像を把握しましょう。
具体的な操作方法は後ほど詳しく解説します。

1. APIキーの発行
2. セキュリティグループにオブジェクト構造（MXAPIWO）のアクセス権を付与
   • ※設定変更後はログアウトしないと反映されないため注意
3. 発行したAPIキーを使ってAPIにリクエストを送信

詳細な手順

1. APIキーの発行

サイドメニューの「統合」→「APIキー」から、「APIキーの追加」を選択します。
ここで新しいAPIキーを発行できます。

2. セキュリティ設定

APIから MXAPIWO のデータにアクセスするには、対象ユーザーが属するセキュリティグループにアクセス権限を付与する必要があります。

2-1. セキュリティグループの検索

サイドメニューの「セキュリティー」→「セキュリティー・グループ」へ移動します。

ここでは、APIを呼び出すユーザー（今回は maxadmin）が所属するセキュリティグループ（今回は MAXADMIN）を選択します。

2-2. オブジェクト構造の権限設定

「オブジェクト構造」タブを開きます。
フィルターアイコンから MXAPIWO を検索し、対象の行を選択します。

2-3. アクション権限と属性権限を設定

下にスクロールすると、以下の2つの権限設定欄があります。

• 上：アクションの権限（GET, POST, PUT, DELETE）
• 下：データ項目ごとの権限

今回は、すべて許可して保存します。

2-4. 設定の反映（ログアウト）

⚠ セキュリティ設定の変更を反映させるには、一度ログアウトが必要です。
Maximoではセッション中に権限変更が反映されないため注意しましょう。

3. APIを呼び出す

OpenAPI（Swagger UI）でAPI定義を確認できます。

URL末尾に /maximo/api.html を付けてアクセスしてください。
例：https://your-environment.com/maximo/api.html

出典: IBM Maximo REST API

4. cURLで呼び出してみる

以下のcURLコマンドで、MXAPIWO の情報を取得できます。
your-api-key と your-environment.com は自身の環境に置き換えてください。

curl -X GET "https://masworkspace.manage.your-environment.com/maximo/api/os/mxapiwo" \
     -H "accept: application/json" \
     -H "apikey: your-api-key" \
     --insecure \
     --get \
     --data-urlencode "oslc.where=wonum=1318" \
     --data-urlencode "oslc.select=wonum,siteid,description,assetnum,failurecode,problemcode,jpnum,wopriority,estdur,status,status_description" \
     --data-urlencode "lean=1"

5. 返り値の例

{
  "member": [
    {
      "_rowstamp": "1498977",
      "status_description": "Waiting on approval",
      "worklog_collectionref": "http://localhost/maximo/api/os/mxapiwo/_QkVERk9SRC8xMzE4/modifyworklog",
      "failurecode": "PUMPS",
      "assetnum": "11430",
      "description": "作業指示書作成デモ8888",
      "siteid": "BEDFORD",
      "href": "http://localhost/maximo/api/os/mxapiwo/_QkVERk9SRC8xMzE4",
      "estdur": 0.0,
      "status": "WAPPR",
      "wonum": "1318"
    }
  ],
  "href": "http://localhost/maximo/api/os/mxapiwo",
  "responseInfo": {
    "href": "https://masworkspace.manage.your-environment.com/maximo/api/os/mxapiwo?oslc.where=wonum%3d1318&oslc.select=wonum%2csiteid%2cdescription%2cassetnum%2cfailurecode%2cproblemcode%2cjpnum%2cwopriority%2cestdur%2cstatus%2cstatus_description&lean=1"
  }
}

おわりに

MaximoではAPIを活用することで、外部連携や業務の自動化が可能になります。
今回は、作業指示書API（MXAPIWO）の呼び出し手順をご紹介しました。

この方法は、他のオブジェクト構造にも応用可能です。たとえば、

• 資産（MXAPIASSET）
• 保守計画（MXAPIPM）

なども同様にアクセスできます。

今後は、作業指示の自動作成や進捗管理の自動化など、より高度な業務連携にもチャレンジしてみてください。
MaximoのREST APIを活用すれば、現場の業務効率化をさらに一歩進めることが可能です。

参考リンク

• Maximo 製品情報
  https://www.ibm.com/jp-ja/products/maximo

• Maximo REST API（IBM Developer）
  https://developer.ibm.com/apis/catalog/maximo--maximo-manage-rest-api/Introduction