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リリース機能

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リリース機能

(トップページはこちら) - (アプリケーションのデプロイとリリースを始める)

GitLabのリリース機能は、プロジェクトの重要なマイルストーンにおいて、コード、バイナリ、ドキュメント、リリースノートを統合した完全なスナップショットを作成します。リリースを作成すると、GitLabは自動的にコードにタグを付け、スナップショットをアーカイブし、監査対応可能なエビデンスを生成します。これにより、コンプライアンス要件に対応した永続的な記録が作成され、開発プロセスに対するユーザーの信頼性を高めることができます。

対応エディション: Free、Premium、Ultimate(GitLab.com、GitLab Self-Managed、GitLab Dedicated)

ユーザーは以下のメリットを享受できます。

  • 最新の安定版とインストールパッケージへの簡単なアクセス
  • 新機能と修正に関する明確なドキュメント
  • 対応するアセットを含む特定バージョンのダウンロード機能
  • プロジェクトの進化を時系列で追跡できるシンプルな方法

重要な注意事項: リリースに関連付けられたGitタグを削除すると、リリースも削除されます。

1. リリース機能の概要

1.1 リリースで実現できること

リリースを作成する際、または作成後に以下を追加できます。

  • リリースノート
  • リリースに関連付けられたGitタグのメッセージ
  • マイルストーンとの関連付け
  • ランブックやパッケージなどのリリースアセット

1.2 リリース作成方法の選択ガイド

プロジェクトの状況に応じて、最適な作成方法を選択してください。

状況 推奨方法 理由
定期的なリリースを自動化したい CI/CDパイプライン 人的ミスを削減し、一貫性を確保
手動で細かく制御したい リリースページ UIで直感的に操作可能
外部ツールと連携したい Releases API プログラマティックな制御が可能
複数プラットフォーム向けリリース CI/CDパイプライン(複数ジョブ) iOS、Androidなどを同時リリース

1.3 リリース作成の全体フロー

2. リリースの表示と管理

2.1 リリース一覧の確認

リリース一覧を表示するには、以下の方法があります。

  • 左サイドバーから Deploy > Releases を選択
  • プロジェクトの概要ページで、リリース数を選択

表示権限:

  • パブリックプロジェクト: すべてのユーザーに表示
  • プライベートプロジェクト: 少なくともReporterロールを持つユーザーに表示

2.2 リリースのソート

リリースは Released date(リリース日)または Created date(作成日)でソートできます。昇順・降順の切り替えも可能です。

デフォルトでは、GitLabはreleased_at時刻を使用してリリースを取得します。クエリパラメータ?order_by=released_atの使用はオプションです。

2.3 最新リリースへの永続的リンク

GitLabは最新リリースページへの永続的なリンクを提供します。このURLは常に最新リリースページにリダイレクトされます。

URLの形式:

https://gitlab.example.com/namespace/project/-/releases/permalink/latest

サフィックス付きの例:

gitlab-orgネームスペースのgitlab-runnerプロジェクトで最新リリースがv17.7.0#releaseの場合:

https://gitlab.com/gitlab-org/gitlab-runner/-/releases/permalink/latest#release

この機能により、ドキュメントやスクリプトに固定URLを記載でき、常に最新バージョンを参照できます。

2.4 RSSフィードでリリースを追跡

GitLabはプロジェクトのリリースをAtom形式のRSSフィードで提供します。

フィードの表示手順:

  1. メンバーになっているプロジェクトの場合:
    1. 左サイドバーから Search or go to を選択してプロジェクトを検索
    2. Deploy > Releases を選択
  2. すべてのプロジェクトの場合:
    1. Project overview ページに移動
    2. 右サイドバーで Releases を選択
  3. 右上隅のフィードシンボルを選択

RSSリーダーに登録することで、新しいリリースの通知を自動的に受け取れます。

3. リリースの作成

3.1 リリースページでの作成(UI)

前提条件: プロジェクトに対して少なくともDeveloperロールが必要です。

作成手順:

