要約
- 良い道具は思考を加速させる:エンジニアにとって、物理的な作業環境への投資は、AIを使いこなす能力と同じくらい重要
- 投資の優先順位:毎日、最も長く触れるキーボードやマウス、ディスプレイから投資するのが「タイパ(タイムパフォーマンス)」を最大化する鍵
- 本記事のポイント:数年前に社会人になった筆者が「もし今、新卒だったらこれを買う!」という視点で、ガジェットをご紹介
はじめに
こんにちは!
この記事は、2025年に新社会人となり、初めてのボーナス(寸志)を手にされたエンジニアの皆さんに贈る「自己投資ガイド」です!
AIアシスタントとの対話が日常的になり、開発のスピードが劇的に変化する今、私たちエンジニアに求められるのは、より本質的な課題解決能力です。そして、その思考を妨げず、むしろ加速させてくれるのが、質の高い物理的なワークスペースに他なりません。
今回は、筆者が新卒として初めてもらったボーナス(寸志)は5年くらい前なので、過去を思い返しつつ、今ならこれを買うなというのも合わせてご紹介。
最高のパフォーマンスを発揮するための「未来の自分への投資」として、長く付き合える仕事道具を揃えてみませんか?
Part 1: デスク環境を劇的に改善するPC周辺機器
1. キーボード:思考の速度を決める、最高の相棒
キーボードは、あなたの思考をコードに変換する最も重要なデバイスです。打鍵感、静音性、配列など、自分に合ったものを選ぶことで、開発体験は劇的に向上します!
▼定番にして至高:Happy Hacking Keyboard (HHKB) & REALFORCE
静電容量無接点方式を採用するこれらの高級キーボードは、圧倒的な耐久性と唯一無二の打鍵感で多くのエンジニアに愛されています。
2025年現在、HHKBにはポインティングスティックとジェスチャーパッドを搭載したHHKB Studio
も登場し、キーボードから手を離さずにマウス操作まで完結できるため、さらなる効率化を追求できます!
REALFORCEも、HHKBと双璧をなす人気の高級キーボードです。
ぜひ店頭などで実際に打ち比べて、好みの相棒を見つけてみてください。
HHKBの耐久性は半端ないです。
毎日仕事に記事執筆にと5年ほど使い倒していますが、一切不具合なし。
HHKB Studioが出た時に買い替えたいなと思ったもの、当分壊れそうにないのでお預けです。
▼その他の選択肢
- カスタムキーボード:沼にハマる覚悟は必要ですが、キー、スイッチ、ケースを自分で選び、世界に一つだけのキーボードを作るのも一興
- Logicool MX Keys S: 薄型で多機能、複数デバイスとの連携もスムーズ。多くの人にとっての最適解となりうる万能キーボード
[コラム] 配列は英語(US)?日本語(JIS)?
プログラミングでは記号を多用するため、ホームポジションを崩さずに入力できる英語配列が個人的におすすめです。慣れるとコーディング速度が格段に上がります。(ただ、たまに日本語配列のPCを使うと一瞬混乱するのはご愛嬌)
2. マウス & トラックパッド:ストレスフリーなカーソル操作
外付けキーボードを使うなら、ポインティングデバイスは必須です。手首の負担やデスクのスペースを考慮して選びましょう。
▼鉄板の高機能マウス:Logicool MX Masterシリーズ
多機能ボタンや高速スクロールホイールを備え、あらゆる作業を効率化します。
コーディング中などは触ることは少ないですが、調べ物の際や画像編集時などなんだかんだ触るデバイスなので、多機能なものを選んでおくのがおすすめです。
【筆者の失敗談】Magic Mouseの塗装剥げ対策
ちなみに、筆者はMacBook proで開発を行っているため、Magic Mouse2を購入しました。
ただ、親指が当たる部分など塗装剥がれが気になるので、これから購入する方は定期的な清掃、カバー、マステ等での保護をすると良いかもしれません。
▼手首の負担を考えるなら
- 縦型マウス(エルゴノミクスマウス): 手を自然な角度で握るため、長時間の作業でも手首が疲れにくいのが最大のメリット
- トラックボールマウス: 省スペースで、腕を動かさずに操作できるため根強い人気があり
これらは好みが分かれるデバイスなので、ぜひ一度、家電量販店などで実際に触って、自分の手に馴染むものを見つけてみてください。
3. 外付けマイク:脱・PC内蔵マイクで高品質な音を届ける
リモート会議において、クリアな音声は信頼の証です。
PC内蔵マイクは卒業し、専用マイクを導入しましょう!
