Meta Quest で Azure Remote Rendering を動作させる手順を調査していきます。

注意事項

Azure Remote Rendering の Meta Quest 2 / Meta Quest Pro サポートは、現在 Public Preview 段階です。PC / HoloLens と比較して、機能が制限されています。

サポート対象の Unity の最小バージョンは 2020.3.です。
Unity の OpenXR プラグインのみがサポートされています。
Unity のユニバーサルレンダリングパイプライン (URP) を使用することをお勧めします。
Vulkan レンダリング API のみがサポートされています。 OpenGL はサポートされていません。
Microsoft 認証ライブラリ(MSAL) は Quest デバイスでは動作しません。
Quest デバイスがスリープ状態になり、再びスリープ解除された場合、リモートコンテンツがまったく再開されないか、回復に時間がかかる場合があります。
ArrInspector ツールはサポートされていません。
システム要件 - Quest 2 / Quest Pro

検証環境

開発PC ( OS : Windows 11 Pro )
Unity 2022.3.30f1 [with Unity Hub]
- Android Build サポートモジュールインストール済み
Android SDK [with Android Studio]
Azure Remote Rendering アカウントを作成済みであること

※ adb コマンドを使用する際は Android SDK Platform-Tools の PATH を通す必要があります。

手順

こちらの手順は、Azure Remote Rendering 公式ドキュメントクイックスタート: Unity サンプルを Quest 2 または Quest Pro にデプロイするに基づいています。

GitHub からサンプルプロジェクトを Clone します
依存関係のあるパッケージを powershell スクリプトでダウンロードします

> mkdir ARR
> cd ARR
> git clone https://github.com/Azure/azure-remote-rendering
> powershell -ExecutionPolicy RemoteSigned -File azure-remote-rendering\Scripts\DownloadUnityPackages.ps1

Unity Hub から Unity プロジェクトを追加します (Unity/Quickstart)
Unity プロジェクトが起動したら、Assets/Scenes/Quickstart シーンを開きます
ヒエラルキービューから RemoteRendering ゲームオブジェクトを選択します
RemoteRendering (Component) の ARR 認証情報を入力します
※ Azure Remote Rendering のアカウントID、キーは Azure Portal で確認することができます

入力項目	値
Remote Rendering Region	リモートレンダリングリージョン
Account Domain	アカウントドメイン
Account ID	アカウントID
Account Key	アカウントキー

動作確認のため、Unity Editor でゲーム再生を実行して、ARR モデルを読み込みます

以下の画像のように標準のエンジンのモデルが読み込まれれば、正しく設定ができています。

Meta Quest 用にプロジェクトのビルド設定を行います

Build Settings を開き、Android を選択した後、Switch Platform を実行します
Meta Quest Pro を PC に USB 接続します
Run Device で接続した Meta Quest デバイスを選択して Build & Run を実行します

Meta Quest 上で Azure Remote Rendering を動作させることができました。
ただ、Azure Remote Rendering で 3D モデルを読み込んだだけで、モデルの操作等はできないので、次回以降の記事でパススルーやモデルの操作について実現する方法を調査したいと思います。

参考文献