  1. 左サイドバーから Search or go to を選択してプロジェクトを検索
  2. Deploy > Releases を選択し、New release をクリック
  3. Tag name ドロップダウンリストから既存のGitタグを選択するか、新しいタグ名を入力
    • 既存のタグを選択する場合: すでにリリースに関連付けられているタグを選択すると検証エラーが発生します
    • 新しいタグを作成する場合:
      1. Create tag ポップオーバーから、新しいタグを作成する際に使用するブランチまたはコミットSHAを選択
      2. オプションで、Set tag message テキストボックスにメッセージを入力してアノテーテッドタグを作成
      3. Save を選択
  4. オプションで、追加情報を入力:
    • タイトル
    • マイルストーン
    • リリースノート
    • タグメッセージを含めるかどうか
    • アセットリンク
  5. Create release を選択

3.2 CI/CDジョブによる作成(自動化)

CI/CDパイプラインの一部として、ジョブ定義でreleaseキーワードを使用してリリースを直接作成できます。リリースはパイプラインの最終段階で作成することが推奨されます。

リリースは、ジョブがエラーなく処理された場合にのみ作成されます。リリース作成中にAPIがエラーを返した場合、リリースジョブは失敗します。

パターン1: Gitタグが作成されたときにリリースを作成

stages:
  - build
  - test
  - release

build_job:
  stage: build
  script:
    - echo "アプリケーションをビルド"
    - make build

test_job:
  stage: test
  script:
    - echo "テストを実行"
    - make test

release_job:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - echo "リリースを作成"
  release:
    tag_name: '$CI_COMMIT_TAG'
    name: 'リリース $CI_COMMIT_TAG'
    description: './CHANGELOG.md'

パターン2: デフォルトブランチへのマージ時にリリースを作成

release_job:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_BRANCH == $CI_DEFAULT_BRANCH
  script:
    - echo "バージョン番号を生成"
  release:
    tag_name: 'v1.0.$CI_PIPELINE_IID'
    name: 'リリース v1.0.$CI_PIPELINE_IID'
    description: '自動生成されたリリース'

パターン3: カスタムスクリプトでリリースメタデータを作成

prepare_release:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - echo "リリースノートを生成"
    - ./scripts/generate_release_notes.sh > release_notes.md
    - |
      glab release create "$CI_COMMIT_TAG" \
        --name "リリース $CI_COMMIT_TAG" \
        --notes-file release_notes.md

3.3 カスタムSSL CA証明書の使用

ADDITIONAL_CA_CERT_BUNDLE CI/CD変数を使用して、カスタムSSL CA証明書を設定できます。この変数は、glab CLIがカスタム証明書を使用してHTTPS経由でAPIを通じてリリースを作成する際に、ピアを検証するために使用されます。

.gitlab-ci.ymlでの設定例:

release:
  variables:
    ADDITIONAL_CA_CERT_BUNDLE: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        MIIGqTCCBJGgAwIBAgIQI7AVxxVwg2kch4d56XNdDjANBgkqhkiG9w0BAQsFADCB
        ...
        jWgmPqF3vUbZE0EyScetPJquRFRKIesyJuBFMAs=
        -----END CERTIFICATE-----
  script:
    - echo "リリースを作成"
  release:
    name: '素晴らしいリリース'
    tag_name: '$CI_COMMIT_TAG'

ADDITIONAL_CA_CERT_BUNDLE値は、UIでカスタム変数として設定することもできます。証明書へのパスが必要なfileとして、または証明書のテキスト表現が必要な変数として設定できます。

3.4 単一パイプラインでの複数リリース作成

1つのパイプラインで複数のreleaseジョブを実行できます。これは、複数プラットフォーム向けのリリースを同時に作成する場合に便利です。

ios-release:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - echo "iOSリリースジョブ"
  release:
    tag_name: v1.0.0-ios
    description: 'iOSリリース v1.0.0'

android-release:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - echo "Androidリリースジョブ"
  release:
    tag_name: v1.0.0-android
    description: 'Androidリリース v1.0.0'

3.5 Generic Packagesとしてのリリースアセット

Generic Packagesを使用してリリースアセットをホストできます。これにより、バイナリファイルやその他のアセットをGitLabのパッケージレジストリに保存し、リリースに関連付けることができます。