ヘッドセットも良い選択ですが、耳への圧迫感や蒸れから解放される会議用マイクスピーカーもおすすめです。
ご自宅の環境で音を出しても問題ないなら、ぜひ候補に入れてみてください。
▼おすすめモデル
- Anker PowerConf Sシリーズ: 手頃な価格ながら、スピーカーとマイクが一体化しており、品質も十分
- オーディオテクニカ AT2020USB-X: より高品質な音声を届けたいなら、定番のコンデンサーマイクもおすすめ。配信者の方にも!
Part 2: 健康と集中力への戦略的投資
4. PCスタンド & モニターアーム:未来の自分のための姿勢ケア
PCスタンドで画面を目の高さに合わせるだけで、猫背が改善し、肩こりや首の痛みを劇的に予防できます。
更に、位置を自在に調整できるモニターアームを導入すれば、デスクスペースを有効活用でき、理想の作業環境を構築できます。
5. スタンディングデスク:脱・座りっぱなし
長時間座り続けることの健康リスクは計り知れません。
電動昇降式のスタンディングデスクを導入し、定期的に立ち姿勢を織り交ぜることで、集中力を維持し、身体への負担を軽減できます。
ちなみに筆者は、お気に入りのデスクをそのまま使いたかったので、後付けできる卓上タイプのスタンディングデスクを導入しました。
Part 3: 作業効率をもう一段階ブーストするアイテム
6. 外部ディスプレイ:作業領域の拡張
広い作業領域を確保することは、効率的な開発に不可欠です。
もし、私が2025年に改めてディスプレイを選ぶなら以下のポイントを基準に考えます。
- 接続はUSB-C:映像出力とPCへの給電をケーブル1本でこなせるモデルが主流です。デスク周りが驚くほどスッキリ
- 解像度はWQHD以上:高精細な表示は、コードや文字の視認性を高め、目の疲れを軽減します。まずはWQHDから検討し、予算や作業内容に応じて4Kを選択肢に
- ウルトラワイドモニター: 複数のウィンドウを並べても快適で、特にWeb開発やデータ分析で威力を発揮します。グラフィックデザイン等の厳密な直線性が求められないなら、没入感の高い湾曲タイプもおすすめ
-
新たな選択肢:
- プログラミングモニター: プログラミングモニターシリーズがBenQより発売されてます。自分の業務に特化したモニタという新たな選択肢もあり!
手前味噌で恐縮ですが、BenQのプログラミング特化モニター「RD280U」のレビュー記事をQiitaに投稿しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。(筆者のデスク環境も紹介していますので、参考になれば幸いです)
7. 小型充電アダプター & ワイヤレス充電器
▼GaN (窒化ガリウム) 充電器
技術の進化により、純正品より遥かに小さく、かつ高出力な充電器が当たり前になりました。
PC、スマホ、その他デバイスをまとめて充電できる複数ポート付きのモデルが一つあると、出社や旅行時の荷物が劇的に減ります。
▼デスクのワイヤレス化:Qi2充電スタンド
MagSafeのようにマグネットで固定できる新しいワイヤレス充電規格「Qi2」が普及。
対応するスマートフォンやイヤホンを、デスク上でスマートに充電できる環境を整えましょう。
番外編:QoL(生活の質)を上げる自動化投資
8. スマートホームデバイス (Matter対応)
「Matter」規格の登場で、メーカーの垣根を越えたデバイス連携が容易になりました。
スマートスピーカーやスマートプラグを使い、「声でPCの電源をON」「作業開始時に部屋の照明を集中モードに」といった自動化で、日々の小さなストレスを解消しましょう。
9. ロボット掃除機 & 食洗機
「掃除」や「皿洗い」といったノンクリエイティブな時間をテクノロジーに任せ、生まれた時間を自己投資や趣味に充てる。これも立派な生産性向上です。
おわりに
この記事は、新卒で初めてボーナスをもらった時に書いた社内向け記事を元に、今の視点で「新卒の自分に伝えるなら何を買うべきか」を再構成したものです。
高速に技術が発達する現代を生きる私たちエンジニアにとって、仕事道具は単なるツールではなく、能力を拡張するための身体の一部とも言える存在です。
今回紹介したアイテムは、決して安い買い物ではないかもしれません。
しかし、これらは全て数年間にわたってあなたの生産性を支え、日々の仕事を快適にしてくれる、費用対効果が極めて高い「自己投資」です。早く投資すればするほど、その恩恵を長く受けられ、リターンは大きくなります。
この記事が、あなたのエンジニア人生を豊かにする第一歩となれば、これほど嬉しいことはありません。
皆さんの「買ってよかった逸品」も、ぜひコメントで教えてください!
今回はガジェットを紹介しましたが、もちろん、それが全てではありません。旅行や趣味といった「経験」に投資する、お世話になったご両親にプレゼントするなど、ぜひ、あなた自身が心から「価値がある」と思える使い方をしてください!