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【GIFTech×TECH WORLD】優秀なのに「仕事がつまらない」のはなぜ?AI時代の越境経験で市場価値を高める方法【vol.1 ゲスト:市川達大】

Last updated at Posted at 2025-09-16

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「AIの進化に、自分のキャリアは追いつけるだろうか?」

変化の激しい時代の中で、漠然とした不安やマンネリを感じるエンジニアは少なくないのではないでしょうか。

それと同時に、「自分のスキルで、もっと面白くて、世の中をアッと言わせるような挑戦がしたい」。そんな熱い想いを秘めているエンジニアも、きっと多いはずです。

今回の対談は、世界で輝くエンジニアのリアルを発信する「TECH WORLD」市川氏と、「“ものづくりを楽しむ才能”が花開く環境を創りたい」と願う私たちGIFTechが、「仕事を楽しめないエンジニアを一人でも減らしたい」という共通の課題意識のもと実現しました。

変化の時代を生き抜くための小手先のスキルではなく、エンジニアがキャリアを心から「楽しむ」ための本質的なヒントを探ります。

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🔑 今回のキーポイント

  • 優秀なのに「仕事がつまらない」理由:多くのエンジニアが「理想は高いが行動できない」ジレンマや、巨大なシステムの一部しか担えない環境に悩んでいる。
  • AI時代に価値が上がる人材:AIが生成したコードを「評価」できる普遍的な基礎力と、過去の成功体験を捨てて変化に適応する「アンラーンする力」を持つ。
  • 最強のエンジニア像とは:突き詰めると「自分の好きなこと、最高に面白いと思えることを仕事にできている人」。
  • 価値を高める処方箋「越境経験」:エンジニアリングの領域を超え、全く異なる分野の課題解決に飛び込む経験が、ユニークな価値の源泉となる。

対談者プロフィール

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市川 達大(Tatsuhiro Ichikawa)
株式会社TECH WORLD代表取締役。YouTubeチャンネル「TECH WORLD」を運営。
「より良い選択肢を提供し、人々の生活を豊かにする」をミッションに掲げ、これまでネット上にはあまりなかった海外で活躍するエンジニアの情報などを発信することで情報格差をなくし、人々が自分に合った働き場所を選べるようにしたいと考えている。最終的な目的は、仕事が「面白い」と思える人を増やすこと。

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佐藤 貴子(Takako Sato)
株式会社レアゾン・ホールディングス GIFTech エンジニア。生成AIの利用促進を目的とし中高生をターゲットにした【AIで英単語を漫画化するけど、つまらない内容なので人間が面白くする「コミ単」】を開発し、ユーザー満足度100%を獲得。現在は、魂を込めたものづくりを行う職人に世界の「需要」を届け、彼らが次に何を創るべきかを導くプロジェクト「GIFTech Japan Next Craft」で開発リーダーを務め、ユーザー視点でのモノ作りをGIFTechで習得中。

対談内容

なぜ「仕事が面白い」人を増やしたいのか

佐藤:
本日はありがとうございます!YouTubeでいつも拝見しているので、こうしてお話できるのが夢のようです。TECH WORLDでは、すでに輝いているエンジニアの方々にヒアリングをされていますが、私たちGIFTechではこれから輝く才能に光を当てたいという思いがあり、非常に共通点を感じています。

市川:
ありがとうございます。僕の会社では「より良い選択肢を提供し、人々の生活を豊かにする」をミッションに掲げています。これまでネット上であまり見られなかった海外エンジニアの情報などを提供し、情報格差をなくしたい。究極的には、「仕事が面白い」と思える人を増やしたいんです。

佐藤:
素敵ですね。私たちも「環境格差」が最初のテーマでして、環境によってモチベーションに差が生まれる問題意識からスタートしました。イノベーティブな企業にいるエンジニアは満足度が高い一方、既存事業の歯車としてしか働けない環境ではモチベーションが低いという実態があったんです。
だからこそ私たちは「0から1を創る環境」を提供したいと考えました。その哲学の核にあるのが「N1エンジニアリング」。不特定多数を満足させるのは難しいけれど、”たった一人”の課題なら解決できるはずだ、と。「エンジニアが自分の技術で、誰か一人にでも『ありがとう』と言われるものづくりを体験してほしい」、そんな想いがGIFTechの原点です。

市川:
よく分かります。僕の周りにも優秀なのに「仕事が面白くない」と言う友人が結構います。メガベンチャーで大きなサービスに関わっていても「保守運用ばっかりで面白くない」と感じていたり。理想は高いけれど、転職などの次の一歩を踏出せずにいるケースが多いですね。

問われる「基礎力」と、過去を捨てる「アンラーン」の勇気

佐藤:
数々のトップエンジニアのリアルを見てこられた中で、特にAI時代に価値を持つエンジニアの共通点は何だと思われますか?

市川:
問題解決能力の高さやPDCAを回す速さはもちろんですが、皆さん基礎を非常に大事にしていますね。AI時代においては、AIが生成したコードを正しく評価できる能力が不可欠で、そのためにはコンピューターサイエンスなどの普遍的な基礎力がより重要になります。

佐藤:
基礎力があって初めて、AIという強力なツールを使いこなせるわけですね。他に、市場価値が高まる才能とは何でしょうか?