完全な設定例:

stages:
  - build
  - upload
  - release

build_package:
  stage: build
  script:
    - echo "パッケージをビルド"
    - make build
    - tar -czf myapp-${CI_COMMIT_TAG}.tar.gz dist/
  artifacts:
    paths:
      - myapp-${CI_COMMIT_TAG}.tar.gz

upload_package:
  stage: upload
  image: curlimages/curl:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - |
      curl --header "JOB-TOKEN: ${CI_JOB_TOKEN}" \
           --upload-file myapp-${CI_COMMIT_TAG}.tar.gz \
           "${CI_API_V4_URL}/projects/${CI_PROJECT_ID}/packages/generic/myapp/${CI_COMMIT_TAG}/myapp-${CI_COMMIT_TAG}.tar.gz"

create_release:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - |
      glab release create "$CI_COMMIT_TAG" \
        --name "リリース ${CI_COMMIT_TAG}" \
        --notes "リリースノートをここに記載" \
        myapp-${CI_COMMIT_TAG}.tar.gz \
        --use-package-registry

含めたいアセットごとに、追加の--assets-linkリンクを追加します。

4. 特殊なリリースタイプ

4.1 予定リリース(Upcoming Releases)

Releases APIを使用して、事前にリリースを作成できます。将来のreleased_at日付を設定すると、リリースタグの横に Upcoming Release バッジが表示されます。released_at日時が過ぎると、バッジは自動的に削除されます。

使用例:

  • 事前にリリース情報を公開し、ユーザーに予告する
  • マーケティングキャンペーンと連動したリリーススケジュールを管理
  • 複数チーム間でリリース日程を共有

4.2 過去リリース(Historical Releases)

導入バージョン: GitLab 15.2

Releases APIまたはUIを使用して、過去のリリースを作成できます。過去のreleased_at日付を設定すると、リリースタグの横に Historical release バッジが表示されます。

重要な制限: 過去にリリースされたため、リリースエビデンスは利用できません。

使用例:

  • 既存プロジェクトをGitLabに移行する際、過去のリリース履歴を再現
  • 以前のリリースを遡って文書化
  • レガシーシステムからのマイグレーション

4.3 予定リリースと過去リリースの比較

項目 予定リリース 過去リリース
released_atの設定 未来の日時 過去の日時
バッジ表示 Upcoming Release Historical release
リリースエビデンス 利用可能 利用不可
主な用途 リリース予告 履歴の再現

5. リリースの編集と削除

5.1 リリースの編集

リリース作成後に詳細を編集できます。Update a release APIまたはUIを使用します。

前提条件: 少なくともDeveloperロールが必要です。

UIでの編集手順:

  1. 左サイドバーから Deploy > Releases を選択
  2. 変更したいリリースの右上隅にある Edit this release(鉛筆アイコン)を選択
  3. Edit Release ページでリリースの詳細を変更
  4. Save changes を選択

編集可能な項目:

  • タイトル
  • リリースノート
  • マイルストーンの関連付け
  • アセットリンク

5.2 リリースの削除

導入バージョン: GitLab 15.2

前提条件: 少なくともDeveloperロールが必要です。

重要な動作:

  • リリースを削除すると、そのアセットも削除されます
  • ただし、関連するGitタグは削除されません
  • 逆に、Gitタグを削除すると、関連するリリースも削除されます

UIでの削除手順:

  1. 左サイドバーから Search or go to を選択してプロジェクトを検索
  2. Deploy > Releases を選択
  3. 削除したいリリースの右上隅にある Edit this release を選択
  4. Edit Release ページで Delete を選択
  5. Delete release を選択

削除時の注意事項:

6. マイルストーンとの関連付け

6.1 マイルストーンの関連付け方法

リリースを1つ以上のプロジェクトマイルストーンに関連付けることができます。GitLab Premiumでは、グループマイルストーンも指定できます。

ユーザーインターフェースまたはReleases APIへのリクエストにmilestones配列を含めることで、この操作を実行できます。

UIでの関連付け手順:

  1. 左サイドバーから Deploy > Releases を選択
  2. 変更したいリリースの右上隅にある Edit this release(鉛筆アイコン)を選択
  3. Milestones リストから関連付けたいマイルストーンを選択(複数選択可能)
  4. Save changes を選択

6.2 マイルストーンとリリースの関係

Deploy > Releases ページでは、Milestone がトップセクションに表示され、マイルストーン内のイシューに関する統計情報も確認できます。

リリースは Plan > Milestones ページでも表示され、このページでマイルストーンを選択したときにも確認できます。

マイルストーンとリリースの統合例:

