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QA学園: “曖昧”の正体(その2)

Last updated at Posted at 2025-12-13

「観測点を増やせ」じゃなく「最小観測点セット」を定義する

QA学園とは

QA学園は、QAを教えてくれる学校で学習する、
生徒たちの物語(フィクション)です。
登場人物は、今回は僕(テラ)。
ロジカルQAの立場で「再現できる世界」を作るろうとしています。
ChatGPT Image 2025年10月11日 02_05_02.png


「ログを増やせば安心だよね」

この言葉を聞くたびに、僕は少しだけ首をかしげる。
観測点は、多ければいいわけじゃない。

ロジカルQAが本当に欲しいのは、
**原因に辿り着ける“最小セット”**だ。


なぜ「増やす」は失敗するのか

観測点を闇雲に増やすと、だいたいこうなる。

  • ログは大量にある
  • でも、どれを見るべきか分からない
  • 障害時、結局「それっぽいところ」を眺める
  • 原因は「推測」で終わる

これは観測点不足ではなく、設計不足だ。


僕が考える「最小観測点セット」

考え方は単純。
状態遷移 × 判断ポイントだけを押さえる。

たとえば、パスワード再設定フロー。

① 状態が変わる瞬間

状態が変わる場所には、必ず観測点を置く。

  • リクエスト受付
  • トークン発行
  • トークン検証
  • パスワード更新完了

「どこまで進んだか」が分かる

② 判断が分かれる瞬間

成功/失敗が分岐する場所には、理由が必要。

  • なぜ失敗したのか
    • expired
    • invalid
    • reused
    • policy_violation

「なぜ止まったか」が分かる

③ ユーザーに見えた結果

内部ログだけじゃ足りない。

  • UIに出たメッセージ
  • 同一文言か、分岐した文言か

「ユーザー視点で何が起きたか」が分かる


これだけで何が変わるか

この最小セットがあると、QAはこう言える。

  • 再現できる
  • 分類できる
  • 議論できる

逆に言うと、これがないと、

  • テストを増やす
  • ログを眺める
  • 気合で原因を探す

になる。


観測点は「安心のため」じゃない

観測点は、安心材料じゃない。
意思決定の材料だ。

  • どこで失敗したか
  • 仕様通りか
  • 想定外か
  • 次に直すべきはどこか

これを判断できる最小限があればいい。


まとめ(テラ視点)

  • 観測点は増やさない
  • 状態と判断にだけ置く
  • 「なぜ」と「どこまで」を残す

僕にとって観測点とは、
あとで責任を押し付け合わないための構造だ。

あなたの現場の観測点、
「多い」のか「足りない」のかじゃなく、
**“意味のある最小セット”になっていますか?

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