はじめに
以前の記事で、Cassandra のデータを Yellowfinで可視化しました。
今回は、同じ Key-Value Store (KVS) である Redis のデータを Yellowfin で可視化してみます。
環境準備
Redis の準備
Redis をダウンロードしてインストールする手順は、下記サイトをご参照ください。
https://redis.io/docs/latest/operate/oss_and_stack/install/
今回は Docker コンテナを活用しようと思います。
まずは Docker イメージを入手します。
docker pull redis:latest
イメージからコンテナを立ち上げます。
docker run --name redis -d -p 6379:6379 redis redis-server --requirepass "password"
--requirepass
オプションでパスワードを指定しています。同オプションを指定しないと、認証無しでアクセスすることになります。
コンテナを立ち上げたら、コンテナにログインします。
Docker exec -it redis /bin/bash
データ準備
コンテナにログインした後、redis-cli
コマンドを実行します。
同コマンドを実行すると、27.0.0.1:6379> のようなプロンプトに切り替わります。
パスワードを使って認証を受けます。
127.0.0.1:6379> auth password
OK
データを投入します。バリュータイプにはいくつかのタイプがあり、用途によって適したタイプの選択が必要です。
各バリュータイプの説明は、下記サイトを参考にさせていただきました。
今回はデータ集計がしやすいように、StoreSet 型を選択します。
zadd コマンドに続いて、key, score, member の順にスペース区切りでデータを登録します。
127.0.0.1:6379> zadd fruit 100 banana
127.0.0.1:6379> zadd fruit 150 apple
127.0.0.1:6379> zadd fruit 980 durian
127.0.0.1:6379> zadd vegetable 200 onion
127.0.0.1:6379> zadd vegetable 300 pumpkin
127.0.0.1:6379> zadd vegetable 500 asparagus
JDBC コネクタ
JDBC コネクタの入手
今回は CData の Redis JDBC コネクタ評価版を利用します。まずは下記 URL にアクセスし、対応データソースから Redis を選択します。
その後、[ダウンロード] > [ダウンロード評価版] > [ダウンロード Windows Setup (.exe)] の順に進み、RedisJDBCDriver.exe をダウンロードします。
RedisJDBCDriver.exe を実行すると、デフォルトで以下にファイルが解凍されます。
C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for Redis 2024
lib フォルダに以下のようなファイルが存在します。
コネクタのインストール
ライセンスファイル cdata.jdbc.redis.lic を zip ファイルに圧縮した後、cdata.jdbc.Redis.lic.zip をcdata.jdbc.Redis.lic.jar に名称変更します。プラグイン管理画面で .jar か .yfp ファイルしか登録できないことへの対応です。
Yellowfin 画面から [管理] > [プラグイン管理] > [追加] と進み、cdata.jdbc.redis.jar をドロップして追加した後、「さらに追加」を選択して、cdata.jdbc.redis.lic.jar を追加します。結果、以下のように、実行ファイルとライセンスファイルの両者を合わせて登録します。
データソース
Yellowfin からは一般 JDBC データソースを利用します。一般 JDBC データソースを利用するための接続文字列は、CData の機能を使って生成すると便利です。
cdata.jdbc.redis.jar をダブルクリックすると、下記の画面が表示されます。こちらで接続テストをした後、接続文字列をコピーして利用すると良いかと思います。
Yellowfin 画面から [管理] > [プラグイン管理] > [追加] と進み、[新規データ接続] で [データソースを選択] から [データベース] を選択します。
新規接続の設定画面から、以下を参照に新規接続を作成します。
項目 | 設定値 |
---|---|
名前 | Redis |
データベースタイプ | 一般 JDBC データソース |
JDBC ドライバー | cdata.jdbc.redis.RedisDriver(Redis) |
接続文字 | jdbc:redis:Server=localhost;Password=password; |
[テスト接続] ボタンを押下し、テスト接続が成功すればひとまず大丈夫です。
ビュー作成
こちらを参考に、ビューを作成します。
レポートの作成
こちらを参考に、レポートを作成します。
最後に
Redis を生まれて初めて取り扱ってみましたが、非常にデータの構造が簡素で、スケーラビリティを確保することに優れるため、大量データを取り扱うには良さそうなイメージです。
一方で、蓄積されるデータを直接 BI で可視化するためには、一旦データを分析に適した形で集約すべきかと思われます。
何事もやってみないと分かりませんね。
では皆様、良いデータ分析を!