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フリーランスになってから1年半を振り返る

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手に入れた自由な生活、でも失ったものもある ー フリーランス1年半のリアル

こんにちは。
Web系のフリーランスエンジニアとして活動しているSotaです。

私自身、フリーランスエンジニアとして独立してから1年半が経ちました。
「フリーランスになれば年収が上がる」
「自由な働き方ができる」
「スキルアップが加速する」
独立前、こんな甘い期待を抱いていました。
結論から言うと、これらは半分正解で、半分間違いでした。
朝の満員電車とも無縁になり、好きな場所で仕事ができるようになりました。技術的な挑戦の機会も増えました。
しかし同時に、予想していなかった苦労や、失ってから気づいた会社員時代の恩恵もたくさんありました。
この記事では、フリーランスエンジニア1年半の経験から得たリアルな数字本音をお伝えします。
これから独立を考えている方、独立したばかりの方の参考になれば幸いです。

📊 この記事で共有すること

  • 実際の収入の変化(具体的な数字付き)
  • 予想外だった落とし穴
  • フリーランスになってよかったこと
  • フリーランスに向いている人・向いていない人の特徴
  • まとめ:1年半経って、今思うこと

💰 実際の収入の変化 ― 月22万円スタートから30万円への道のり

会社員時代 vs フリーランス1年半の収入推移

正直に数字を公開します。
会社員時代:年収約360万円
フリーランス現在:月単価30万円(年収360万円ペース)
「え、変わってないじゃん」と思われたかもしれません。その通りです。
でも、この数字の裏側には大きな変化がありました。

月単価の推移と精神的なジェットコースター

2024年3月にフリーランスとして独立してから、私の月単価はこう変化しました

  • 2024年3月〜8月:月22万円
  • 2024年9月〜12月:月25万円
  • 2025年1月〜5月:月28万円
  • 2025年6月〜現在:月30万円

友人からの紹介案件だったので「定職につけた」という安心感はありました。しかし、TypeScript、Next.js、Goという未経験の技術スタックでの挑戦。会社員時代にJava、.NETというレガシー寄りな技術スタックしかなかった私は、最初コードすら読めませんでした。(Typescriptの三項演算子すらわかりませんでした...)
わからないことはひたすらAIに投げて理解し、簡単なタスクにも人の倍以上時間がかかる。「結果を出さないと先方から見限られてしまう。友人に面目が立たない」という危機感と戦いながら、必死で食らいついていました。

手取りと生活費の現実 ― NISAを崩した1年目

1年目の苦労...

  • 会社員時代の収入をもとに計算された税金・社会保険料(今の収入に見合っていない額の請求)
  • 月22万円の収入に対して、支出が上回る
  • 会社員時代に積み立てていたNISAを数回崩して生計を立てる

正直、焦りました。無収入でも3ヶ月分の生活費の蓄えはありましたが、それがなくなったら会社員に戻っていたかもしれません。

2年目の改善...

  • 月単価UP
  • 自治体の免除制度を活用
  • 経費計上での節税(家賃・光熱費の一部、PC、書籍、コワーキングスペース等)
  • ようやく月3万円程度の貯金ができるように

なぜ単価が上がったのか

特に自分から単価交渉はしていません。でも、1年3ヶ月で月22万→30万円まで上がりました。
理由はシンプルです

  • 職域を自ら広げた - 最初はフロントエンドのタスクのみ → 徐々にバックエンドも担当
  • 積極性を見せ続けた - 「できません」ではなく「調べてやってみます」
  • 実力の向上を認められた - 未経験から這い上がった努力が評価された

私が参画した案件は少数精鋭チーム(エンジニアは私を含めて3人だけ)で、一人一人の影響力が大きい職場でした。それだけ個人の進捗が顕著に出るので、PRのレビュー依頼のペースが遅ければ、「この人は仕事ができないんだ」と思われているという意識を持っていました。(実際そう思われていたのか真意は分かりませんが😅)
ですが、それぐらいの危機感を持って仕事に取り組むことが逆に先方へのアピールにつながり、単価UPに繋がったのかなと思います。

💔 予想外だった落とし穴

フリーランスになる前は「自由」という言葉に憧れていましたが、その自由の裏側には想像以上の苦労が潜んでいました。ここでは、1年半の経験で痛感した落とし穴を共有します。

想像以上の孤独感

フルリモートで先方の会社は東京、私は福岡在住。会社員時代と比べて人と会話する機会が極端に減りました。
独立前は「一人で集中できる環境最高!」と思っていましたが、現実は違いました。