  • マイルストーン「バージョン 1.0」に10個のイシューが含まれる
  • そのうち8個が完了し、2個が未完了
  • リリース「v1.0.0」をこのマイルストーンに関連付け
  • リリースページで、マイルストーンの進捗状況(80%完了)が表示される

制限事項: サブグループのプロジェクトリリースは、親グループのマイルストーンに関連付けることができません。

6.3 マイルストーンを活用したリリース管理

7. リリース作成時の通知

7.1 通知の設定

新しいリリースが作成されたときにメール通知を受け取ることができます。

通知購読の手順:

  1. 左サイドバーから Project overview を選択
  2. Notification setting(ベルアイコン)を選択
  3. リストから Custom を選択
  4. New release チェックボックスを選択
  5. ダイアログボックスを閉じて保存

通知のタイミング:

  • リリースがUIで作成されたとき
  • CI/CDパイプラインでリリースが作成されたとき
  • APIでリリースが作成されたとき

通知内容:

  • リリース名
  • タグ名
  • リリースノートの概要
  • リリースへのリンク

8. デプロイフリーズによる意図しないリリースの防止

8.1 デプロイフリーズの概要

デプロイフリーズ期間を設定することで、指定した期間中の意図しない本番リリースを防止できます。デプロイフリーズは、デプロイの自動化における不確実性とリスクを軽減します。

使用例:

  • 年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇期間
  • 重要なイベントやキャンペーン期間中
  • システムメンテナンス期間
  • 監査期間中

8.2 デプロイフリーズの仕組み

メンテナーは、UIまたはFreeze Periods APIを使用して、freeze_startfreeze_endをcrontabエントリとして定義できます。

フリーズ期間中にジョブが実行される場合、GitLab CI/CDは$CI_DEPLOY_FREEZEという環境変数を作成します。

8.3 デプロイフリーズの設定

グループ全体での設定:

グループ内の複数プロジェクトでデプロイジョブの実行を防ぐには、グループ全体で共有されるファイルに.freezedeploymentジョブを定義します。

# グループ共有ファイル: .gitlab-ci-templates/freeze-deployment.yml
.freezedeployment:
  stage: deploy
  before_script:
    - '[[ ! -z "$CI_DEPLOY_FREEZE" ]] && echo "インフラストラクチャメンテナンス期間" && exit 1; '
  rules:
    - if: '$CI_DEPLOY_FREEZE'
      when: manual
      allow_failure: true
    - when: on_success

プロジェクトでの使用:

プロジェクトの.gitlab-ci.ymlファイルでextendsキーワードを使用して、.freezedeploymentテンプレートジョブから設定を継承します。

include:
  - project: 'group/ci-templates'
    file: '.gitlab-ci-templates/freeze-deployment.yml'

deploy_to_production:
  extends: .freezedeployment
  script: deploy_to_prod.sh
  environment: production

この設定は、デプロイジョブを条件付きでブロックし、パイプラインの継続性を維持します。フリーズ期間が定義されている場合、ジョブは失敗し、パイプラインはデプロイなしで続行できます。フリーズ期間後に手動デプロイが可能です。

8.4 UIでのデプロイフリーズ設定

設定手順:

  1. Maintainerロールでサインイン
  2. 左サイドバーから Search or go to を選択してプロジェクトを検索
  3. Settings > CI/CD を選択
  4. Deploy freezes までスクロール
  5. Expand を選択してデプロイフリーズテーブルを表示
  6. Add deploy freeze を選択してモーダルを開く
  7. 開始時刻、終了時刻、タイムゾーンを入力
  8. モーダルで Add deploy freeze を選択
  9. デプロイフリーズが保存された後、編集ボタンを選択して編集、削除ボタンを選択して削除できます

複数フリーズ期間の動作:

プロジェクトに複数のフリーズ期間が含まれる場合、すべての期間が適用されます。重複する場合は、完全な重複期間がフリーズ対象となります。

8.5 デプロイフリーズの動作フロー

9. リリース権限

9.1 権限の概要

GitLabのリリース機能には、きめ細かい権限設定があります。プロジェクトの可視性とユーザーロールに応じて、アクセス権が異なります。

9.2 権限マトリクス

操作 Guest Reporter Developer Maintainer 備考
リリース一覧の表示 プライベートプロジェクトの場合
リリースのダウンロード -
ソースコードの表示 × Guestは編集される
リリースエビデンスの表示 × Guestは編集される
リリースの作成 × × -
リリースの編集 × × -
リリースの削除 × × -
保護されたタグのリリース作成 × × 保護されたタグの作成権限が必要

