競馬って、基本は個人戦です。
馬券は誰かと共同購入するわけでもないし、最終的な予想の責任は自分にあります。
でも、私にとって競馬は“仲間と議論する場”でもあります。
毎週、友人たちとLINEを開いて、「今週はこの条件で荒れそうだね」「差し決まりそうじゃない?」と展開や馬場について話す。そこから「じゃあこの馬は消し」「こっちは軽く買ってもいいかも」と意見が出てくる。
まるで予想の“研究会”です。
👥議論から生まれる“買い目の確信”
不思議なもので、誰かと話しながら考えると、自分の予想が整理されてくるんですよね。
たとえば私が、「この逃げ馬は内枠だし、ハナ行けそう」と言うと、友人が「でも外にジョッキーが同じようなタイプで並んでるから、ペース速くなるよ」と返してくれる。
そのやり取りの中で、予想が修正されたり、自信が固まったりする。
これを繰り返していくうちに、「一人で考えるより、ずっと精度が上がるな」と感じるようになりました。
🤖AI開発にもこの“予想会議”がヒントになった
AI予想を作り始めてからは、「自分の視点だけでモデルを作るのは危険だな」と思うようになりました。
だから、毎週のLINE会議も開発の一部に取り込んだんです。
- 友人たちが「この馬は前走で出遅れたのが全て」と言えば、「出遅れ回避の信頼度」という指標を追加
- 「調教だけ見てたら罠にハマりがち」という議論から、「調教過信フィルター」を実装
- 「この騎手、ローカルでは強いけど中山苦手」という話から、コース別騎手補正値をロジックに加えました
仲間との予想談義は、私のAI開発にとって“現場のヒント”であり、“人間的判断を再現する手がかり”でもあります。
📊とある週末のLINEログ(抜粋)
藤田:「府中10R、今のバイアスだと時計速すぎ。前行った馬残るんじゃない?」
友人A:「でも、テンは速いけどマイル持たないでしょ」
藤田:「そうね。でも内からスムーズに出たら、一人旅かも」
友人B:「騎手の乗り替わり気になるけどね、調教師コメント強気」
藤田:「Netkeiba見ると『状態は前走以上』って書いてる。過信は禁物だけど、面白いね」
藤田&友人達:「まあとりあえず三浦頭で買っとくか!」⇒ほんとにきて爆笑
この会話が予想を整理してくれるんです。
そして、その流れをAIにも反映できたら、もっと“納得できる予想”が出てくると確信しています。
🎯最終的にAI予想は“チームの意志”を反映するようになった
AIには、過去走やオッズといった“数字で見える要素”はもちろん入れています。
でも、そこに「自分と仲間が気づいた微妙な傾向」を加えることで、ただの計算機ではなく、「買う理由を説明できる予想マシン」になっていく。
だから私は、AI予想の精度を上げるより、「納得できる予想になるか?」を優先しています。
その納得感の多くは、仲間との議論から生まれています。
次回予告:第6回「アルゴリズムに私の“買わない判断”を組み込む」
次回は、実際にAIへ私の“買わないルール”をどう落とし込んだかを書きます。
「人気馬でも罠だと感じたら切る」「展開が向かないなら消す」など、自分の思考癖を条件化していく作業は、想像以上に難しく、でもやりがいのある工程でした🐎
“買わない勇気”をロジックにする。それは、趣味の中で一番緻密な開発だったかもしれません。