  • 朝起きてから夕方まで、誰とも口を利かない日が普通に
  • Slackでのテキストコミュニケーションが唯一の人との接点
  • 「今日の調子どう?」みたいな雑談が恋しくなる
  • 技術的な相談をカジュアルにできる相手がいない

会社員時代は鬱陶しいと思っていた朝の挨拶や、ランチタイムの雑談。失って初めて、それらが精神的な健康を保つ重要な要素だったことに気づきました。
今もし出社できる環境があれば週の半分は出社したいぐらいです。笑

税金・社会保険の複雑さに圧倒される

会社員時代には考える必要のなかった税金や社会保険料の支払いも自分でしないといけないし、開業にあたって必要な書類を調べて提出したり、確定申告をしたり、初めての経験ばかりで大変でした。

〜「独立」〜

なんと響きの良い言葉でしょう...
しかし、そんな自分に酔っている裏で待っていたのは...

  • 国民健康保険料の高さに震える(前年の所得で計算されるという罠)
    ※会社員時代は半分会社が払ってくれていた
  • 住民税の請求書を見て青ざめる
    →(知らない間に毎年給料からこんな額を払っていたのか...)
  • 開業届? 青色申告承認申請書? 聞いたこともない書類の山
  • 簿記の知識なんて全くないのに確定申告の為に帳簿を付けなければいけないという絶望

面倒な手続きを代行してくれる、社会保険料を半分も払ってくれる、
そんな会社のありがたみをフリーランスになって初めて実感しました。

🎯 フリーランスになってよかったこと

独立して1年半、振り返ってみると確実に生活の質は向上しました。特に 「時間の主導権を自分が握れるようになった」 ことが最大の変化です。

働き方を自分でデザインできる自由

現在の案件はフレックスタイム制で、コアタイムは14:00〜19:00。月の稼働時間さえ守れば、かなり柔軟に働けます。

私の典型的な1日
9:00〜12:00:自宅で集中作業(設計やコーディング)
12:00〜14:00:ジムでトレーニング & ランチ
14:00〜19:00:コワーキングスペースでミーティングやチーム作業

朝は静かな自宅で集中し、午後は気分でコワーキングスペースやカフェへ。この「その日の気分で働く場所を選べる」という些細な自由が、想像以上にストレスを減らしてくれました。
また、クライアントとフランクな関係を築けているため、休暇の相談もしやすいです。「来週の平日、旅行に行きたいんですが」という相談も、稼働調整さえすれば快く了承してもらえます。

技術的な挑戦と成長の加速

少数精鋭のチームに参画できたことで、自分の意見が驚くほど通りやすくなりました。
「このライブラリ使ってみたいんですが」
「CI/CDをこう改善したいです」
「新しいホスティングサービス試してみませんか?」
会社員時代なら稟議や承認プロセスで数週間かかっていたような提案が、その場で「いいね、やってみよう」と即決されます。
現在の案件では、フロントエンド、バックエンド、CI/CD、ホスティングまで幅広く触らせてもらっています。大企業では分業化されていた領域を横断的に経験できるのは、フリーランスならではの醍醐味です。

人生の主導権を取り戻した実感

最も大きな変化は、圧倒的にワークライフバランスが改善したことです。

会社員時代、こんなことを諦めていませんでしたか?

  • 平日の昼間にジムへ行く(空いている!)
  • 混雑する休日を避けて、平日に銭湯や映画館へ
  • 病院の予約を平日の空いている時間に入れる
  • 集中力が高い朝の時間を、満員電車ではなく生産的な活動に使う

これらすべてが今は当たり前にできています。
個人開発で生計を立てるエンジニアならもちろん、案件に参画する場合でもフルリモ、フレックス制の企業を選べば実現できます。
「時間」という人生で最も貴重な資源を、自分の意思でコントロールできるようになった。これがフリーランスになって得た最大の財産かもしれません。

もちろん、この自由には責任も伴います。次の章では、フリーランスに向いている人・向いていない人の特徴について、1年半の経験から見えてきたことをお伝えします。

👥 フリーランスに向いている人・向いていない人の特徴

1年半の経験で見えてきた「向き・不向き」を個人的な観点から正直にお伝えします。

向いている人の3つの特徴

1. 「できません」を「調べてみます」に変換できる人

独立前、一番恐れていたのは「即戦力として採用されるのに、できないことを頼まれたらどうしよう」ということでした。

❌「それはできません」
⭕「やったことはありませんが、調査して回答します」
⭕「経験はないですが、調べながらならできそうです」

もちろん 「できません!」 と即答することはNGです。
クライアントが求めているのは「全知全能のスーパーエンジニア」ではなく、「一緒に問題を解決してくれるパートナー」です。この姿勢さえあれば、技術的な穴はいくらでもカバーできます。