9.3 リリースの表示とアセットのダウンロード

Reporterロール以上:

  • プロジェクトリリースへの完全な読み取りおよびダウンロードアクセス権を持ちます
  • すべてのリリース情報、ソースコード、リリースエビデンスにアクセス可能

Guestロール:

  • プロジェクトリリースへの読み取りおよびダウンロードアクセス権を持ちます
  • 関連するGitタグ名、リリース説明、リリースの作成者情報にアクセス可能
  • ただし、ソースコードやリリースエビデンスなど、他のリポジトリ関連情報は編集されます

9.4 ソースコードへのアクセスを与えずにリリースを公開

導入バージョン: GitLab 15.6

リリースを非プロジェクトメンバーがアクセス可能にしながら、ソースコードやリリースエビデンスなどのリポジトリ関連情報をプロジェクトメンバーのみが利用できるようにすることができます。

使用例:

  • オープンソースプロジェクトでバイナリのみを公開
  • 商用ソフトウェアのリリース版を配布
  • プロプライエタリなコードを保護しながらリリースを提供

設定方法:

以下のプロジェクト設定を行います。

  1. Project visibilityPublic に設定
  2. Repository を有効にし、Only Project Members に設定
  3. Releases を有効にし、Everyone With Access に設定

この設定の効果:

項目 プロジェクトメンバー 非メンバー
リリース一覧 表示可能 表示可能
リリースノート 表示可能 表示可能
アセットのダウンロード 可能 可能
ソースコード 表示可能 表示不可
リリースエビデンス 表示可能 表示不可
リポジトリのクローン 可能 不可

9.5 リリースとアセットの作成、更新、削除

Developerロール以上:

  • プロジェクトリリースとアセットへの書き込みアクセス権を持ちます
  • リリースの作成、編集、削除が可能

保護されたタグの場合:

  • リリースが保護されたタグに関連付けられている場合、ユーザーは保護されたタグの作成も許可されている必要があります

権限制御の例:

ワイルドカード(*)でタグを保護し、Allowed to create 列で Maintainer を設定することで、少なくともMaintainerロールを持つユーザーのみがリリースを作成、更新、削除できるようにすることができます。

設定手順:

  1. Settings > Repository を選択
  2. Protected tags セクションを展開
  3. Tag フィールドに * を入力
  4. Allowed to createMaintainers を選択
  5. Protect を選択

これにより、すべてのタグが保護され、Maintainer以上のロールを持つユーザーのみがリリースを作成できるようになります。

10. リリースメトリクス(Ultimate版)

対象エディション: Ultimate版(GitLab.com、GitLab Self-Managed、GitLab Dedicated)

導入バージョン: GitLab Premium 13.9

10.1 利用可能なメトリクス

グループレベルのリリースメトリクスは、Group > Analytics > CI/CD から利用できます。

メトリクスの内容:

  1. グループ内のリリースの総数

    • グループ内のすべてのプロジェクトで作成されたリリースの合計数
    • 時系列での推移を確認可能
  2. 少なくとも1つのリリースを持つプロジェクトの割合

    • リリース機能を活用しているプロジェクトの比率
    • リリース文化の浸透度を測定

10.2 メトリクスの活用方法

組織全体のリリース状況を把握:

  • どのプロジェクトがリリースを作成しているか
  • リリース頻度の傾向
  • リリース文化の浸透度

改善活動への活用:

  • リリースを作成していないプロジェクトへの支援
  • リリースプロセスの標準化
  • ベストプラクティスの共有

11. 実践例プロジェクト

11.1 GitVersionを使用した自動バージョニング

Guided Explorationプロジェクト「Utterly Automated Software and Artifact Versioning with GitVersion」では、以下を実演しています。

実演内容:

