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PowerAppsからPADを制御する話。ローコードでクラウド→デスクトップ業務を自動化【実務Tips】

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こんにちは、藤田です。
今回は「PowerAppsからPower Automate for Desktop(以下PAD)を管理・実行できたらめっちゃ便利じゃない?」というクライアントからの提案から始まり、クラウドからWindows自動化を引き起こす構成を作った話をまとめます。

結論から言うと、Power Platformの3要素(PowerApps・Power Automate・PAD)を連携させることで、クラウド入力→ローカル処理の自動化が実現可能です。営業事務や総務処理で大活躍しました。


🧠やりたかったこと

私が作りたかったのは、ざっくり以下のような業務フロー。

  1. 営業担当がPowerApps上で案件情報を入力
  2. そのデータをもとにPADが帳票を作成(Excel→PDF)し、メールで送信
  3. 一連の処理をボタン一発で完結させたい!

つまり「フォーム入力 → デスクトップ操作 →アウトプットまでを全自動で回す」構成です。


🔗技術構成

要素 使用した技術・ツール
UIフォーム PowerApps(モバイルでも使える)
クラウド接続 Power Automate(クラウドフロー)
データ保存 OneDriveのExcelファイル or SharePointリスト
ローカル処理 Power Automate for Desktop(PAD)
通信経路 Cloudファイル監視/JSONファイル連携/定期実行バッチ

これらを連携させると、クラウド→ローカル連携が可能になります。鍵になるのは「クラウド側でフラグを立てて、PADがそれを見て動く」という設計です。


🧩PowerApps側:入力→トリガーを作成

まずはPowerAppsで入力画面を作成します。ここでのポイントは、「PADに渡すデータを整えて保存する」こと。

主な入力項目例:

  • 案件名(テキスト)
  • 担当者(選択)
  • 金額(数値)
  • 日付(DatePicker)
  • 実行フラグ(Yes/No)

送信ボタンを押したときに、SharePointリストやOneDriveのExcelファイルに1件ずつレコードを追加する処理を組み込みます。

Tips:

  • PowerAppsからPower Automateを呼び出して「保存と同時にフラグON」にできる
  • Excelの場合は「テーブル形式」で列名指定しておくと扱いやすい

この「フラグON」の状態をPADが見に行って動くのが次のステップ。


🖥️PAD側:クラウド情報を読み取って動作させる

PADでは、定期的にクラウド側の保存場所を監視して処理を開始する構成をとりました。

処理ステップ例:

  1. SharePoint/OneDriveのExcelファイルを開く
  2. 「実行フラグ」がONの行を探す
  3. 案件データを取得 → Excelの帳票に転記
  4. PDFへ変換(Excel→PDF保存)
  5. Outlookメール作成 → 添付して送信
  6. フラグをOFFにして完了!

PADの自動化ステップはGUIベースで作れますが、Excel操作などはセル参照ミスに注意です(動的参照がバグを生みがちです。)


🛠 実行の仕組み:どう動かす?

ここがポイント。

PowerAppsがPADを直接呼び出すことはできません。なので、クラウド上にある“トリガーファイル”や“更新フラグ”をPADが定期的に監視するという設計にします。

代表的な実装方法:

① タスクスケジューラでPADを定期起動

  • Windows標準のタスクスケジューラで30分毎にPADを起動
  • PADは「新しいデータがあるか?」を見に行って処理

② Power Automate → ローカル通知(ハード)

  • クラウドフローからローカルPCにWebhookを飛ばす(非推奨・要環境整備)

③ OneDrive共有フォルダ経由

  • PowerAppsでOneDriveフォルダにフラグファイルを出力
  • PADが「そのファイルが存在するか」を監視して起動

この③が一番手軽かつ確実に動きました。


🔐注意点・落とし穴

スリープNG

PADはWindows上で実行されるので、PCがスリープ状態だと動きません
業務サーバーや常時起動端末での運用が必要です。

同時実行に注意

PADは基本的に1つの処理しか並行実行できないため、複数の入力が重なると処理が競合する可能性があります。待機処理やキュー設計が必要。

クラウド遅延

PowerApps→SharePointの反映に数秒〜十秒のラグが出る場合があります。PAD側は少し待つ設計にすると安定。


🧪実際に社内で運用した話

営業メンバーからの「帳票作成とデータ共有がめんどい」という声に応えて作ったこのシステム。
使ってもらったら予想以上に好評でした。

  • スマホで案件入力 → PADが勝手にExcel→PDF化&メール送信
  • 帳票ミスが激減(テンプレ使ってるので)
  • 対応時間は3分→10秒に短縮

✨今後の展望

まだまだ可能性は広がります。

  • PowerAppsからファイル添付→PADで加工してNAS保存
  • AIで帳票チェック → NG項目を検知して修正通知
  • Teams通知連携で処理完了を可視化

ローコード環境が整っている今だからこそ、クラウドとローカルの自動化融合はすごく価値があると思っています。


📝まとめ

要素 役割 技術
PowerApps 入力&起点 フォーム・送信ボタン
Power Automate 中継 SharePoint操作・フラグ更新
PAD ローカル操作 Excel→PDF・メール送信
OneDrive/SharePoint データ受け渡し ファイル・リスト共有

藤田でした。

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