2. 自由を自己管理に変えられる人

「自宅なら誘惑なく集中できるはず」
これは幻想でした。むしろ逆です。

  • ベッドが視界に入る
  • 好きなだけYouTubeが見られる
  • 誰も見ていないからサボれる

だからこそ、自制心と自己管理能力が必須です。私の場合、午前中は自宅、午後はコワーキングスペースという「強制的な環境変化」を作ることで、メリハリをつけています。

3. 過剰なほどコミュニケーションを取れる人

リモートワークでは「察してもらう」は通用しません。
私が心がけていること

  • 今日やったことを細かく共有
  • 進捗は小まめに報告
  • 遅れそうなら正直に「遅れます」と即座に伝える

実際、リリースが1ヶ月遅れたこともありました。でも、早めに正直に伝えてリスケしたことで、信頼関係は崩れませんでした。「スケジュール通りにいかない」より「黙っている」方がはるかに罪深いのです。

向いていない人の3つの特徴

1. 管理されないと力を発揮できない人

会社員時代、こんな環境で最高のパフォーマンスを出していた人は要注意です

  • 上司の明確な指示があって初めて動ける
  • 締切がないとダラダラしてしまう
  • 周りの目がないとサボってしまう

フリーランスは「自由」ですが、それは「自己管理の責任」とセットです。

2. 孤独を感じやすい人

1日誰とも話さない日もあります。Slackでのテキストコミュニケーションが主体で、雑談相手もいません。
私はコワーキングスペースを使ったり、エンジニアコミュニティに参加したりして対策していますが、「職場の仲間とワイワイ」が仕事のモチベーションという人には厳しい環境です。

3. 将来に不安を抱えやすい人

会社員なら「将来の昇進」「長期的なキャリアパス」を考えられますが、フリーランスは基本的に「今の案件」が全てです。
契約にもよりますが、3ヶ月後の収入も保証されていない環境で、目の前の仕事に全力投球できない人は、精神的に参ってしまうでしょう。

意外と重要じゃなかったこと

・営業力・交渉力

エージェントを使えば、営業はほぼ不要です。単価交渉も間に入ってもらえます。 「営業が苦手だから…」 という理由で諦める必要はありません。
※個人でサービスを売りたい人は別ですが...

結論:必要なのは「覚悟」より「適応力」

フリーランスに必要なのは、特別な才能でも、鋼のメンタルでもありません。
変化を楽しみ、自由を自己管理に変換し、不確実性の中でも前に進める適応力
これさえあれば、あとは何とかなります。少なくとも、私は何とかなっています。

🎬 まとめ:1年半経って、今思うこと

正直な感想:フリーランスになって後悔しているか?

答えは「No」です。
確かに、失ったものもあります。安定した収入、充実した福利厚生、同僚との何気ない雑談。予想外の落とし穴にハマったことも、孤独に押しつぶされそうになったこともありました。
でも、得たものの方がはるかに大きかった。

時間の主導権、技術的な挑戦の機会、そして何より「自分の人生を自分でコントロールしている」という実感。
満員電車に揺られながら「今日も1日が始まるのか…」とため息をついていた1年半前の自分に会えるなら、「大丈夫、飛び込んでみな」と背中を押すでしょう。

これから独立を考えている方へ

フリーランスは「楽園」ではありません。でも「地獄」でもありません。
ただ、会社員とは違うルールで動く、もう一つの働き方があるだけです。
もしあなたが:

  • 今の働き方に違和感を感じている
  • もっと技術的な挑戦がしたい
  • 時間を自分でコントロールしたい
  • 不確実性を楽しめる

なら、フリーランスという選択肢を真剣に検討する価値はあります。

最後に伝えたいこと

「フリーランスになれば全てが解決する」なんて幻想は捨てましょう。
でも同時に、「自分には無理だ」という思い込みも捨てましょう。
私も特別優秀なエンジニアではありません。営業が得意なわけでもない。人脈が豊富だったわけでもない。
それでも1年半、楽しく続けられています。
必要だったのは、一歩踏み出す勇気と、変化を楽しむ心だけでした。


この記事が、あなたの「一歩」の参考になれば幸いです。
フリーランスエンジニアとしての日々は続きます。また1年後、どんな景色が見えているか、振り返ってみたいと思います。
質問や相談があれば、お気軽にコメントください。同じ道を歩む仲間として、できる限りお答えします。
あなたの挑戦を、心から応援しています。🚀

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