  1. GitLabリリースの使用

    • CI/CDパイプラインでの自動リリース作成
    • リリースノートの自動生成
  2. GitLab CLIの使用

    • glabコマンドを使用したリリース操作
    • スクリプトからのリリース作成
  3. Generic Packageの作成

    • ビルド成果物のパッケージ化
    • パッケージレジストリへのアップロード
  4. パッケージとリリースのリンク

    • リリースへのアセット添付
    • ダウンロードリンクの自動生成
  5. GitVersionツールの使用

    • 複雑なリポジトリのバージョン自動決定
    • セマンティックバージョニングの自動インクリメント
    • ブランチ戦略に基づくバージョン管理

11.2 プロジェクトの活用方法

このプロジェクトを自分のグループまたはインスタンスにコピーしてテストできます。プロジェクトページには、他のGitLab CIパターンの詳細が記載されています。

学習のポイント:

  • 実際に動作する完全な設定例
  • ベストプラクティスの実装
  • 複雑なシナリオへの対応方法

12. トラブルシューティング

12.1 リリースとアセットの作成、更新、削除時のエラー

症状:

リリースが保護されたタグに関連付けられている場合、UI/APIリクエストが認証失敗になることがあります。

エラーメッセージ:

  • 403 Forbidden
  • Something went wrong while creating a new release

原因:

ユーザーまたはサービス/ボットアカウントが保護されたタグの作成権限を持っていない。

解決方法:

  1. Settings > Repository > Protected tags を確認
  2. ユーザーまたはサービスアカウントが Allowed to create に含まれているか確認
  3. 含まれていない場合は、権限を追加

CI/CDでの対処:

release_job:
  stage: release
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:latest
  rules:
    - if: $CI_COMMIT_TAG
  script:
    - echo "リリースを作成"
  release:
    tag_name: '$CI_COMMIT_TAG'
    name: 'リリース $CI_COMMIT_TAG'
    description: 'リリースノート'
  # CI/CDジョブトークンに保護されたタグの作成権限が必要

12.2 ストレージに関する注意

ストレージ消費の内訳:

この機能はGitタグの上に構築されているため、リリース自体を作成する以外に追加データはほとんど必要ありません。

ストレージを消費する要素:

  • 追加のアセット(バイナリファイル、ドキュメントなど)
  • 自動生成されるリリースエビデンス

ストレージ最適化のヒント:

  • 大きなバイナリファイルはGeneric Packagesを使用
  • 不要な古いリリースは削除を検討
  • リリースエビデンスのサイズを考慮

12.3 GitLab CLIバージョン要件

重要な変更:

releaseキーワードの使用方法は変更される予定です。release-cliツールはGitLab CLIツールに置き換えられています。

必須バージョン: GitLab CLIツールv1.58.0以上

エラーメッセージ:

以下のエラーメッセージまたは警告が表示される場合、バージョンアップが必要です。

  • Error: glab command not found. Please install glab v1.58.0 or higher.
  • Error: Please use glab v1.58.0 or higher.
  • Warning: release-cli will not be supported after 20.0. Please use glab version >= 1.58.0.

対処方法:

方法1: コンテナイメージの更新

registry.gitlab.com/gitlab-org/release-cli:<version>コンテナイメージを使用している場合:

# 古い設定
release_job:
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/release-cli:latest
  # ...

# 新しい設定(推奨)
release_job:
  image: registry.gitlab.com/gitlab-org/cli:v1.58.0
  # または
  # image: registry.gitlab.com/gitlab-org/release-cli:v0.24.0
  # ...

方法2: 手動インストールの更新

ランナーにrelease-cliまたはGitLab CLIツールを手動でインストールした場合:

# バージョン確認
glab version

# v1.58.0未満の場合は更新
# インストール方法はGitLab CLIドキュメントを参照

移行のタイムライン:

  • GitLab 20.0以降、release-cliはサポートされなくなります
  • 早めにglab v1.58.0以上への移行を推奨

GitLabのリリース機能は、ソフトウェアデリバリープロセスを体系化し、コンプライアンス要件に対応しながら、ユーザーに信頼性の高いリリースを提供するための強力なツールです。CI/CDパイプラインとの統合により、リリースプロセスを完全に自動化し、開発チームの生産性を向上させることができます。

適切な権限設定とデプロイフリーズの活用により、安全で制御されたリリースプロセスを実現できます。マイルストーンとの連携により、プロジェクト管理とリリース管理を統合し、チーム全体の可視性を高めることができます。

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