市川:
「アンラーンする力」だと思います。AIの進化は非常に速い。AIが出てきた当初、「自分たちシニアはなくならない」と高を括り、学ぶことを止めてしまったエンジニアもいました。しかし価値を高め続ける人は、そうした過去の成功体験に固執せず、変化に素早く適応し、ゼロから学び直すことを厭わないんです。

価値を高める処方箋「越境経験」――伝統の魂と、AIが拓く未来

佐藤:
まさにその「アンラーン」の実践として、私たちは今、新しいプロジェクトに挑戦しています。魂と卓越した技術を持つ日本の職人たちに、世界のリアルな「需要」を届けるだけでなく、さらにAIとともにデジタル上で職人の手足となって新しい工芸品(NEXT CRAFT)を創ることで、彼らの足かせになっている試作品開発のコストや時間を削減することも目指しています。

市川:
素晴らしい取り組みですね。日本の伝統工芸を世界に発信するというのは、非常に大きな可能性を感じます。

佐藤:
まさに。ただ彼らは今、ジレンマを抱えています。世界の需要から切り離され、次に何が売れるのかが分からない。「次に何を創るべきか」という問いに、答えを出せずにいるんです。そこで私たちのプロジェクト「GIFTech Japan Next Craft」では、世界中の購買データをAIが分析し、「なぜそれが売れたのか」を職人にも分かる言葉で翻訳します。AIが職人の技術と感性を、「次に求められているもの」へと導くんです。
ただ、その購買データも、オープンなものだけでは足りないんです。だから私たちは、実際に浅草の街角に立って、伝統工芸品を購入した訪日外国人の方に直接『なぜそれを買ったんですか?』とインタビューして回りました 。そうしたアナログな手法で集めたリアルな声を、自分たちでデータ基盤に組み込んでいるんです。

市川:
なるほど。普通のエンジニアじゃ絶対に経験できないことですよね。AIがインスピレーションを与え、職人さんがそれに自身の技術や感性を加えて完成させる、と。こういうプロジェクトこそ、エンジニアの価値をすごく高めると思います。ただコードを書くだけでなく、職人さんという全く異なる分野の専門家と対話し、彼らの課題を深く理解して解決策を形にする。そのプロセス自体が、先ほど話した『問題解決能力』を実践的に鍛える最高の機会ですよね。

佐藤:
おっしゃる通りです。実際に職人さんとお話すると、「こういう風合いを出すのが難しい」といった、技術要件とは全く違う言語化できない領域の発見があります。自分たちの技術がどう社会に役立つのかを肌で感じられ、開発のモチベーションも全く違ってきます。

市川:
それこそが、エンジニアリング以外の『越境経験』の価値ですよね。普段の業務では得られない視点や経験が、エンジニアとしての引き出しを増やし、ユニークな価値に繋がっていく。この挑戦は、参加されるエンジニアにとって間違いなく大きな財産になりますね。

佐藤:
この挑戦を社内外のエンジニアに届けたいのですが、どう見せれば響くでしょうか?

市川:
僕なら、まず日本の伝統工芸が持つ魅力や、後継者不足といった課題をしっかりと見せて共感を呼びますね。その上で「実は僕たちエンジニアがテクノロジーでこの課題に挑んでいるんです」と見せる。開発の裏側を見せるプロセスエコノミーも有効でしょう。

佐藤:
ありがとうございます!実は今、まさにその開発プロセスをドキュメンタリー映像として撮影しているんです。市川さんのアドバイスを胸に、エンジニアの挑戦の物語として発信していきたいと思います。

市川:
めちゃくちゃ面白いコンテンツになりそうですね。

「テクノロジーとモノ創りを楽しむ才能」を持つ、すべてのクリエイターへ

佐藤:
それでは最後に、全国のエンジニア・クリエイターへ向けて、市川さんからメッセージをお願いします。

市川:
「楽しむ」ためには、まず自分自身を知ることから始めるのが良いと思います。「自分は根っこでは何が好きなんだろう?」「昔、どんなことに夢中になっていたかな?」と、一度立ち止まって、過去の自分を振り返って好きなことを書き出してみてほしいです。
そして、見つけた「好き」を自分の中で明確に言語化する。あとは、それに向かって毎日ひたむきに取り組んでいれば、自然と「楽しい」という感覚は後からついてくるはずです。
皆さん、ぜひ楽しんでコードを書きましょう!

佐藤より:
市川さんとお話し、改めて「楽しむ」ことの強力なパワーを実感しました。そしてその「楽しさ」は、これまで自分がいた世界から一歩踏み出し、異分野の課題に触れる「越境経験」の中にこそあるのだと確信しました。
この記事を読んでくださった皆さんの「好き」は何ですか?そして、その力を使って、どんな新しい世界を覗いてみたいですか?
私たちの挑戦の裏側は、今後ドキュメンタリー映像として公開予定です。ぜひ、GIFTechのXアカウント(@GifTech_ch)をフォローして、私たちの冒険の続きを見守ってください。

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