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QA学園: “曖昧”の正体

Last updated at Posted at 2025-12-13

#“曖昧”の正体

QA学園とは

QA学園は、QAのことを教えてくれる学校で、そこで学習する子供たちの物語(フィクション)です。

アヤは“違和感”を拾う人、ユウタはそれを形にする人。
そして僕、テラは、ロジカルQAとして動きます。


ChatGPT Image 2025年9月30日 16_39_11.png

ロジカルQAが一番嫌うのは、バグでも仕様変更でもない。曖昧だ。
僕は“曖昧”を見ると、まずテスト設計じゃなく観測点と責任の所在を見に行く。

「多分こう」
「ケースバイケース」
「ユーザーによる」
「想定では」

こういう言葉が出た瞬間、僕の頭の中では警報が鳴る。
曖昧は、ふわっとしているから嫌なんじゃない。再現できない世界を作るから嫌なんだ。

僕の中では、曖昧には種類がある。

曖昧① 観測できない(Observability不足)

動いたかどうかは分かる。
でも「なぜそうなったか」が分からない。

  • エラーになったのに理由コードがない
  • 失敗したのにログが残らない
  • 失敗したのに、UIは同じ顔をしている

このタイプの曖昧は、テストを増やしても解決しない。
観測点がないから、再現しても原因に辿り着けない。

僕はこう言う。

それ、テストの問題じゃない。設計の問題だ。

曖昧② 境界がない(分類できない)

仕様の文がこういう形だと、僕は止まる。

  • 「適切な場合」
  • 「必要に応じて」
  • 「なるべく早く」
  • 「不正と思われる操作」

この文章の問題は、正しいかどうかじゃない。分類できないこと。

分類できないと、同値分割も境界値も作れない。
テスト観点図も描けない。結果、議論が感想戦になる。

だから僕は紙に書く。

  • 「適切」の定義は?
  • 誰の視点で?
  • 入力空間はどう分ける?

曖昧③ 責任が移動する(意思決定が消える)

これが一番ヤバい。

  • 「ユーザーが悪い」
  • 「運用でカバー」
  • 「仕様担当に確認します」
  • 「とりあえずこのまま」

曖昧が残ると、判断が“どこか”へ逃げる。
最終的に、障害のときだけ現れる責任者が生まれる。

僕はこうまとめる。

曖昧は、仕様の穴じゃない。意思決定の穴だ。


じゃあ、どうするか

僕がやるのは、感情的に「明確にして」と言うことじゃない。
曖昧を、テストできる単位に落とす。

  • 観測点を決める(ログ、理由コード、イベント)
  • 境界を決める(値クラス、状態、時間)
  • 決める人を決める(誰が最終判断するか)

ロジカルQAが欲しいのは、“正しさ”じゃなくて、再現できる世界だ。


曖昧は悪じゃない。
ただ、放置すると「誰も勝てないゲーム」になる。

  • 観測できない
  • 分類できない
  • 意思決定が消えている

あなたの現場で一番多いのはどれですか?そして、最初に直すなら“観測点/境界/決裁者”のどれからにしますか?

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