AIが期待値を入れる日:レトルトちゃんカバレッジとフルオートテストの未来
UIを起点とした“対話的QA”の次の一歩
はじめに
「AIがテストを書いてくれる時代が来る」
──そう言われてから、もう数年が経ちました。
Playwright や GPT、Cypress + Copilot など、
AIによるテスト自動生成はすでに現実です。
でも、肝心なところがまだ人間に残っています。
そう、「期待値」です。
どの結果が正しいのか?
何をもって“テスト成功”とするのか?
そこにこそ、QAの本質があります。
そして、この課題をAIと一緒に解く鍵が、
私の提案している 「レトルトちゃんカバレッジ」 にあります。
レトルトちゃんカバレッジとは?
もともとこれは、UIテストを“人間の操作”から定義する新しいカバレッジです。
- コードではなく、HTMLのUI要素(ボタン・入力欄・選択肢)を起点にする
- それぞれのUIに「正常・異常・境界・セキュリティ」などのテストセットを紐づける
- 画面単位で「どこまで網羅したか」を定量化する
言い換えると、「ユーザー体験を保証するE2Eカバレッジ」です。
フルオートテストを阻む壁:「期待値の壁」
AIがテストを“書く”のは得意になりました。
でも、“正しい結果”を判断するのはまだ苦手です。
理由は単純で、AIには**「人間の意図」**が読めないから。
ボタンの名前を見ても、そこに込められたUXやビジネスロジックの意味までは理解できません。
つまり、AIは「行動」は真似できても、「判断」はできないのです。
UIの世界にも“網羅率”を定義できる
ここで、もうひとつ大きな壁があります。
それは「UIテストって、定量化できないよね」という思い込みです。
確かに、UIは人間が操作する世界。
コードのように命令数や分岐を数えられるわけではありません。
でも、よく考えてみると、ユーザーが触れるUIは有限なんです。
画面に出ているボタン、入力欄、選択肢、リンク。
それぞれが「動作を保証すべき最小単位」になっている。
ならば——
UIの総数を母数として、テストできたUIの割合を数えればいい。
これが「レトルトちゃんカバレッジ」の核心です。
UIカバレッジ率 = (テスト対象UI数 / 全UI数) × 100%
(ChatGPT5にレトルトちゃんカバレッジの論文を学習してもらって書いた記事です)